ベティ・ブルー



すっかり年末休暇モードでのんびりしております。TUTAYAで5本もビデオを借りてしまいました。そのウチの1本。

女性の激情を描いた映画はとても印象に残る。特に「恋のエチュード」と「アデルの恋の物語」などが。共にフランソワ・トリュフォーの作品。ゴダールと共にヌーベルバーグの作家だが、僕はトリュフォーの方が好きだ。

この激情は情緒不安定だったり、狂気であったりする。もちろん二人の内部では、まぎれもない愛情なのだが。そしていつしか、精神病として薬を投与され続け、気の抜けたような人間になってしまう。度を超えた情熱がこの様に狂気として扱われ、救いようのない人間として滅ぼされていく。あくまでも二人のなかではなにも変わっていないのに。

この悲劇をどうとらえるのか。多かれ少なかれ、愛する者達、恋人以外でも家族でも、他者に理解不能な出来事やデリケートな関係は存在する。それがひとたび外部に触れてしまったが故に、もうそれ以上の継続を認められず、あるいは最初から理解などを求めなくても、害として抹殺的に扱われてしまう。そのような共同性、社会性の恐ろしさもこの映画では教えてくれる。

映画では度を超した激情ですら美しい愛情劇として映る。「ブルー」という色合いが、もっと感覚的な、観念的な物質として、特別な修辞ともなっている。2001.12.31k.m

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最終更新:2008年04月11日 08:09