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ONE PIECE 秋コレクション


  • 1994〜1998年 日本
  • 監督:矢口史靖、鈴木卓爾
  • 出演者:唯野未歩子 、しおのやけい子 、長曽我部蓉子 、田中要次 、寺十吾 、猫田直

「ひみつの花園」「アレナリンドライブ」の矢口史靖・鈴木卓爾が、映画製作に必ず付きまとうもろもろの面倒を一切忘れて、演出だけを楽しみたい!という発想から出発した、1シーン・1カット1話完結固定画面、シナリオ無しのアドリブ即興演出で撮りあげた超短編映画14ピース入り。


やっと見た!。新宿TUTAYAでいつも貸し出し中(しかも1本しかない!)でもう何ヶ月も敗北感を味わっていた作品。勝手に「伝説化」していった短編集ですが、待っていた甲斐があった。

なんとも「ゲラゲラ」と笑ってしまう映画。気軽に撮っているのが伝わってきて、見ているこっちも気が楽になる。よくTVで「シロウト投稿ビテオ作品」みたいなのをやっているが、あれと同じ様なボリュームなのだけど、あきらかにその魅力たるは別世界!。短い中にとっても練られたような緻密さを感じる。中にはよく分からない作品もあるが、十分に緊張感を感じる。この監督達の研ぎ澄まされたユーモアと映画への想いがあふれている。

と褒めちぎってしまうのも、「やっとこさ」借りられたからと「無理矢理」自分を慰めている、という訳ではありません。実際にそれ系では相当に人気のあるシリーズだとか(どれ系だか)。

たとえば「サウンドオブ中学教師」。 3人の中学教師に与えられた状況が作り出す人間の深淵は、「三角関係」と「ミュージカル」の2重の「パロディー」によって絶妙に鍛え上げられる。「遠近法」により無限に広げられた空間。「繰り返し」による閉塞感と輪廻。青々しい爽やかな芝生と殺気だった教師達のコントラスト。一触即発な空気と、単調で軽い電子音。どれもが完璧にかみ合った作品。

たとえば「祝辞」。 女の子友達の薄っぺらい友情と分厚い嫉妬心。先に結婚する裏切り者への祝辞ビデオレター。その撮影中、次第に怒りがこみ上げてきた3人の前にあらわれた本人・・・。笑いながらナイフを持っているような殺気?。

たとえば「二人ぼっちの惑星」。 大地震か、この世の終わりか。二人きりに訪れた惨事。ロマンチストを気取る男。現実的な女。父からの電話。「生き残りたい必死な思い」と「現実のめんどくささ」がまざったリアリズム。

たとえば「傘男」。 鈴木監督作品はどれも妖怪のような不可解な存在が登場する。しかしその存在よりもなによりも、夜警の青年とジュースを買う女の子達のからみが楽しい。ラストは一変してサスペンスへと変わる。

たとえば「今日こそ教祖」。 新興宗教というパロディー感を増幅させ、空っぽになるまでもっていった作品。インタビューする記者。首をかしげる教祖。見守る広報員。3人のつくる間は、風が吹き込む遠くへと向かって行く。

たとえば「座敷あらし」。 こちらも妖怪のパロディー。さんざんに騒ぐ「あらし」はカラ元気。その仕事ぶりにはやや倦怠感すたただよい、やけくそに響くチャンチャラ歌。実は「あらす」場所を間違っていたという展開には、空虚感が先行して走っていたために、なんとも哀しい楽しい。

たとえば「走れエロス」。 最大の素晴らしさはそのカメラアングル。エロス君以外は顔の見えない上部からで、周りにうろたえる家族はクロコとなり、ただ無言のエロス君の心境のみがクローズアップされている。笑えいすぎて笑えない緊張感に満ちている。

とにかくどれも面白い!。必見の作品集であることは間違いない。2002.04.28k.m


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