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ペンと剣


  • エドワード・W.サイード/著 
  • D.バーサミアン/インタヴュアー 
  • 中野真紀子/訳
  • ちくま学芸文庫

先日読んだ『まんがパレスチナ問題』によって、ある程度自分の中で中東問題が明快になったと思ったのが嘘のように、サイードの苦悩に満ちた発言からつたわって来る実状は複雑で痛ましい。

これはインタビュー集なので、『オリエンタリズム』のように難解ではない。けれど語られる問題はあまりにも複雑に絡み合っている。それは何十年もの間、一方的な観念で縛られてしまったそ世界認識の一つ一つを解して行くような難解さだ。

サイードの発言はとてもソフトで力強く、理知的でこちら側へ入り込んでくる。だからとても読んでいて痛ましくもなる。息が詰まりそうな感じ。これこそは、書くことで抗うことなんだろう。西欧社会で育んだ彼には、ある意味で悲痛な自己批判にもなっているのだから。

中東関連の本を勢いで4冊も買ってしまったけど、細部を知るほどに読んでいくのがシンドくなってきた・・。メディアがいかにパッケージングされた商品であるかも思い知る。

僕らはきっと想像できないくらい、たくさんの犠牲の上に成り立つ社会を築いてきたのだろう。そして知らないということは、存在しないことに等しい。それは知ったから何かが出来るのだとする言い方の反語ではなく、単にゼロなんだ。2006-09-22/k.m

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カテゴリー-社会思想