personal note内検索 / 「ジャック・タチ」で検索した結果

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  • プレイタイム
    プレイ・タイム 監督:ジャック・タチ 出演:ジャック・タチ 1967年:仏 コメディー映画だが、もっぱらその空間表現、超モダンな都市風景など、建築的要素の多い映像表現として知られているのではないか。 劇中が乾いた空気の中、繰り広げられる主人公ユロ氏の行動は、セリフが少ないせいかもっぱらそのモダンな風景の一部として見えてくる。描かれる建築空間の均質さと、コメディーとしての動きが、等価でヒエラルキーを感じない。それはユロ氏の行動の特異さを打ち消すほどに、周辺人物達の動きが、均質で秩序立てられているからだ。 それはねらいなのだろうか。空間を際だたせる効果としてはとても成功している様に思うが、コメディーとしてはどうだろう。あまりに人物のインパクトが弱く、気付くとその建築表現ばかりに気をとられてしまう。必要以上に反応する向き...
  • 月曜日に乾杯!
    月曜日に乾杯! 監督: オタール・イオセリアーニ 出演: ジャック・ビドウ, オタール・イオセリアーニ, その他 配給:ビターズ・エンド 2002年|2時間7分|フランス、イタリア セリフのない淡々とした展開ではじまる。カウリスマキ風な演出。こまかいギャグが入っていて芝居のようでもある。人物がたくさん登場し、同じ街のなかで繰り広がる所など、ロバート・アルトマンの「ショートカッツ」を思わせる群像劇だ。 ただ「ショートカッツ」はそれぞれのドラマが連鎖していく複雑さとシークエンスを狙っていたのに対して、この映画では「ドラマ以前」の行為的な記録とも言える断片がひたすら連鎖していくようだった。 家にある沢山の自転車を見せる兄弟。そのなかの一台を譲り受ける少年。去っていく少年にかぶって車から怒った父親登場。少年が教会へ。電話BOXではなす女の子。電話する黒人男性。少年の...
  • イージー★ライダー
    イージー★ライダー 1969年 アメリカ 脚本:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー 、 テリー サザーン 監督:デニス・ホッパー 出演者:ピーター・フォンダ 、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン 60年代アメリカ。マリファナを密輸して、大金を得たキャプテン・アメリカとビリー。大型改造バイクを買ってロスから南へ旅に出る。目指すは自由の国、真のアメリカ。2人の若者を通して、人種問題、反体制運動の激化など、当時のアメリカの不安定な側面をロックナンバーにのせて投影。 この作品から「ロードムービー」は始まったといわれている。 個人的には、「パリ、テキサス」こそ、「ロードムービー」の最高峰と思っていたが、修正が必要となった。そのヴェンダースに影響を与えたのがこの作品という事だけでなく、この作品が莫大な資金のもとで...
  • フランス映画史の誘惑
    フランス映画史の誘惑 中条省平著 集英社新書 0179 \760 映画を見るのには体力がいる。2時間近い間(最近では3時間超えも多い)じっとして集中力を高めなくてはいけない。緊張感をたもち流れをつかみ、時に監督の意図を読み、時にシチュエーション独自の空気を読み。そのようにしてある「ふんぎり」のようなものを必要とすからだ。それでも映画には魅了される。いや、それだからとも言える。 字幕はさらに体力を要する。絵と文字を同時に追い、両者の伝える像を一瞬にして読みとる能力。では日本映画は楽かといえばそうでもない。字幕の要らないぶん、また描かれる環境、人物が身近な存在だけに、感情の細部に至るまで徹底して読んでしまうから、かえって疲れるのだ。そしてまた魅了される。 フランス映画は特にやっかいだ。絵と字幕のコンビネーションへさらに...
  • スクール・オブ・ロック
    スクール・オブ・ロック 監督:リチャード・リンクレイター 製作:スティーヴ・ニコライデス/スコット・アヴァーサノ 製作:スコット・ルーディン 出演:ジャック・ブラック/ジョーン・キューザック/サラ・シルヴァーマン/ジョーイ・ゲイドス・ジュニア/ケヴィン・クラーク/ロバート・ツァイ 2003米/UIP SPA!の映画評で中原昌也がいつになく自虐ネタも入れずに褒めちぎっていた作品だったので、ずっと気になっていた。なんとか新宿武蔵野館にて見ることが出来た。予想以上に素晴らしい作品だった。はじめから終わりまで笑いっぱなしで、最後には泣けてしまう。まさにこれぞエンターテイメントだ。素晴らしい。 リチャード・リンクレイターの作品はまだ3つしか見ていないがどれも面白かった。その緻密な演出力は初のメジャー作品においても確実...
  • ラ・ジュテ
    ラ・ジュテ 監督:クリス・マルケル 出演:エレーヌ・シャトラン/ダヴォス・ハニッヒ/ジャック・ルドゥー/アンドレ・アンリシュ/ジャック・ブランシュ /ピエール・ジョフロワ/-エチエンヌ・ベッケル/フィリベール・フォン・リフシッツ/リジア・ボロフチク/ジャニーヌ・クライン/ウィリアム・クライン/ジェマール・ファチェッティ 脚本:クリス・マルケル 美術:ジャン=ピエール・シュドル 音楽:トレヴァー・ダンカン 朗読:ジャン・ネグロニ 1962年/フランス/28分/白黒/ヴィスタ これは、クリス・マルケルの名を不動のものとしたとされる記念碑的作品で、第3次世界大戦後の廃墟のパリを舞台に、ある男の過去と未来への時間旅行を切なく美しく描いたSF作品です。 この作品の大きな特徴の一つである静止画像でストー...
