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世界金融危機




  • 岩波ブックレット NO. 740
  • 金子 勝、アンドリュー・デウィット (著)


例えば1か月ほど前から、時間が3年に引き伸ばされた関東大震災が起きてしまったと報道されたら。本来数分間で崩壊する建物や道路などが、目の前で3年間かけてじわじわと崩れていく。そこだけがスローモーションのように。既にはじまってしまった世界金融危機を、そんなふうに想像してみた。

結局どんなにリスクの多い環境にいようとも、日常の中で四六時中それを意識し続けることは出来ない。これは本能の防御によるものだと思う。住宅バブルが崩壊し、ドルが急落し、物価が高騰しても、公的資金の注入ですぐに楽観視する。そんなことで治まらないことは分かっていても。

この著作は10月に出たので、すでにリーマン・ブラザーズ経営破綻以降の世界を見ていない。けれど著者により何年も前から用意されていた文脈をなぞるように現実は進んでいて、まったくぶれていないと思う。

そして、発売されてから既に5万部を突破しているという。すごい勢いだ。新聞やら経済系ブログやらを追いかけても、その全貌は未だによくわからない金融危機。この本を読んで改めて戦慄した。

何度も崩壊をシュミレーションしていく様は終末的であり、まるで「終わることが歴史そのものの目的」でもあるという一神教の宗教思想と重なる。最近、駅前では宗教の勧誘が増えた。1年後、世の中はどうなっているのだろう・・。2008-11-20/k.m