※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

蹴りたい背中

amazon plugin Error : amazonから画像データを取得できませんでした。時間をおいて再度実行してください。また、image=(画像URL)パラメーターを利用することで、画像データを取得せず表示することができます。



文藝新人賞第一作。

高校生の、ちょっとクラスの雰囲気になじめなくって仲間を作れていない、そのままずっと孤立しそうな生徒。かといってグループに入って仲良さを装うことにも不毛を感じてしまう性格。そんな女子高校生が同じ様な境遇の男子生徒と次第に仲良くなっていく話。

著者自身昨年、女子高校生の受賞で華々しくデビューした。高校生で小説を書けるくらいだから、きっと内省的にいろんな事を深く見つめてしまう性格だろし、そう思えばこの小説は自伝的要素をもっていそうなくらい「リアルさ」を出しているように見える。

そのように著者の実生活的な存在感を抜きにしては受け入れがたい、あるいは当然そう思って読んでいる読者の方が多いのではないかと想像してしまう内容だ。本当はそれが現代のリアルなのかと言えば、後付けコンセプトのような誘導的解釈でしかないとも思うが。

自分の学生時代にも、主人公のように仲間でつるむことへある種の不毛さを感じることはあった。それでも孤立することを選ぶほど勇気もなく、かといって友達大勢ということもなかった。「繋がりたがる若い子」といった括りがよくあるが、同じようにそのことへ批判的な姿勢をとってしまう子も多いのだと思う。

世間はある一面を強調して、それが時代の雰囲気にあっていれば、どんどん型にはめて見てしまう。当の本人達も、社会によってつくられた型をなぞっていく傾向がある。そのようにして世間の認識は形作られて行くのだろう。そして現役の世代によってもう一方の局面を見せられる。小説が見せることなんて、TVが伝えることに比べればごく小さな規模だ。マジョリティーがどちらにあるのかは一目瞭然である。

多数派はいつでも常識をつくってしまうが、常識では小説はつくれないのだと思う。少数派に見られる行為にこそ、個人としてより真実を見いだしていくのではないか。そう思うと、心の中での多数派とは実社会での少数派であるという裏返しをこの小説によって再び発見する。

しかし、自分は少数派であるという「自己認識の内部」でのみ、これら主人公の行為に共感を持っているようにも思う。だとすれば、本当の多数派とは、常にその存在を自覚出来ない、各個人の内部でしか共時性を持たない「見えないもの」なのだろう。

そして見えなかった共時性が実はネットによって顕在化してしまうのが、これからの多数派を考える時に必要な要因ではないか。そこからさらに見えない部分をつくっていくのも、きっと構造的にあるのだろうし、その時このような小説をどう評価するのかは、もうそのまま感じていくしかないのだろうが・・。

ところで、なぜ「蹴りたい」かと言うのが、この主人公の対人感情のあらわれを意味する所なのだが、ちょっとそこで塩田明彦監督「月光の囁き」なども思い出してしまって、まったくそれ以上深まらず・・。2003-08-03/k.m