  • ディパーテッド
    ディパーテッド 監督 マーティン・スコセッシ 出演者 レオナルド・ディカプリオ 、 マット・デイモン 、 ジャック・ニコルソン リメイクだけど紛れもないアメリカ映画という感じでよかった。スコセッシはここ数年あまりぱっとしない作品が多かったように思うけどこれは傑作では。 見ているこちら側は2人の「ネズミ」へ同時に感情移入する。正義とか地位とか、すがるものをウリにして身を削り、「裏切り」を武器にしながら同時にそれへ襲われる2人はまるで鏡のようだ。 工作員がミッションを終えても懐疑心から普通の生活に後戻りできないように、はじめからハッピーエンドが約束されていない任務には宿命へ翻弄されるドラマがある。どのように崩壊していくかを描くことは、マーティン・スコセッシの得意部分かと思った。2007-07-01/k.m コメントを...
  • ベティ・ブルー
    ベティ・ブルー 86/FRANCE 監督・脚本:ジャン・ジャック・ベネックス 原作:フィリップ・ディジャン 出演:ベアトリス・ダル、ジャン・ユーグ・アングラード すっかり年末休暇モードでのんびりしております。TUTAYAで5本もビデオを借りてしまいました。そのウチの1本。 女性の激情を描いた映画はとても印象に残る。特に「恋のエチュード」と「アデルの恋の物語」などが。共にフランソワ・トリュフォーの作品。ゴダールと共にヌーベルバーグの作家だが、僕はトリュフォーの方が好きだ。 この激情は情緒不安定だったり、狂気であったりする。もちろん二人の内部では、まぎれもない愛情なのだが。そしていつしか、精神病として薬を投与され続け、気の抜けたような人間になってしまう。度を超えた情熱がこの様に狂気として扱われ、救いようのない...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年2月2日-パリ最終日
    2000年2月2日-パリ最終日 本日17時でパリは最後。朝から、パリの外れ、ラ・デファンス地区を目指す。ここは、地下へ自動車交通を流し、地上の人工地盤には散策の場をもたらすなどの、かつてコルビュジェが提案した「300万人の現代都市」への強い模倣が見られる。もっとも、コルビュジェの生前から始められたにも関わらず、この開発へ声が掛からないほど、当時のフランス官僚へ嫌われていたようだ。 コルビュジェ自身も、パリ博覧会で「現代都市」を発表した頃とは、考えも、目指す建築にも変化が出ていたので、あまり興味は無かったのかも知れないが。ヨハン・オットーらによって設計されたグラン・アルシュ。ここから始まり、エトワール凱旋門を抜け、シャンゼリゼを通ってルーブル美術館へ至る軸線は、パリの都市軸として、強烈な印象を与えられる。 バスへ乗り、アラブ世界研究所へ。アラブ的な模様のダ...
  • プラスティック・ソウル
    プラスティック・ソウル 阿部和重著 出版 : 講談社 発行年月 : 2006.3 『グランドフィナーレ』以来なので1年半ぶりくらいに阿部和重の小説を読んだ。けれどこれは『シンセミア』よりも以前に書かれたようだ。特に彼の分岐点とかって言われるような作品のようだけど、それほど分析的に読むわけではないので気にしない。 そもそも「主体の分裂」など、彼の批評性に注目した書評は多いけど、何故そうなってしまうのかよく分からない。確かに語り手が突然変わったり、二重に話していたり、トリッキーな構成は目立つ。けれど小説がそれほど行儀の良い書かれ方をされている読み物だとは思えないし、もっと不可解なものも多い。 むしろ阿部和重の小説は読んですぐに彼の作品と分かるようなスタイルがあって、それを支える形式的な中に批評性があるのだと思う。だから...
  • 全てはロードムービー
    全てはロードムービー 時々、映画はすべてロードムービーなんじゃないかと思うことがあって、それは旅をしていなくても、車で走るシーンがなくても、ただ動いていることが既にそこへつながっていて、そう考えると活劇自体が動きを前提に作られていて、動きの中へロードムービー的な感覚をつかんでしまう。 写真にも同様なことが言えて、風景でも人物でもスナップでも、そこにはかつてあった瞬間が写っていて、今も目の前で続いているかのように在り、静止させることで動きを見つけようとする中へ、ロードムービー的な感覚をつかんでしまう。 当然ながら、どちらにも共通していることは、自分のなかで立ち上がっていく感覚であること、映画や写真へ触れている時に、ロードムービー的な感覚が想起されていくことだ。ロードムービーと言うからには旅映画なんだけれど、それをメタ的な概念としてしまう気分の中には一体何があ...
  • ネオリベラリズムの精神分析
    ネオリベラリズムの精神分析 なぜ伝統や文化が求められるのか 光文社新書 樫村 愛子 (著) 僕らは自分の生きている時代や世界を理解したいと常に思っていて、その欲求は今の時代に文学やら映画などを造る、創造的な動機付けの意味を了解したいことと同義のように思える。 かつて、安定した世界像=「大文字のA」のあった時代には、その対象へ向って書くことの出来た非公開の日記も、現代の細分化され共有の困難な、その場限りの世界像=「小文字のa」に対しては特定の「コメント」や「足跡」のように承認行為を得られるネットの公開日記は必然の道具でもある。 この時、重要なキーワードがジャック・ラカン(精神分析家)の提示した「現実」という概念で、それは決して見ることの不可能な世界を意味し、このことは同時に僕らが目の前の「世界」を見るとき、自己の幻想(勝手な解釈)を通じてしかそれに触れる...
