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パラノイドパーク



  • 監督:ガス・ヴァン・サント
  • 出演:ゲイブ・ネヴィンス、ダン・リウ ジェイク・ミラー、
  • テイラー・マムセン、ローレン・マッキニー、スコット・グリーン


パラノイドパークとは違法につくられたスケードボーダー達の公園で、ほとんどの床が滑るために作られた曲面を持っていて、そこを流れる姿がスローで写され、常に画面を見切ってしまうその動きは断片でしかないのだけれど、繰り返し違う人が列をなして滑っているせいで断片はループとなり、一続きの像として感じられる。

主人公は中性的な容姿で、異性に対してよりもスケードボーダー達の動きへ惹かれている。その視線を通して画面から感じられるのは、ループとなって切れ目ない動きへ中毒的に縛り付けられるような誘惑、ボーダー達へ没入していく彼の感覚だ。

流動性の高い現代社会において他者との関係を築く機会はどんどん減少し、「見られることを指向する」男性的な主体自体が変化している中、男の子が多人数で遊ぶ場所としてもつパラノイドパークの色めき立つ「象徴性」は際立っている。

ガス・ヴァン・サントは毎回違ったアプローチで映画を作っているようで、結果的にいつも「青春映画」になっている所が興味深い。多感な思春期の心に宿る、危うく透明な心象風景。映像は空気となって空間全体へ広がり、音楽は振動となって体へ伝わり、思春期のもろく儚い鋭利さが時より切りつけてくるようで痛い。

時間軸を前後させているせいか、または鈴木清順・『ツィゴイネルワイゼン』のように四角い画面=スタンダードサイズによるものなのか、閉塞感が襲ってくる。刹那を生きる思春期の心にこびりついた、行き場のない不安がまるでこちらへ同期してくるような感じで。2008-10-27/k.m