働くことや、命の重さ、そして本当の愛とか、なにかを知っていることとは、想像力を持つということなのだろうか。主人公は劇中で多くを過ち、代償として多くを学んだ。そして多くの犠牲をまわりに生んだ。
主人公は自分が無知であることを知らなかったが、見ているこちら側としては、全てを知ってしまった自分をまるで画面の先へ認めるような空しさを覚えた。
あまりにもストレートな描写で、その先に何があるのだろうかと無駄に探ってしまった。結局見つけるのは社会とか大人だとかの現実感ばかりだ。画面にはどこか懐かしさがあった。『大人は判ってくれない』とか『ポンヌフの恋人』などを思い出した。
それにしても。フランスの暴動とか、移民の問題とか、EUの問題とか、ヨーロッパの抱えているものが当然こういう映画には出ているのだろうし、またその困難は他のあらゆる映画にもにじみ出ている。一体・・。2006-07-17/k.m
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