コメントをぜひ

  • jun>もう単行本化情報が●:http://www.kawade.co.jp/bookdata/bookdata.asp?ISBN=4309015700 あと、『インストール』映画化の記事 ●:http://news.goo.ne.jp/news/sanspo/geino/20030806/20030806-s-16.htmlが出てますね。SIZE(10){2003-08-06 (水) 14:49:37}
  • blau>これはちょっとだけ立ち読みして、買おうかどうしようか迷いました。こうやって小説で扱われる少数派は、読者の共感をかなり大多数から引き出すから、おもしろいなといつも感じます。ザワザワと柔らかく読者の気持ちを逆なでするその按配が、なるほど時の人になるだけあるな…などと思わせてくれました。でもまだ途中までしか、読めていません。SIZE(10){2003-08-07 (木) 01:00:12}
  • k.m>もう単行本でるんですかぁ(さっそく画像を拝借・・)。インストールもこんなイラストでしたよね?。あれも受賞時に読みましたけど、まさかあんなに売れるとは思いませんで。30万部っていったら相当すごい数字ですよね。映画化も無理ないですね。個人的には今回のほうが日本映画としては面白いかと思ったのですが。どちらも軽いエッチネタを入れているところが「あざとい」のですが、このあざといことは基本ですから、仕方のないことで・・。>読者の共感をかなり大多数から引き出すから、おもしろいなといつも感じます。>これはつくりての視点ですねー。blauさんの作品も楽しみにしておりますっ。SIZE(10){2003-08-07 (木) 19:00:48}
  • k.m>感想それぞれ。321さん●:http://www.phloor.com/20030829.html、メルさん●:http://diary.lycos.co.jp/view.asp?QnDiaryId=30783。リアルさとその評価については、メルさんも以前言及していたと思う。SIZE(10){2003-08-29 (金) 22:14:25}
  • 321>あれ。k.mさんも書かれていたんですね。見逃していました…。ほんと「それぞれ」ですね。私は「にな川の背中=ハツの背中」だと思ってしまったんですが…。SIZE(10){2003-08-29 (金) 23:32:35}
  • miwa>インストールをこの前初めて図書館でよみました。なんかこう胸にジーンときましたねwんで私は図書館に『蹴りたい背中』がはいってくるのを待ちきれず、自分でかっちゃいました^^高校1年のわたしにはちょっと痛手だったけど買ってよかったなぁ~、と読んでから思いましたSIZE(10){2003-10-08 (水) 10:10:15}
  • k.m>はじめまして。高校生の方にはこの作品はどうですか。友達関係の所など共感しますでしょうか。SIZE(10){2003-10-09 (木) 02:09:56}
  • miwa>共感はするような、しないような・・・wこうゆう行動にでるには勇気がいりますねSIZE(10){2003-10-23 (木) 12:24:29}
  • nobu>はじめまして僕は、高校生ですが綿矢さんの作品は二つとも大好きで何度も読み返しています。今の心がなくなってきた高校生には最古の作品です。SIZE(10){2003-10-24 (金) 12:56:21}
  • k.m>nobuさんはじめまして。コメント有難うございます。 今の心がなくなってきた高校生 という箇所が気になりました。それは「殺伐とした人間関係」とかいう感じですか。綿矢さんの作品を読んで、十年以上昔wに高校卒業していますが、僕の時とそう大きくは変わっていないのかなぁと思いました。もちろんmiwaさん言われるように主人公の行動には、ちょっと歯がゆさというか、恥ずかしい響きを感じましたが、むしろその恥ずかしさ自体に懐かしさ(80年代のドラマのようなもの)を感じもしました。そういう意味では、彼女の作品は僕らの世代にとても開かれていていると思いました。そこへ共感を抱く現役高校生さんと言うのは、十分に話の合う(この言い方オジサンぽいかも)方なんだろうと・・。SIZE(10){2003-10-24 (金) 22:15:22}
  • ana>綿矢さんの作品はすごく好きです。インストールもそうだけど、蹴りたい背中もそれぞれの主人公にあたしは共感しました。たぶん、自分に重なる部分もあるからかな。それに目をつぶってしまいたくなるような状況が堂々と書かれているのがよかったです。ちなみにあたしは高校生です。SIZE(10){2003-10-25 (土) 23:11:39}
  • k.m>anaさん有り難うございます。どうやら高校生の方が多いようです。あるいは、読者として表明したい層に高校生の方が多かったのかもしれません。何れにしろblauさん言われるように、 こうやって小説で扱われる少数派は、読者の共感をかなり大多数から引き出す というコトに繋がっているのかもですね。ちなみにみなさんに聞きたいのは、他に好きな作家は誰ですか?ということです。あまりそこら辺に差はないし、単なる個人差でしかないのかとも思いますが・・。SIZE(10){2003-10-26 (日) 00:45:15}
  • ana>そうですね~。他に好きな作家は、江國香織さんです。江國さんの表現する世界が好きなんです。あとは、よしもとばなな。女性作家ばっかりですね。同じ女性だから惹かれるものがあるのでしょう。男性作家にも興味はあります。SIZE(10){2003-10-27 (月) 22:28:57}
  • k.m>なるほど女性作家さん多いですね。僕は「よしもとばなな」は大学1年のときにはまりました。最近のは読んでないのですが・・。江國さんはひとつしか読んでいないので、もっとチャレンジしたい作家です。まぁ僕は高校時代は「ぼーっと」してましたので。ほとんど読んでいませんで。何故か村上春樹・龍だけは・・。SIZE(10){2003-10-27 (月) 22:36:47}
  • miwa>こんにちは^^お久しぶりです♪ところで、何か最近お勧めな本とかってありますか?私的には、星新一さんとか赤川次郎さんとかが好きなんですけど、そうゆう系な本でお勧めとかありますか??もしあったら教えて下さい。SIZE(10){2003-10-28 (火) 23:09:06}
  • k.m>うーん。いま小説ページを見ていたのですが・・。田口ランディさん、角田光代さん、吉田修一さんとかどうでしょうか。パレードなんかとか。っあ、すでに読んでいますかも。ちなみにmiwaさんは全角で記入いただけると、ばっちりリンクされるようになっています(ややこしくてスミマセン)。SIZE(10){2003-10-29 (水) 00:48:36}
  • miwa>ありがとうがざいます♪パレードですか、今度図書館で探してみようとおもいます。今は「親指かくし」とゆう本を読んでいます。むっちゃ怖いです;SIZE(10){2003-10-30 (木) 19:25:50}

