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液晶絵画





  • 「液晶絵画」展
  • 東京都写真美術館
会 期:2008年8月23日(土)→10月13日(月・祝)

境界上のアート?

液晶絵画とは、ブラウン管のように固定的な存在感もなく、プロジェクターのように部屋を暗くする必要もなく、ますます薄く高性能になってきたモニターを使ったアートのことで、静止画と思いきや若干動く部分のある画面で、この展示はそのような作品ばかりを集めたものだ。

最近いろいろな場所でみかけた覚えのある作品ばかりだったけれど、こうして集まってみせられると一つの潮流になっていて興味深い。今後有機ELなどがもっと大画面でコストも下がってくれば、アートの分野でも活躍するのだろうか。

絵画・写真=空間芸術、映画=時間芸術といった分け方がされ、その境界線に位置づけられているものとして、「液晶絵画」があるようだ。

たとえば写真はその画面の中へ、通常の視覚では感知できない世界の精緻な姿や妖艶さを動かないものとして閉じ込めるために、心を動かされるこちら側の自己を投影しやすい。

一方で映像にはシーンの集合として「シークエンス」があり、つくられた時間軸へこちら側の波長を共鳴させることができる。増幅するものはより増し、流れで記憶された感覚はそこを離れても残響となりやすい。

液晶絵画には、自己を投影する安定した存在感もなく、共鳴するような時間の流れもなく、どこか中途半端な印象としてあった。むしろ作品として深くかかわることを拒み、軽いさわりだけの関係として、街中のサインや広告的な使いか、環境アートのようなものが向いているかと思った。2008-10-14/k.m