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かもめの日



  • 黒川 創 (著)


キレイ(センチ?)に描かれている部分は読んでいて恥ずかしくなる。自分は屈折しているのかと思わせるその反動。連作短編のようにつながっていく群像劇だけど登場人物が結構多いせいか、一気に読まないと読後感に差が出そうだ(実際読んだり、読まなかったりした)。

ラジオの関係者が多く結構中心にあって、その古臭い懐かしいイメージと、昨今のメディア不況などが合わさって、ノスタルジックにも感じた。

村上春樹の『アフターダーク』では、主人公の若い男は「タカハシ」という3人称で描写され、代わりに「私たち」という「カメラアイ」としての1人称が使われていた。この小説も近い構成ではないか。

それは描かれている出来事が全て人づてに聞いたエピソードのように、どこか要点を得ず、それでいて無理やり落ちがついているような気分にもなるせいで、軽やかさを増す、というか。

少女が輪姦され、その犯人の一人がラジオのADで、そのラジオ局の深夜番組のDJと女性アナウンサーが不倫関係なんだけど、その女性アナウンサーの夫はその番組の一コーナーの本を書いていて、輪姦された少女には雲を研究している若い太った男が絡み、女性アナウンサーにはその番組の担当を奪ったもうひとりの女性アナウンサーが絡み・・。

終盤、深夜番組のDJと不倫されたアナウンサーの夫がラジオドラマの収録を前に話しこむところはとても面白いが、それは上記のように多くの人物をそこそこに生かしつつ緩くつないできた成果がモノを言ったという感じだ。2009-01-16/k.m

カテゴリー-小説