監督、脚本、編集を行い、『ジェリー』、『エレファント』、『ラストデイズ』と人生の最期を描くガウ・ヴァン・サントの三部作。気合の感じる作品。(他の2つはまだみていない。)
部屋で一人セッションをする姿をゆっくりと引きで撮るシーンがとても印象深い。もうじき死へ向かう主人公へ、決して感情移入を許さない距離感がある。これは終始作品に感じるもので、ただ映された画面を追いかけることでしか参加できない。
安易に感情を落とし込む内面の見え透いてしまった感動映画は、一見して分かるように「死」そのものは描いていない。死がうばう感情や、それが与える絶望感をテーマパークのように体感させているだけだ。
死には何の意味もなく、なんの変化も生まない。ただ存在を失った後の「かわらない」時間が続くだけで。ブラックホールのようにぽっかり浮かぶ闇に吸い寄せられる時間を思う。2007-04-06/k.m
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