笹本晃「ストレンジ・アトラクターズ」



  • Take Ninagawaにて
  • 2010年12月18日より2011年1月29日まで


週末、東京タワー近くでパフォーマンス・インスタレーションを見てきた。笹本晃 「ストレンジ・アトラクターズ」 http://tinyurl.com/4kjfgg6 30㎡くらいの狭いスペースへ所せましと30人くらい入り、センターで自由に動き回るアーティスト。ぶつからないよう移動するギャラリー。

「はい、このドーナッツ食べて、真中からね」と実際にギャラリーへ食べさせる、「人間の99.9パーセントは凡人だ」などと話しながら壁に円を描き、ダンボールのドラムカンへ入り込む。そんな感じで40分程度。意味不明な行動と空間の過密さでなんとも言えない緊張感に満たされる。

机を転がす。全員で大移動。吊ってあるオブジェを解く。さらに移動、、。凡人の話は社会問題や哲学的なエピソードにも発展するが、単なる独り言にしか聞こえない。いや、講義にも聞こえるし、演劇にも見える。しかし自分の常識へ重ね現前の行動に検索をかけても、安心できる回答へは辿り着かない。そのギリギリな所に「アート」があるのだろうか。

油断していると、要するに危ない人(理解出来ないという意味で)と至近距離で過ごす40分間となる。けれど一方で息をのむくらい皆が真剣だった。時に笑った。これぞアートか、圧倒された。あと2回やるようです!。

ところで、NYを拠点に活動しているアーティストさんのようだけど、いったいこのジャンルはどうやって食べていくのだろうか。いくつかオブジェがあったけれど、インスタレーションという文脈以外でモノとして購入されるのだろうか。ギャラリストの方に聞いてみたい。

パフォーマンス・インスタレーションと同時に、4時半から5時までの東京タワーが観たかった。ちょうど緊張感ある40分を解放され、見上げると夕空に赤く染まった鉄骨造の構築物。しかも街区で全貌が見えないのに、あらゆる壁面を赤く染める様は、暴力的ですらあった。


2011-01-09/k.m

カテゴリー-展示
最終更新:2011年01月11日 20:52