  • ヴェルナー・パントン展
    ヴェルナー・パントン展 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 東京オペラシティ アートギャラリー  2009年10月17日(土)~2009年12月27日(日) ヴェルナー・パントン(1926-98)は、デンマークに生まれ、ポール・ヘニングセンやアルネ・ヤコブセンなど、同国を代表するデザイナーと交流し、多くの名作デザインを世に送り出しました。 靴を脱いでの展示は、すっかりとこの美術館のウリになっているように思う。話題の展示だけれど思ったほどボリュームはなく、こじんまりしていた。もちろん、ファンタジー・ランドスケープだけで十分行く価値はありますけど。キューブリック「時計じかけのオレンジ」を思わせるカラフルな空間。「2001年宇宙の旅」もそうだけど、キューブリック映画は本当にスタイリ...
  • ショートカッツ
    ショートカッツ 1993年 アメリカ 監督:ロバート・アルトマン 出演者:アンディ・マクダウェル 、ブルース・デイビソン 、ティム・ロビンス 、ジュリアン・ムーア 、マシュー・モディン 、クリス・ペン 、ロバート・ダウニー・Jr 、トム・ウェイツ 、リリ・テイラー 、ジャック・レモン レイモンド・カーヴァーの短編や詩をモチーフにアルトマンの描く多彩なキャストによって織りなす一大人間喜劇。3時間という大作。22人という登場人物。まるで小説「シンセミア」や映画「マグノリア」のようだ。いや、どちらよりも昔。むしろ多くの群像劇に影響を与えてきたのはアルトマンのほう。 はじめの30分くらいにほとんどの登場人物が出てくる。どの家族が繋がっているのか分からない。頭が痛い。「ゴスフォードパーク」でもこんな気分だったような。次第に全員の関係...
  • まぼろし
    まぼろし 監督・脚本:フランソワ・オゾン 共同脚本:エマニュエル・バーンハイム/マリナ・ドゥ・ヴァン/マルシア・ロマーノ 出演:シャーロット・ランプリング/ブリュノ・クレメール/ジャック・ノロ 2001年/フランス/95分/原題:Sous le sable 配給:ユーロスペース 死とは、その不在を受け入れることなのかもしれない。しかしこの映画では、まずその不在があって、後に死の知らせがくる。ながい不在だけの期間が、死を受け入れることを拒む妻をつくっていた。まぼろしという幻影を見続けながら、妻は夫の不在をやり過ごしていた。やがて訪れるだろう死をまちながら。 ここであらためて死とな何なのかと問われているような気がした。不在は既に始まっていて、死はそれを永遠のものとして告知されたに過ぎない。戻ってくるかの希望を断...
  • シャンドライの恋
    シャンドライの恋 監督: ベルナルド・ベルトルッチ 原作: ジェームズ・ラスダン 脚本: クレア・ペプロー/ベルナルド・ベルトルッチ 出演:デビッド・シューリス/サンディ・ニュートン/クラウディオ・サンタマリ アフリカから亡命したメイド、シャンドライと、彼女の夫を救うためにすべての財産を投げ打つ音楽家、キンスキーの「無償の愛」を描いたもの。 無償の愛というのも、難しいテーマだ。描かれる人物が、あまりに出来過ぎていても入り込めないし、かといって宗教的すぎる慈悲愛にもリアリティーを感じない。ヨーロッパの人なので、キリスト教的慈悲の愛かと思うが、アジアへのこだわりを見せるベルトルッチなので、やはりブッダの唱える仏教的な慈悲なのだろうか。 個人的に、「リトル・ブッタ」は、西洋からのオリエンタリズムにしか見えず、まだジャン・ジャック・アノー監督の「...
  • デジャ・ビュ
    デジャ・ビュ 桜井亜美 幻冬舎 2001.12 生まれついた階級が全てを決定する世界。これはイーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウらが出演した映画「ガタカ」を思い出す。あれはとても切ない物語だった。実際に、あとがきの対談で著者も「ガタカ」の影響を語っていた。 主人公のツバサは「Cマイナス」という出自を持つように、この物語世界はA/B/Cという階級で仕切られている。近未来という設定と、今の社会をデフォルメしたような描き方が「ガタカ」との共通点でもある。だがより大きな命題はやはり、「こんなに美しい世界に囲まれているあたしたちが、お互いの感じている苦痛や絶望を共有することも分かり合うこともできず、一人一人、深い孤独に耐えるしかないのだ・・・」という主人公の言葉があらわすものだ。人間以下の扱いを強い、生涯越えられない階級...
  • 写真展ハシゴ
    写真展ハシゴ-2008 ヴォルフガング・ティルマンス 展 ワコウ・ワークス・オブ・アート 久々に見たティルマンス。オペラシティでの展示はとても印象深かった。ここはとってもこじんまりしていて、すぐ見終わってしまった。印象に残ったのは中庭から空を見上げた写真。ポルトガルへ行ったときもこんな光景があった。 むしろギャラリーまでのアプローチが興味深かった。バス倉庫の大きなアスファルト空地からシーザー・ペリがデザインしたNTTビルを眺める風景に、カメラを忘れたことを悔やんだ。 第33回木村伊兵衛写真賞受賞作品展 コニカミノルタプラザ 岡田敦氏の「I am」 リストカットした腕の全裸写真があったせいで、全てそのような自傷行為を行っている女性たちに見える。深刻な症状であるにもかかわらず、公式の疾患名としては認められていない自傷。もはや現代の闇とか言われてしまうよう...
  • パニックルーム
    パニックルーム 2002年 アメリカ 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 監督:デビッド・フィンチャー 出演者:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー 夫の浮気が原因で離婚したメグ(ジョディ・フォスター)はマンハッタンで娘と暮らすための新居を探していた。4階建てでエレベーター付き、そして頑丈に出来た緊急用の避難ルームがある一軒家を見つけたメグは、早速引っ越しの手続きをする。しかし、引っ越しした晩、何者かが家に侵入。メグは娘と共にパニック・ルームへ逃げ込むが…。 パニックルーム、それは災難から自己を守る為の避難所である。扉を閉めてしまうと外部から内部(パニックルーム)へ入ることは不可能。 ストーリーは、パニックルームの中(内部)にいる者と外(外部)にいる者の駆け引きで成り立っている。 ...
