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見えない家族

  • 日経デザイン98年2月号


この一見センチメンタルなタイトルは、日経デザイン:http://nd.nikkeibp.co.jp/nd/index.shtml98年2月号の特集です。

戦後の家族解体の流れ。アジア的封建制度を否定する様に、家族という共同体の息苦しさを否定し、個人主義の奨励をいそしんできた日本の現状を批判的に見る視点。それを商品コードにそって分析した、非常に興味深い特集でした。

時代の流れは速い。久々にこの雑誌をめくるとそれを実感させられるが、面白いのでここに並べてみます。

  • ヘヴィーデューティー使用のラジカセやポータブルCDプレイヤーの登場。→ストリート系の若者が増えてきた。興味の対象は家にだはなく外へ向いている。本物志向にこだわり、常に周りの友達の目を気にしている。反面、無関係な人への関心は皆無なため、地べた、階段、コンビニの前、自販機の脇など、お構いなしに座り込む現象がはじまった。
  • 携帯電話のフャッション化。若者主導の通信市場。→世界でもめずらしいほど、ビジネスツールだったモバイル商品の若者達によるコミュニケーションツール化。
  • 晴れ舞台のためのビデオカメラ→子供のために使うカネにはおしまない。高額なデジタルカメラの普及。撮るという行為だけが重要で、イベントにしか利用しない。
  • 車のなかでの一家団欒→ファミリーイベントの道具。レジャーが家族を確認するセレモニー。車が家族の絆の象徴。
  • ソニープラザの郊外化→かつての銀座のOLが、新居を構える近郊都市。親のセンスを子供にも。国道16号沿い地域へ進出。

その他様々な分析と共に語られる商品。これらの商品はどれも、現在の社会状況をとてもリアルに写し込んでいる。
商品開発がいかに社会をとらへ、具体化させているか、その力技に改めて驚かされた思いだった。

ただ、こんな社会状況を「嘆かわしく思う」的な言葉をよく耳にするが、僕はあまりその様に思ったことはない。ヨーロッパの個人主義をはき違えた、こんなものは「孤人主義」だ。もっと思いやりと、家族の温かみを大切に・・。などと言われても、もう歯の浮くようなセリフにしか聞こえない。そんなセリフはむしろ、問題を正面から見ようとしない、その場しのぎの大人的、政治的感覚にみえる。

だが別に僕は、問題を正面からみる事イコール、解決への努力をしたい、みんなを救いたい。などとも思えない。自分の生きている時代の本質を理解したい。ただそれだけを思う。解決への親身な態度など示せないと思っているからだ。

こらはかなり偏った考えなのかもしれないが、ボランティアにも興味はないし、募金もほとんどした事はない。世界中で起こっている民族紛争。むごたらしい殺し合いを伝える報道を目にしても、遺憾に思う、などとはとても言えない。このグローバルな時代へ、そんな態度でいいのか、といわれても、リアルになれないのと同じように、やはり遠くの世界の出来事にしか思えない事が多い。

ただ情報の流れは出来るだけ受け止めたい。社会の断片を示してくれる事象へも出来るだけ接したい。
世界や社会を知りたい思いは、自分を知りたい思いと等価だ。そこへは価値判断をいれたく思わない。

こんな自分は、大人達が言うところの、「他人を省みられない無責任な若者達」と、なんら変わりないのかもしれないが・・・・・。99.10.23/k.m