日本の難点



  • 宮台 真司 (著)


こういった本を読むと思うのは、何故政治家はもっと政策について分かりやすく伝えようと努力せず、何故メディアはそれらをフォローすべく噛み砕いた議論をせず、何故僕らはそんな社会を受け流してしまうのだろうかと。

けれど新聞やニュースへ少しは意識して接しているにも関わらず、知らないことばかりか知っていたつもりの事柄も、こんなふうにつながっているのだという驚き。それは結局どこかで説明されていても、見て聞き流す程度ではまったく分らないほど社会は複雑さを増していて、上辺の分かりやすさへ翻弄されているのだと自覚するひと時。やがてまた不理解の海へ流されて行くのかという不安も既にマヒしてきた。

望むことや出来ることは、「世の中をよくするにはどうすれば」を学ぶためこれらの本を読むのではなく、少しでもこの「システムが行き渡ってしまった」ポストモダンにおいて、つくり出された「自明性の空洞化へ」精神的にも体力的にも負けないために、知識を予防に利用することではないか。時々言い方が気にさわるけれどw、その意味でまだまだ必要な作家だと思った。2009-11-09/k.m

カテゴリー-新書社会政治
最終更新:2009年11月10日 09:41