  • 路上
    路上 ジャック・ケルアック (著) 福田 稔 (翻訳) 河出文庫 「いいかね、諸君、われわれにはあらゆることがすばらしく、世の中のことは何もくよくよすることはない。本当にくよくよすることは何もないとおれたちが理解することはどういう意味をもつかを悟らねばならないよ。おれは間違っているかい?」(本文引用) アメリカ大陸を何往復もするサル・パラダイス(主人公)と大半を共にするディーン・モリアーティ(親友)の軌跡を描きとめた小説。20代前半の二人がトリツカレたように移動を繰り返してその場ごとにパーティやドラッグに明け暮れ、現地で働き金を貯めまた移動、時に伯母から送金させまた移動する。手段もヒッチハイクからバス、ピックアップトラック、旅行案内所が斡旋する車、代行運転する車などなど。 ディーンが出かけてきたのは、まったく意味のない事情によるものだったが、同時に、僕が彼と...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年2月1日-パリ3日目
    2000年2月1日-パリ3日目 さすがに疲れの出てくる頃だが、今日はホテル近くの国立図書館から見学。付近は建設ラッシュで、クレーンが立ち並ぶ。集合住宅の建設が、ここでも目立つ。 4冊の本を開いて互いに向き合ったようなタワーは、内部の広大なヴォイドを予感させている。ドミニク・ペローがヴォイドを説明的に言うには、「パリの広場」としての役割を担う存在である、と言うことだ。今後開発の進む、パリ13区のスタート・ポイントとして、必要なのもは、スペースとエンプティネス。確かに明快な考えと、歴史への参照という姿勢の伺える提案に思える。それはまた、タワーと広場という、都市のランドマークとして、パリのみならず、ヨーロッパの街々ほとんどに共通した理念を持ち込んでいる。 読書する者への、家としての落ち着つける空間と、国立という威厳を、慎重に表現された内部空間だ。回廊から見え...
  • ファイト・クラブ
    ファイト・クラブ 監督:デビッド・フィンチャー 原作:チャック・ポーラニック 脚本:ジム・ウールス 出演:エドワード・ノートン、ブラッド・ピット、ヘレナ・ボナム・カーター なかなか面白い。デビットフィンチャーの作品で、ブラピといえば、セブンなんですけど、こちらはだいぶ系統のちがった作品ですね。映像の見せ方などは、独特のセンスというか、MTVばりの軽やかさというか、その時代性にのった表現が、脚本へとはまっていてよかったです。 アメリカは、日本の先を行く高度「消費」資本主義社会なのだから、この映画に現れている状況がフィクションとは思えないくらい近いものに感ます。そこでは確かに、不眠症が人生最大の問題になろうかと思われるし、それを解消するカタルシスが「何々ガンの励ます会」だというのも、またそれをカルチャースクールなんかと...
  • 巨人と玩具
    巨人と玩具 監督:増村保造 出演:川口浩、野添ひとみ、高松英郎、小野道子(長谷川季子)、伊藤雄之助 原作:開高健 脚本:白坂依志夫 撮影:村井博 1958年/カラー/96分/大映スコープ 増村なのか大映なのか。この過剰な演出は。いきなりオープニングの歌から大爆笑だった。1958年と言えばいまから半世紀近い昔の映画ということになる。なんとも驚くべき内容で、今現在を描いていると言ってもおかしくない。むしろこれほど滑稽に資本主義の矛盾を露呈させた描き方は今の社会では無理なのではないか。ある意味それほどに不自由な時代なのだ。 あるいはこの映画が当時それほど進んでいなかったとすれば、現在はそのころから全く進歩していないことになってしまう。ディテールこそ違えど広告活動の過剰さはまったく差がない。SMAPの渋谷ジャックやラッピングバスの激走。マンション広告・CM、FMでのヘビーローテ...
  • 映画の頭脳破壊
    映画の頭脳破壊 著者:中原昌也 出版社:文藝春秋 映画もろくに見られない人生なんて!!っと最近腐っていたのだけれど、コレを読んである意味で映画よりも幸せな時間を得ることが出来た中原昌也の小説論へ脱線するところも良い。 以下、未見だったけれどコレを読んでガゼンみたくなったモノをメモ。 硫黄島からの手紙 デジャブ マラノーチェ ブラック・スネーク・モーン ここに幸あり 夜顔 2008-07-15/k.m
  • 小説
    今までに取り上げた小説リスト imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (01.jpg) 1Q84 3.11以降 Self-Reference ENGINE あらゆる場所に花束が… いつか王子駅で うたかたの日々 かもめの日 きょうのできごと この人の閾 さようなら、ギャングたち その街の今は なしくずしの死 ひなた まどろむ夜のUFO わたしたちに許された特別な時間の終わり われら猫の子 アフターダーク アメリカの夜 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? エロ事師たち オデュッセイヤ カテゴライズ。 カンバセイション・ピース キッドナップ・ツアー グランドフィナーレ ゲルマニウムの夜 コンセント ショートカット シンセミア ジョン・レノン対火星人 スティル・ライフ デジャ・ビュ ニシノユキヒコの恋と冒険 ニ...
