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倦怠



表紙の写真はあまりにもアレで、それは映画化されたときのものを使っていて、どこがこの小説を表しているのか疑問の残るものでもある。それほどに描かれているものは哲学的な感じのする内容で、抽象的な感覚を、具体的なそれを積み重ねながらコツコツと掘り下げていくような印象だ。

これは倦怠という感覚にまつわる息の長い考察で、恋愛的な感情を通して解明していくミステリーのようでもある。幾度も繰り返される主人公のこの感覚にたいする嫌悪とそこから抜け出せない閉塞感は、極端な展開を踏んでいるのに切実でもある。

それは単純に絵にしてしまえば表紙のようなカタチになってしまうのかも知れない。けれど抽象的なものが抽象さを維持したまま、現実味をもって真に迫ってくることを単純化することは出来ない。読んで得られることを要約することが不可能なのはみな知っているが、なにかの具体性でもってそれを代替え出来ない複雑さを受け入れることの面白さをこの小説は与えてくれる。2003-03-21/k.m


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