●芥川賞受賞後
  • yate>芥川賞受賞!史上最年少記録!SIZE(10){2004-01-15 (木) 23:36:04}
  • じゅん>今日買いに行きました。受賞おめでとうございますSIZE(10){2004-01-16 (金) 17:31:05}
  • だだ>なんつーか、もの足りない印象 SIZE(10){2004-01-17 (土) 19:45:20}
  • ももこ>芥川賞受賞おめでとうございます!!今日、「蹴りたい背中」買いました。わたしは、小説を、読むのがニガテですが、この本は、全部読める気がします。ゆっくり、読まさせていただきます。これからも、がんばってください!SIZE(10){2004-01-17 (土) 19:52:26}
  • Yoiko>インストールに比べたらずいぶん文章のテンポがよくなって読みやすくなりましたが、起伏があまりない作品ですね・・・あれ?これで終わりなの?って感じでした。これだけ短いと本嫌いな若者も読めるって事でいんでしょうか・・・・ちょっとがっかりかな。SIZE(10){2004-01-24 (土) 22:40:36}
  • momo>誰でも感じたことがあるであろう人を愛しく思う以上の、もどかしい気持ちが鋭く書かれていた。次回作も楽しみにしています。SIZE(10){2004-02-01 (日) 20:58:56}
  • フレッシュ>初めまして♪さっそく読ませてもらいましたが言葉遊びがすごいおもしろかったです。りささんは想像力豊かですね。あと、前にここに来た時、受賞時の動画(得ダネの)があったんですがあれって消えたんですか?SIZE(10){2004-02-02 (月) 18:33:16}
  • hiro>はじめまして(^O^)1週間くらい前に購入して、今日実家に帰る電車の中で読み終わりました。普段はあまり(というか、まったく...)本を読まないのですが、テレビで見て、読んでみよSIZE(10){2004-02-03 (火) 02:18:57}
  • hiro>コメントの途中で間違えて「挿入」しちゃったんで、続きを入れます。SIZE(10){2004-02-03 (火) 02:20:26}
  • hiro>(続き)うとおもい、購入しました。感想はひとことでいうと、、、よかったです。というか、僕にしてはめずらしく、すんなりとよめました。とても読みやすかったので、あまり本を読まない人にもオススメだと思います。さっそく、おかあにもかしてあげました。なが~い春休みに入ったことだし、これをきっかけに「インストール」や、他の作家さんの本も読んでみようと思います。「蹴りたい背中」の前に読んだ作品が「人間失格」で、難しすぎてまったく分からなくて、、、って話がそれてしまいました。それでは(^O^)SIZE(10){2004-02-03 (火) 02:34:17}
  • スローモンキー>読み進む中で涙が出て止まりませんでした。SIZE(10){2004-02-28 (土) 18:46:52}
  • スローモンキー>続き・・ここ何年も本を読んで涙が出るなんて事はありませんでした。この物語を書いた作者・りささんの感性の豊かさと繊細さにどんどん惹きこまれていきました。この本が多くの人の人生を変える程の影響力を持っていることを・・・賞という形を通して納得させるだけのすごさがありました。それと何か特別なものでない、さりげなさに大きな感動を受けました。綿矢りささんって本当に素敵な人ですね。SIZE(10){2004-02-28 (土) 18:53:43}
  • k.m>いやー上のお二人とも素晴らしい出会いになりましたねー。SIZE(10){2004-03-02 (火) 01:37:19}
  • スローモンキー>本当にそうです。私は1人になりたくなくて薄まった学生時代でした。その頃周りに合わせた事で味わった空虚さを思うと・・。この小説を読んで本当に失った高校時代を取り戻したような気持ちです。何を急いでいたのだろうか・・・と。何気ない日常に多くの事を感じ取る奥行きがなかった。見過ごしてしまう事の中にこんな物語があったという事は衝撃的でもありましたが、それは求めてそうなったというよりも自然に生きているから出会ったものだろうという気がします。SIZE(10){2004-03-02 (火) 11:49:39}
  • k.m>たぶん小説の面白いところ(特に純文学系)のひとつって、日常の中で意識できなかった感覚を鮮明な形で呼び戻してくれることだと思います。それは記憶としてはじめて生きてくるので、その時にはどうしても感じられない構造なんだと思います。だから「空虚さ」自体はあくまで事後的な感覚であって、直面している瞬間はもうちょっと違った気分だったと。そうやって記憶を再生産し、楽しませてくれるのだと。思いました。SIZE(10){2004-03-02 (火) 21:06:29}

●100万部突破後

  • KIYO>言葉のリズムがとてもきれいでした☆SIZE(10){2004-03-22 (月) 15:53:01}
  • k.m>いやーついに100万部突破してしまいましたねー。SIZE(10){2004-03-22 (月) 21:26:59}
  • フィールドK>いやいや、ぼくはものたりなかったぞ。インストールの時の方が何か胸に来る物があったんだが・・・。綿矢さんがんばれ!!芥川賞受賞とか、百万部突破とかじゃなく、一人一人の胸に響く物をかいてくれ!!SIZE(10){2004-03-24 (水) 00:10:34}
  • lovedidy>私はこの小説の強烈な自意識にやられました。自意識が強すぎてどこにも行けない感じが、自分の高校時代に重なってある意味「痛い」作品です。SIZE(10){2004-04-30 (金) 12:45:39}
  • R.S>これってノンフィクションなんですか?SIZE(10){2004-08-17 (火) 18:09:18}
  • R.S>これってノンフィクションなんですか?SIZE(10){2004-08-17 (火) 18:09:20}
名前:
コメント:

カテゴリー-小説