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イタリア旅行記/2000年12月25日


12月25日。今日はミラノを経ちヴェネツィアへと向かう日だ。先日の雪ですっかり街は白くなっていた。駅までスーツケースを運ぶのが大変だったが、一面の雪景色でなんだが楽しい気分になった。

ミラノ中央駅から長距離列車に乗っていく。それにしてもこの街はクリスマスだからといって、なにか特別な雰囲気があるようには感じられなかった。東京でのミレナリオがきっとお祭り騒ぎなのだろう。ミラノでは確かに様々な通りで思い思いの電飾が見られたが、それらはどれも「ささやか」で自然だった。この時期は外出せずに家族とゆっくり過ごすのだろう。こんな時期に遠出するのは我々観光客くらいなものか。

ヴェネツィアへ向かう列車は、6人単位が個室になっているコンパートメントだった。僕らの個室には4人の家族連れが同席していた。出発寸前まで、見送りの人へ手を振り名残惜しんでいた。こんな時イタリア語ができれば旅の思い出になるようなコミュニケーションがとれるのだろうが・・・。1時間ほど走ると乗車券チェックにきた。僕らのチケットをみせると車掌は急に困った顔をした。何か不都合があったのだろうか。

どうやら僕らの乗った列車はヴェネツィア行きではなく、ボローニャ行きのようだ!。二人とも愕然とし、そして不安に駆られた。ボローニャといえばフィレンツェにも遠くない中部地方。もっぱら北部を回る旅行だったので夢にも思っていなかった方向だ。幸い車掌も色々と気を使ってくれ、ボローニャでの乗り継ぎを教えてくれた。すっかり気落ちしたが半分やけくそな気分で、ボローニャ駅で記念撮影。いい勉強だと開き直り気おとりなおす。夕方には何とかヴェネツィアへ到着し、ボローニャでのチケット買い換えも、ほぼ1000円くらいの追加で済むように計らってもらえた。

いろいろあったが「水の都」へたどり着く。鉄道でのアプローチだとサンタルチア駅手前で陸側と結ぶ橋を渡る。北部工業地帯の雰囲気が色濃い街、メストレ駅を過ぎてすぐ、まるで海の上を走っているかのような錯覚と共に到着への高揚感が押し寄せて来た。

サンタルチア駅自体は意外と素っ気ない造りであまり印象に残らなかった。しかし駅を出るとすぐ目前には運河が広がる。まさにヴェネツィアへ来たのだという光景。ミラノよりも暖かく、観光客も俄然多い。むしろ観光以外の人は「どれくらい?」というほどだ。ホテル・フロントの対応も観光地らしくミラノより人間味を感じられた。

一方、すべてが観光へと結びつく街の雰囲気には、かえってなにかリアリティーを感じなかった。どことなくテーマパークに見えてしまうのは、似せられた商業施設へ見慣れてしまっているからか?。本当のヴェネツィアへ来る前にシュミレーション化された世界に触れ過ぎてしまったからか?。メディアツーリズムの果てか?。ついに来たのだという感劇とは裏腹に、すこし複雑だった。

ホテルへ荷物を起き早速水上バスへ乗る。ヴァポレットと呼ばれるこのバスは観光客だけでなく、ここへ生活する人達の足でもあるようだ。生活感が垣間見られるのでこの乗り物は気に入った。もっとも嫌おうがヴェネツィアを動き回るのには欠かせなく、何度も乗ることにはなったのだけど。

ヴェネツィアは魚のようなカタチをした浮島だ。東西に身体を向けた身の中程を、逆S字形に大運河(カナル・グランデ)が貫通している。その時は運河でなく、外側を廻っていくバスへ乗った。夜の海はとても静かで陸から遠く離れ、いったいどこへ来ているのか分からなくなるようだった。初めての水上移動だったが、終点サンマルコ広場までほとんど景色が見えないくらい闇に包まれていた。



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