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まだ行ったことのない国を旅行する際、いきなりガイドブックのたぐいを見てしまうと、細かく配置されたイメージの洪水へお腹いっぱいになってしまう。自分はむしろ活字から入ることで、記憶に残っているイメージを頼りに膨らませていくほうが自然なようだ。

映画はイメージの洪水にはならない。スペイン、ポルトガルには素晴らしい映画がたくさんある。けれどまとめて見るにはそれなりのテンションを必要とするものばかりだ。映画や文学はラテンアメリカのそれと切り離せないのも特徴だ。そこには両者の関係の複雑さが象徴されている。

もっとも、まず現地へ行き興味を持つことで、その後調べたりする。何度も気軽に行ける生活を手に入れていればそれでもよいのだけど・・。そんな貧乏根性を頼りに意識がそこへ向かっている内に手にした情報をメモして行く。

「ヴァンダの部屋」にでてくるような、リズボンのスラム街。以前見た南米のスラムが舞台の「シティ・オブ・ゴッド」。前者の方が大きくて深刻だと言うのだから、想像を絶する。

グッゲンハイム美術館には建築の変換点が象徴されている。けれどここはスペイン北部バスク地方。バスクと言えばテロリズム。ピカソの「ゲルニカ」以上に、テロ組織・ETA(祖国と自由)の存在が気になる。2006年3月23日、無期限停戦を宣言、同24日発効のようだけど。

そんな暗い話題ばかりが目に付く。建築を飾る状況と政治・社会の明暗の差には、切り離せない関係がある。その事実に驚くばかりだ。2006-06-10/k.m



バッド・エデュケーション


  • 監督: ペドロ・アルモドバル
  • 出演者: ガエル・ガルシア・ベルナル フェレ・マルティネス
映画監督のエンリケがガリシアへ向かうシーン。美しい街並みを平坦に写す画面が印象的。自治州の主都は巡礼地として有名なサンティアゴ・デ・コンポステラ。


ヴァンダの部屋


  • 監督: ペドロ・コスタ
  • 出演者: ヴァンダ・ドゥアルテ

ほとんど真っ暗な画面が続く。陰影は重くのしかかるようで息苦しさを感じた。終始ドラッグを吸い続けるヴァンダ。咳き込む姿は痛々しい。粗い画面へは、そんな深刻さとは別の次元で美しい光が差し込んでいる。色彩が人間味となって感じられる。


マタドール

  • 監督:ペドロ・アルモドバル
  • 出演:アントニオ・バンデラス, その他

人間だけが死への感覚、死への意識を持ち、それが聖なるものの感覚というすぐれて人間的な可能性への超出なのだという、「死とエロティシズム」の思想家の描いた小説世界のような映画。



神経衰弱ぎりぎりの女たち

  • 監督・脚本:ペドロ・アルモドヴァル
  • 出演:カルメン・マウラ/アントニオ・バンデラス/フリエタ・セラーノ

26年前、スペイン民主化と同時に映画を作り始めた当時作った映画は、スペイン以外の国ではできなかっただろう。・・・いつも自分が楽しみながら人を楽しませ、自分が感動しながら人を感動させるように努め、社会から孤立あるいは疎外された人物像を人間味あふれるよう豊かに描くことを心がけてきた (スペイン マドリッドにてインタビュー2006年5月18日)



家路



  • 監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
  • 脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ
  • 出演者:ミシェル・ピコリ 、カトリーヌ・ドヌーヴ 、ジョン・マルコビッチ

事件があって、回想シーンがあって、クライマックスがあって。そんな風にうまく場面をつないで行くばかりの映画ではなくって、時間の経過だけを執拗に追いかけるような、時間だけが止まらずに移っていくことを知らせるような、そんなことを感じさせる作品で、とても充実した気分を与えてくれた。



永遠の語らい


  • 監督・脚本・台詞:マノエル・ド・オリヴェイラ
  • 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジョン・マルコヴィッチ

現役最年長監督。出演者達は、それぞれポルトガル語、フランス語、ギリシャ語、イタリア語、英語にて会話している。そんな特徴とは裏腹に、映し出された画面のテンポ、美しさ、その流れに感動する。単調ですらあるそれらは、変化するのが移動する旅行者の視点だけで充分だと言っているようだ。



ベンゴ




  • 出演: アントニオ・カナーレス, トマティート,
  • ラ・パケーラ・デ・ヘレス, ベルナルド・パリージャ
  • 監督: トニー・ガトリフ

アンダルシアはかつてイスラム王朝の首都だったコルドバがある。ロマ(ジプシー)文化はスペインによってポピュラー化させられ、希釈したようだ。いまやフラメンコなくしては語られない国のイメージも移動民族を起源としている。

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