殯の森


  • 監督・脚本: 河瀬直美
  • 撮影: 中野英世
  • 音楽: 茂野雅道


監督・脚本: 河瀬直美
撮影: 中野英世
音楽: 茂野雅道

グループホームで隠し録音された会話のように、ドキュメントタッチでつながるカットがこの映画の特徴で、老人たちがもうじき迎えるであろう死について何かを乗り越えようとしている姿が印象深かった。

互いに家族を亡くしている認知症の老人と女性介護士の触れ合いというテーマだけれど、ある意味でとてもエロティックな、というか濃厚な関係を描いている。

後半延々と続く森を彷徨うシーンでは、ついに夜を越してしまう。何がそうさせるのかと思うほど、女性介護士は老人に執着し、終わりの無いという意味で個室以上に密室感のある森の中。どんどんと濃度の増す空気が、見ていて息苦しいほど。

空を仰ぐシーンで終わってしまうラスト。開放された気分をあまり感じることも出来ず、どこか中途半端な気持ちのまま。けれど映画的にはとても面白い部分を持っている作品だと思う。2008-06-01/k.m

カテゴリー-映画
最終更新:2008年08月14日 23:42