雨女

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カテゴリー-映画


シネマ下北沢ミーティング。瀬々監督らのトーク(エロをテーマに30分ほどの語らい!)の後で始まった。

矢口監督の「ぴあフィルムフェスティバル」グランプリ受賞作品。8ミリ映画それもかなり映像も音声も荒削りだ。ごく普通の女性が、やがて突然に思わぬ行動を起こしたり、なんとも悲惨な目に合ったり、その後の作品に多く登場する状況がここへ見られる。

二人の共同生活をしている女性達。いきなりコンビニを襲ったり、畑からキャベツを盗んだりと手荒い犯罪生活を繰り返していると思いきや、温泉街の取材というシチュエーションが出て来ておばさんにインタビューする。話のつながりが見い出し難い。さらに映像のテンポもそれに応じてがらっと変わっていく。その多様さ振幅の大きさへ驚かされる。状況としては・・閉鎖的共同生活・・犯罪日記・・破滅的共同生活・・放浪記・・インタビュー・・ドキュメント・・分裂・・悲劇・・ドキュメント・・そんな流れでなしくずしに進んでいく。

冒頭からまもないシーンに捕まれた。ただ二人が歯を磨くシーン。妙に音が生々しいと思ったが最後、ひたすら磨き続ける姿がおかしくて堪らない。だんだんにエスカレートし、歯磨き音が割れている!。その「しつこさ」がまたおかしい!。

二人が畳み込むように床へ寝そべり、透明なチューブが巻き付いているシーン。やがてチューブへ血の流れが突っ走り、グルグルと寝そべった身体に絡みつく。・・それが二人から出た血だと思えば壮絶な自殺の場にも見え・・しかし次のシーンではケロっとしている。

温泉街で執拗にインタビューを続ける一人が、話の途中で突然相手のおばさんへ「あなた私のお母さんでしょ?」と迫るシーン。おばさん唖然。会場は爆笑の渦。それまで寝てしまいそうだったことも忘れてしまう(実際にあれで起こされた人もいるのでは)。見ている側の状況変化がむしろ大きい。

後半もう一人が血液検査の結果を受け取ったのを合図のように始まる悲劇。小さな笑いがやがて大きくなり、もう止まらない滑稽さ。そしてあまりの惨さ。気がつけばひきつり笑い。

脈絡なく終わっていく・・ちょっと根暗なほどにマニアックな笑いが繰り返された後で・・。監督の力強さを感じる傑作ではないか。

2002.05.26k.m


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最終更新:2008年04月11日 08:12