  • バーバー
    バーバー 2001米/アスミック・エース 監督・脚本:ジョエル・コーエン 製作:ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー 製作・脚本:イーサン・コーエン 撮影:ロジャー・ディーキンズ 音楽:カーター・バーウェル 出演:ビリー・ボブ・ソーントン/フランシス・マクドーマンド/ジェームズ・ガンドルフィーニ/アダム・アレクシ=モール/マイケル・バダルコ/キャサリン・ボロウイッツ/リチャード・ジェンキンス 全体にとても抑えられたリズムと主人公の淡々とした人生とがとてもシンクロしている。なぜ床屋なのかと思うようなストーリーだが、なぜ床屋ではだめなのかを無効にしてしまう内容でもある。 義兄の経営する理髪店で働く床屋。彼が感じている空虚さはとても深いようで、その無口で思考停止された生活は虚しさをひた隠しにするための...
  • パーク・ライフ
    パーク・ライフ 吉田修一著 文芸春秋 2002.8 \1,238 実は文芸春秋で読んだのですが、すでに単行本出ていたのですね。 プチ・幸せ・ライフ! 実は公園が好きだ。引っ越しを考えるときいつも近所に図書館と公園があるかのチェックをする。実際は二つとも叶わない場合が多い。もっともそれをメインに考えている訳ではなくって、駅に近く、街が使いやすく、建物が気に入った上での「オプション」のような欲張りだった。それに実際、公園で「のんびり」と過ごした経験などほとんど無く、そんな時間がほしいという願望の「あらわれ」として地図を眺めているだけなのかも知れない。だからこの小説は実際に公園へ足を運ばない「自称・公園好き」の僕には、まさに望むべきものだった。 こんな自分の生活を「パーク・ライフ」などとは決して言えないが...
  • ダンサー・イン・ザ・ダーク
    ダンサー・イン・ザ・ダーク 2000年・デンマーク・松竹=アスミック・エス 監督; ラース・フォン・トリアー 出演; ビョーク,カトリーヌ・ドヌーヴ,デヴィッド・モース,ピーター・ストーメア,ジャン=マルク・バール,ジョエル・グレイ 2時間20分 今年の初映画には、ダンサー・イン・ザ・ダークを見に行ってきました。 2000年カンヌ国際映画祭でパルムドール賞と主演女優賞を獲得した話題作です。 ラース・フォン・トリアー監督の「奇跡の海」も静かで感動的な作品でした。 デジタルビデオカメラで撮影されたという映像は、手ぶれが多く、ちょっと見るのに疲れることもありました。けれども、やがて映画へ入り込んでいくうちに、気にならなくなっていきましたが。 チェコからの移民で、ある資産家夫婦の庭に建つコンテナハウスを借り...
  • 鬼火
    鬼火 1963年/フランス 監督:ルイ・マル 出演:モーリス・ロネ、アレクサンドラ・スチュアルト、ジャンヌ・モロー 「僕は自殺する。誰も僕を愛さず、僕も誰も愛さなかったからだ。 僕は自殺する。君達に消し難い汚点を残してゆく・・・」 ラストシーン(思い切りネタバレw)。こんなセリフで終わる。それでも衝撃的な終わり方だった。死に向かっていることが明らかで、主人公も散々にほのめかしていた。けれど友人達との会話を繰り返し、苦悩するシーンが重なるほどに、死という不在が現実感を失っていくのだった。 雰囲気がとても好みな映画だ。ヌーベル・バーグらしさというのか、パリの街を自由に駆け回り、哲学的な会話を喧しげに交わす。友人と散歩をし、何度も向かい合う。女性達がみな緊張感のある美しさで登場し、絵に描いたようなセリフを言う。それら全てがブルーがかったモノクロ(そう見えるだけなのか)映像で...
  • キル・ビル
    キル・ビル 製作・監督・脚本:クエンティン・タランティーノ 製作:ローレンス・ベンダー アクション・コーディネーター:ユエン・ウーピン「マトリックス」 美術:種田陽平「スワロウテイル」 アニメーション:プロダクションIG「攻殻機動隊」 撮影監督:ロバート・リチャードソン 出演:ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、ダリル・ハンナ、デビッド・キャラダイン、千葉真一、栗山千明 制作データ:2003米/ギャガ=ヒューマックス 上映時間:113分・R-15 「刀は疲れ知らず。あんたも少し力が残っているといいけどね」(ルーシー・リュー) いやー。またすごい映画を。タランティーノ監督はやってくれた。正直あまり期待せずにいたのだけど(その割には公開日初日に見ることは決めていた)、かえってそれが...
  • オースティン・パワーズ
    オースティン・パワーズ/ゴールドメンバー 2002米/ギャガ=ヒューマックス 監督:ジェイ・ローチ 製作・脚本・出演:マイク・マイヤーズ 製作:ジョン・スタッフォード・リオンズ/エリック・マクロード 脚本:マイケル・マッカラーズ 出演:ビヨンセ・ノウルズ/マイケル・ヨーク/マイケル・ケイン/ヘザー・グラハム/セス・グリーン/エディ・アダムス 「おバカ・スパイ」と言うよりも、政治力すら彷彿させる「バカ殿さま」という感じ? 初めてこの映画を真剣に観ました。それも劇場で。チケットが安く手に入ったという事情もありますが、興味もありました。歌舞伎町は「バイオハザード」や「インソムニア」が封切りされたばかりで、賑わっていました。オースティンはもう1ヶ月ほど立つので、大きな劇場を持て余している感じでした。今時真ん...
