建築雑誌新刊ダイジェスト


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新刊雑誌(99年7月号)にざっと目を通した。ほとんどの表紙が、山本 理顕の埼玉県立大学だった。今世紀最後の大作か?と期待して見てみる。

模型の様な俯瞰写真。 工場のようなトラス。刑務所のような講義棟内観。クールハースを思わす講堂断面。どこえ行くともなく続くデッキ。それらすべては、信じられない完成度と、危ないまでの均一さを全面へ出している。ストイックなと言うか、すざましく割り切ったデザインだ。壁面がない。あるのは線ばかり。

山本 理顕はこの作品ではシステムを設計したと言っている。もっと言うとインフラだそうだ。そのうちまとまった論文でも書くのだろうか、とくに深く言及していなかった。(GAの○×しか読んでないが。)確かにシステムとして成功していると思う。組織の作品では、ここまで緊張 感をだせないだろう。



原 広司は、やはり情念的なものがどこかにないと、物足りないと言っている。以前の岩出山中学校にはまだそれが見られたと。それに対して、作家性を出した作り方への限界のようなものを、現在の社会へ、捕らえられている建築の姿の危機性と共に、山本 理顕は言っている。

世代の差があるとすれば、確かに最近活躍している40、50代あたりの建築家たちは、山本 理顕的な発言をよくしている様に思う。一方の情念や観念の「原 広司-世代」は、なぜかロマン主義的に見えてきてしまう。どちらも必要な姿勢なんだろうけど。99.07.01/k.m

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カテゴリー-建築
最終更新:2009年02月25日 15:11