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  • 10/7(土)→12/24(日)
  • 東京オペラシティアートギャラリー 


ギャラリースペースには台中オペラハウスの巨大な模型が置かれている。今まで見たこととない、内部と外部が絡み合った立体曲面の空間だ。それは内蔵のような生々しさをも感じさせるけど、模型による真っ白い陰影でもって伝えられる空間の断片には、単純な規則から複雑な形態をうみ出すという「方法」が強調されていた。

コンセプトを表現しているムービーには、高度な構造解析技術と冷静な思考の蓄積が見られる。一方、建設現場からはフラクタルな曲面を作るべく鉄筋を一生懸命に曲げこもうとする職人さん達の姿がある。このギャップはなんだろう。

建築はそもそも一人ではなにも出来ない。あらゆる能力を集めて少しずつ積み上げていくプロセスそのものが建築だ。プロセスとは社会であり、コミュニケーション能力であり、人間関係である。出来上がるまでに経由していく状況の全てが現場には出てくる。その中で「新しいリアル」ってなんだろう。果たして建築自体にそのような革新性は生み出せるのだろうか。

外に実在するだけでは、リアルだと思わなくて、それを自分の言葉で解釈したり記述したりしようとするのに、それまで使っていたメソッドではそれが十分にできない、そういうときにリアルだと思う。(保坂和志)

最近、建築に対して何か行き詰まりのようなものを感じている。それは建築の問題と言うよりも、自分の状況とモチベーションから出てくるものなんだろうけど。毎月発売される雑誌を見ていても、以前のように興奮を覚えないし、新しい空間に出会ってもそれほど元気が出てこない。

恐らく世界レベル的にも先端を走っている伊東豊雄の新しい建築にですら、余分な感情を入り込ませない何かがある。形状は多様でも、動かない部分は確かにある。そこへ感じる予定調和的なものは、強固な論理性によって打ち負かされることへ抗おうとする本能のようなものなんだろうか。2006-11-04/k.m