  • トーク・トゥー・ハー
    トーク・トゥー・ハー 監督:ペドロ・アルモドバル 出演:レオノール・ワトリング/ハビエル・カマラ/ジェラルディン・チャップリン/パス・ベガ、ピナ・バウシュ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ 『オール・アバウト・マイ・マザー』もよかったが、こちらもシブくてクールな作品。 この映画に流れているエッセンスは、どこか仏教的なもののようでもある。それは、固定した実体ではないというあの「空」を思わせる。すべての事物や現象は、ほかの事物や現象が原因となって、そこに何らかの条件が働いた結果として成立しているのであって、決してそのものだけで独立しているのではない。相対的な存在として世界を認識していく方法だ。 それは宗教の世界だけでなく、普通に生活を送っていく上でベースになっているような考えでもある。前半部分ではむ...
  • 都市のディオラマ
    都市のディオラマ 「都市のディオラマ」 日豪6組のアーティストたちによる展覧会。 会期 :2008年9月13日(土)~10月13日(月・祝) 場所: トーキョーワンダーサイト渋谷 パラモデル(林泰彦と中野裕介によるユニット) の「パラモデリック・グラフィティ」は圧巻。プラスチックレールを部屋中に張り巡らしていて、それは一つ一つが美しい模様になっていたり、血管というかまさに都市のインフラをイメージさせたり、寄生虫のように体内をはう侵食する動きだったり!。後で気がついたのだけど他の展示室だとか、廊下にもはみ出していて、建物全体へ侵食していく不気味な迫力に満ちていた。 レリーフや幾何学としてその妙に圧倒されていたけれど、よく見ればレール脇には、山があり、駅があり、山羊もいて、ギャラリー空間のそこかしこに、線路にそった小さなジオラマ世界が出現していた。 ...
  • 映画
    今までに取り上げた映画リスト EUREKA HERO LOFTロフト Laundry M-I-2 ONEPIECE秋コレクション TOKYOEYES Vフォー・ヴェンデッタ WALKABOUT美しき冒険旅行 「π」 「空の穴」 「鏡」アンドレイ・タルコフスキー映画祭 あの子を探して ある子供 ある朝スウプは いたいふたり うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー きょうのできごと(映画) こわれゆく女 たみおのしあわせ どんてん生活 の・ようなもの ひかりのまち ぼくを葬る まぼろし めぐりあう時間たち ゆれる アイズ・ワイド・シャット アカルイミライ アダプテーション アフタースクール アメリカ、家族のいる風景 アメリカの影 アモーレスペロス アレックス イノセンス インサイドマン インテリア イヴォンヌの香り イーオン・フラックス イージー★ライダー ウルトラヴァイオレ...
  • ここに幸あり
    ここに幸あり 監督・脚本・出演 : オタール・イオセリアーニ 出演 : セヴラン・ブランシェ 、 ミシェル・ピコリ 、 ジャン・ドゥーシェ 、 リリ・ラヴィーナ 、 アルベール・メンディ 、 ヤニック・カルパンティエ 主人公の冴えないオジサンは大臣であって、ある日突然辞任に追い込まれ、仕事も住む家も愛人も失ってしまう。別れた元妻にも相手にされず、行き場を無くした彼は母と昔の友人たちの元へ行き、、、といった冒頭の10分程度が「お話」っぽくなっていた。 その後はほとんどこのオジサンがだらだらと余生を送る「風景」(まさに眺めるようだ)だけが写されているといった映画。けれど観ていてとても幸せな気分に浸れそのままどっぷり溺れたくもなり、それは1週間ほどの正月休み明けで覚える仕事の復帰難さを妄想して、逆に今を楽しむ刹那のようだった。 母から案内された古くからの所...
  • ストレンジャー・ザン・パラダイス
    ストレンジャー・ザン・パラダイス 1984年作品:アメリカ・西ドイツ合作 監督:ジム・ジャームッシュ 出演: ジョン・ルーリー, エスター・バリント ジャームッシュ長編2作目のモノクロ映画。 1シーン・1ショット。ゆっくりと切り替わる場面。乾いた人間関係。セリフの少ない対話。あてもなく向かう先。出会いと分かれ。ロードムーヴィ。白くとんでいる画像。どれも印象的で、退屈な内容なのだけれど、飽きのこない映画だ。なにも起こらないのに、どこまでも続いてほしいような感覚。そこへ参加しているような、落ち着きと臨場感。 突然押し掛けた訪問者が、いとこ同士という関係なのと、なにをして生活しているのか分からない家主である主人公の、ぶっきらぼうながら人間味のある雰囲気がよい。狭いワンルームでの男女の10日間の共同生活。一緒にTV...
  • 2003年ベスト
    2003雑感 今年はwikiを使ってサイトを構築し、それまでのやり方と大きく変わった。更新が楽だということが、「サイトする」ことの意識をも変えていった。 ひとつは「近況」として日記的な書き込みを継続していけたこと。これはウェブログという形式が主流を占めつつある状況の中で、むしろ旧来のウェブ日記をしているという感覚だった。そして個人日記というメディアに対して考えさせられる出来事でもあった。「はてな」を中心に広がっているブログは、2度目の個人サイトブームを引き起こし、ある決まったメンバーによる思考の流れがとても視覚化された状況をつくっている。もはやそれらとの距離感によってしか、自分のサイトを位置づけるこが出来ないかのようでもあり、やや息苦しさを感じている方も多いのではないか。 もうひとつは、すべてのページにコメント欄をもうけられたことにより、3年前に書いたノートが再び話...
  • バタフライ・エフェクト
    バタフライ・エフェクト 監督:エリック・ブレス 、J・マッキー・グルーバー 出演:アシュトン・カッチャー 、エイミー・スマート 、 ウィリアム・リー・スコット 、エルデン・ヘンソン 、メローラ・ウォルターズ 『ラン・ローラ・ラン』と『メメント』を足したような映画。前半はなかなか魅惑的な描き方でよかった。けれどテンポ良く進みだしたあたりから微妙な空気を感じた。 主人公は何度も記憶を書き換える行為をおこなっていった。理想郷を求める使命を果たすかのように。確かにあの状況であれば可能な限りチャレンジするだろう。けれど観ている側の印象としては、身体的リスクや未来を変えることの重大さからは遠のいていくばかりだ。 つまり簡単な行為に感じてしまう。これは非現実的な行為という意外性を失うことと、神学的な慣習を裏切る意味で2重に危なっかしい演...
