マトリックス レボリューションズ


  • [監][総][脚]ラリー・ウォシャウスキー アンディ・ウォシャウスキー
  • [製]ジョエル・シルバー
  • [出]キアヌ・リーブス ローレンス・フィッシュバーン キャリー=アン・モス
  • [制作データ] 2003米/ワーナー
  • [上映時間] 129分

ついに見た。だが、3週目とはいえけっこう空いていた。ミラノ座の巨大な空間は埋まらず、今時この大きさがつらいのが目立っていた。僕も1,2作と先行ロードショーを見ていたのに、今回はそれがなかったのもあり、やや熱の冷めた状態でのぞんだ。

案の定、この終わりへと向かった展開はどうにもパワーダウンという感じで、「終わらせる」ことの難しさをみたような気がした。

そもそもマトリックスの魅力は、人間味のない演出で、あのパーティーにでも行くような「おめかし」スタイルで、どこまでも華麗に舞い続ける姿にあった。それがいつからかザイオンとか言う生々しい集落が登場し、夢から覚めた原始人のように薄汚れた衣装のネオやトリニティーが、赤裸々な人間味で愛し合うシーンになってしまった。

さらにネオは華麗にプログラム世界を駆け抜けるサイバーヒーローという姿から、集落の危機を救う神秘的な力をもった救世主という、ほとんどオカルト世界のような様相に至ってしまう。ザイオンでの戦いは、さながらスターウォーズのごとくに壮大な音楽をバックに繰り広げられ、戦争映画のごとく根性と使命感の師弟ドラマが演じられ、パニック映画のエンディングのように救世主の成功を祝うシーンへと・・。

かつて映画「マトリックス」は、何物にもたとえきれない新たなジャンルを築いた感すらあった。けれどこの壮大な終末は、何度も繰り返し踏まれてきたハリウッドの王道パターンへ収斂されてしまう。それが興業的成功を招くためなのか、それ以上のプレゼンテーションをもうハリウッドが捻出出来ないという限界を示しているのか。せめて続編によってすぐれたオリジナルを食い尽くさない体質をこそ目指すべきなのだろう。2003-11-22/k.m

コメントをぜひ

  • 徳永>まあ、そうはいっても、ネオが空を飛んだり複数の敵キャラ相手に戦うシーンは見れたことですし、トレーラー上でのアクロバットはそこそこ面白かったし、そんで良かったみるべきでしょう。もともとこの話の雛型そのものはFディックやウィリアムギブソンでアイデアそのものはあったことですし、それに今までやったことない回答を与えると言うのは端から難しいのでは。一回目の話から見てザイオンは出さざるえんでしょうし。ただ、続編を作るとすればアイデアとしては「ガルフォース」+「ジーンダイバー」+「2010年宇宙の旅」かな。2003-11-25 (火) 02:03:00
  • k.m>はい。徳永さんおっしゃるように十分楽しみましたのも事実ですw。そして「ハリウッド大作」では消費しきれない奥深さもあったと思います。どんなにすぐれた原作の存在があろうと、映像化の、それも映画としての難しさをいくつもクリアしたことは全く別の評価になると思います。マトリックス前後でひとつの流れをかえたとも思います。なので、もうちょっと「とんがった」終わり方を期待していたのですが・・。まぁラスシーンをどうするのかは、もう政治的なレベルにまで利害がおよんでしまうのでしょうが・・。2003-11-25 (火) 22:58:10
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最終更新:2008年04月11日 08:10