現金に体を張れ




  • クレジット1956/米/1時間25分
  • 監督・脚本:スタンリー・キューブリック
  • 原作:ライオネル・ホワイト
  • 出演:スターリング・ヘイドン、コリーン・グレイ、ビンセント・エドワーズ


キューブリックのハリウッド・デビュー作。

出かけた後で疲れている+家で見る+食後+白黒という(悪?)条件が重なり、9割近く寝てしまった前回とほぼ同じ状況で懲りずにチャレンジ。昔のハリウッド映画は明快な内容で、見やすいのだが、どうもビデオ映像の白黒画面は、眠気をさそう。映画館より鮮明度が低いのがカラーのそれよりも目立つからだろうか。だから白黒映画を借りるときはちょっとためらいを感じる。

56年のキューブリック初期作品は、とても明快で、あっさりしている。けれど小気味よい、という心地よさがあって、やはりそれはこの白黒と強いコントラストの映像からもくるのだと思う。

服役を終えたばかりの主人公が、懲りずに婚約者との生活のために競馬場の売上金を強盗するという話。時間軸が微妙にさかのぼったり、それぞれの人物ごとに振り分けたりと、「じらす」演出はうまいなぁと思った。この間みた「メメント」なども、この手法を極端にしているだけだと思う。

主犯メンバーのなかにいる気の弱い者のおかげで、情報がもれ、裏切りへとつながるというありがちなストーリー(原作の小説があるようですが)。けれどありがちでも、上記のような描き方でその迫力はまったくちがった質になる。テンポよく転がっていく運びは、そのままラストの悲劇すらも笑える「落ち」としてしまう、さっぱり映画。2002.01.05/k.m

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最終更新:2009年02月06日 13:57