  • インタビュー術!
    インタビュー術! 講談社現代新書 永江朗 著 \700 カテゴリー-エッセイ 関連リンク #related 対話について興味がある。以前設計という作業がすべて対話を通じて成立しているものだと言うようなメモを書いた。エスキースは自分との対話であるとか。それはコミュニケーションとも言い換えられる。頭の中だけでつくられるモノなどなく、すべて出されたモノとの対話によって生まれていくのだと思う。モノをつくる楽しみとは、そのような対話の楽しみとも言えるのではないか。 「つくる」という言葉自体にはそんなゼロからカタチへの「経過」を見落としてしまいそうな雰囲気がある。そもそも「つくる」という行為の魅力はまさに「つくっている」最中に存在する。出来上がった達成感と引き替えに、最大の楽しみも終了してい...
  • :近況-2003-10
    近況-2003-10 2003-10-31 蓮實さんの著作は、物語批判をやりながら物語を書いているというその二重性が面白いし、また、ときおり不意に発揮されるエモーショナルな筆致が魅力的だと思います。 たとえばぼくの小説はよく、「映像的だ」と評されることが多いのですが、そうした「映像的」描写を試みる際、比喩は「映像」の透明性を奪ってしまい、伝達力を弱めるものとして機能してしまうと、ぼくは考えているのかもしれません。 そんな自覚があるので、ぼくは自分自身をつねに相対化しなければいけないと考えて、作品を書いているのです。そうしているうちにふと、ヒューモアが思い浮かんでくる、といった次第なのです。 ただ、まあ『シンセミア』はぼくなりに破格の作品として書き上げたという自負は持っています。非常に自信を持っている作品なので、今後の行方がどうなろうと、これが出せ...
  • :近況-2006-4-2006-7
    2006-07-22 下北沢で久しぶりに飲んだ。いつ来ても和める街だ。渋谷のようにオジサンがいないからだろうか。自分はオジサンにはならないという変な自信があるのだけど、そういう私を若い人はオジサンだと思うかもしれない。下北沢は、そんな気分だけの自称を問わない若者ばかりが集まっている街だと思う。2件目のバーは狭くてものがぎっしり詰まった「らしい」場所。80年代のミュージック・ビデオをノンストップで流していた。 2006-07-21 某・デザイン業務コンペの2時審査。正直こんな規模のがきたらどの様に動かしていくのか不安。もはや広告代理店のような役目であって、建築家のする仕事なのだろうかとも疑問。けれどモノをコツコツ作っていくことだけが建築的な思考でなくなっていることは、自分の仕事暦を見てもあきらか。そこを立脚点とすることが生き残っていく術でもあるのだろう。その話になると建築家という存...
  • 広告都市・東京-その誕生と
    広告都市・東京-その誕生と死 北田暁大著 \1,400 2002.11 社会学系の書物では都市論と結びついたとても読みやすい内容だと思った。前半の「トゥルーマンショー」の引用はあまり面白くないが、後半90年代以降の渋谷論は楽しい。個人的には80年代のセゾン文化を伝えるものは幾つか読んだことがあるので、あまり新鮮な分析には感じなかったが、それを現代にまでつなげてくれたのは今回初めて目にしたように思う。 SMAPをはじめとする近年の渋谷広告ジャック。明らかに衰退化している西武、東急のデパート内部。パルコの生き残りを懸けた大規模な改装のイマイチさ。ランキンランキンというショップ形式・・。渋谷を取り巻く状況は気になるコトが多い。そんな疑問に細かく切りこんでいく内容だ。 著者は1971年生まれ(同い年)。理論社会学・メディア史。著書に「広告の誕生」など。同年代の社会...
  • ハード キャンディ
    ハード キャンディ 監督:デヴィッド・スレイド 脚本:ブライアン・ネルソン 出演:パトリック・ウィルソン 、エレン・ペイジ 、サンドラ・オー うーん。(まとめちゃうのもなんだけど、)なんでアメリカの子役ってこう賢い大人風に振舞おうとするのだろう。不自然だ。この主人公も、目線をフワフワさせながらおどけて話すしぐさが妙に大人ぶっていて違和感を覚えた。出会い系サイトで知り合った男と駆け引きしながら会話をしていくシーンだから分からない演出でもないけど、その後もずっとこのしぐさは続いて行くもんだから・・。 カット割やカメラアングルはとてもスタイリッシュで近景ショットの多用は、吉田喜重の『戒厳令』みたくカッコ良い。けれど緊張感は前半まで、というか単調さが続いてしまい、ミステリーとしての切迫感が乏しい。 そもそも主人公の女の子が自身を「異常」と言うくら...
  • 2003問題
    2003問題-東京の巨大再開発の幕開け前夜 第1回 近未来都市「東京」 2003問題といわれる東京の巨大再開発の幕開けまであとわずか。今回は一足早くオープンした「丸の内ビルディング」、「汐留A街区(主にカレッタ汐留)」、「六本木一丁目西地区・泉ガーデン」を見学。クリスマス近い3連休、私にとっては今日1日だけの休日なのでしたが・涙。近未来都市のイルミネーションも見所。ここ数年都内の景観を確実に変えてきたこれらの巨大な開発は、様々な批判をも呼んでいます。新宿のみが唯一の高層街区と呼べる、どこまでも平坦な拡大を続けてきたメガロポリスですが、ここへ来て急激な都市化を成し遂げるその姿は案外静かに進んでいます。しかしその全貌を見るまでもなく、いままでにない「東京」のオーラは既にイビツなカタチで僕らの日常へ進入して来ているのでした。 地図をリロードする。 今回のように東京をあらためて巡っ...
  • ロンドン・パリ旅行記/2000年1月29日-ロンドン
    2000年1月29日-ロンドン 朝からカムデン・タウンへ。若い人に人気のストリート・マーケット。観光客も多く混雑する名所にもなっているようす。デビット・チッパーフィールドをはじめ、建築家やデザイナーのスタジオも多い。早い時間のせいか余り人はいなかったが、屋台ではおいしそうなソーセージを焼き、露天の店が多く昔の原宿駅前の雰囲気に近い。 ロンドンと言えば、ハイテック建築をイメージする。ロジャースやフォスター、ピアノだけでなく、最近ではウォータールー駅をデザインしたニコラス・グリムショーの印象が強い。ここでも88年の作品、セインズベリー・スーパーマーケットと住宅の複合施設が見られる。ハイテックスタイルというと、古い建物の多いヨーロッパではいささか唐突な存在感が気になる。雑誌では既存の町並みとの折り合いの付け方まで分からないので、この建物もそのあたりが気になっていた...
  • 「鏡」アンドレイ・タルコフスキー映画祭
    「鏡」アンドレイ・タルコフスキー映画祭 タルコフスキー映画祭行って来ました。ギリギリ駆け込んだら、結構来てます。たぶん100人程度の地下ホールが満員。整理番号78だったので前しか空いていない。臨時で出されたイスをゲットしましたが、堅いから痛かった・・。 実は今回の「鏡」で3つ目というタルコフスキー中級者(わずか7本しか長編ありません)ですので、まだまだ新鮮さがあります。とは言え、三百人劇場でみた「ソラリス」はまだしも、ビデオでみた「ストーカー」など、ギリギリ寝ないきわどいリズム。この「鏡」もかなりきてます。モノクロからカラーへ写り変わる映像美に見とれつつも、意味深な「長い間」から突然「炎」が立ち上ったり、展開の読めない断片的な場面の連続には、忍耐を要する映画であることには変わりないと・・・。 しかし今日は上映後のトークが目的。エンドロールもなくいきなり終わったとた...
  • アイズ・ワイド・シャット
    アイズ・ワイド・シャット 監督:スタンリー・キューブリック 出演:トムクルーズ/ニコール・キッドマン 1999年イギリス作品 キューブリックの遺作。 気合いを入れて、先行オールナイトで見に行く。しかし池袋の映画館は、30人足らずと、がら空きだった。やっぱし「エピソードワン」が異常なんだ、と納得。 夫が妻に抱く性の妄想により追いつめられて行くストーリー。 最後は性により追いつめられるのか、と期待感をもちながら、この監督がいてきた様々な人間の極限を思い浮かべて見に行った。 きっと数年後、何も知らずにビデオで見ていたりしたら、もっとすごい衝撃を受けていたかもしれない。遺作と言うことで、メディアで取り上げられすぎていてしまったため、期待感ばかり大きくなってしまい案外こんなものかと思ってしまった。 しかし、サドの美文...
  • ゴーストワールド
    ゴーストワールド 監督:テリー・ツワイゴフ 脚色:ダニエル・クロウズ、テリー・ツワイゴフ 原作コミック:ダニエル・クロウズ(presspop gallery刊) 製作:ジョン・マルコヴィッチ、ラッセル・スミス、リアン・ハルフォン 出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンスン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロ、イリーナ・ダグラス他 2001年/アメリカ/1時間51分/配給:アスミック・エース このタイトルの意味がよく分からなかった。見終わって思うのは、「幽霊→存在しない世界」という、主人公の世の中を見る眼差しを表しているのかも知れないということ。 ビンセント・ギャロ監督の「バッファロー’66」という映画を思い出した。笑えるけど悲しい話だった。二つの映画に共通したものは「郊外」というイメージだ。この場...
  • スパイダー
    スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする 監督:デイヴィッド・クローネンバ−グ 出演:レイフ・ファインズ/ミランダ・リチャードソン/ガブリエル・バーン 原作・脚本:パトリック・マグラア(ハヤカワepi文庫) 提供:メディア・スーツ/ビッグショット 2002年/フランス+カナダ+イギリス映画/98分 クローネンバーグと言えば、グロテスクな世界観とカリスマ的な人気を思い浮かべる。その程度にしか分かっていなくて、「クラッシュ」は痛々しさと緊張感のある映像美だとか、「裸のランチ」はあのタイプライターと大きな昆虫みたいなのがとにかくグロかったとか、「スキャナーズ」は破裂する頭とやはり重々しい空気など。結構「飛んだ」話なのに重量感もあるという2面性だろうか。 この映画は見終わって、しばらくよく分からなかった。ただ、出だしの色...
  • イージー・トラベラー
    イージー・トラベラー #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (イージー・トラベラー) 発行…年4回(季刊)/B5変形/全144ページ 定価…700 円(本体価格667円) 発行・発売…EASY WORKERS 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-35-13 原宿リビン302 url http //www.easytraveler.org/ 今日は久しぶりに午後まで眠っていた。ゆっくりと起きあがり、遅い朝食、そしてのんびりと借りてきたDVDを見る。「まぼろし」には重たいテーマとは別に、日常を送る様々な所に快適さがあり、それはデザインによって支えられていることも伝わってくるシーンがある。快適なことを察知する姿勢とは、このような精神的くつろぎの時にこそ冴えて...
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