ブロークン・フラワーズ


  • 監督・脚本 : ジム・ジャームッシュ
  • 出演 : ビル・マーレイ/ジェフリー・ライト/シャロン・ストーン/
  • ジェシカ・ラング/ティルダ・ウィンストン

映画は時間を通じた作者の世界観を伝えることの出来るメディアだと思うけれど、この作品はまさにジム・ジャームッシュの時間だと思った。映画のために作られた物語で、描写やプロットに無駄な部分を感じさせない。

それはビル・マーレイの映画だと言っても同じ事で、役者のキャラクターのために作られた作品で、セリフや「間」の取り方に無駄な部分を感じさせない。いきなり憂鬱な表情とフレッドペリーのジャージ姿でTVを観ている彼が、ずっと前からそうしているのだと感じさせるオープニング。

突然送られてきた手紙に暗示させたピンクや、旅先で遭遇する思わせぶりなピンクも、視覚的な効果のために選ばれただけで、はじめから意味なんて存在しないという爽快感。コンピューターで「ぼろ儲け」したという経歴以外なんの肩書きも与えない、ほったらかしな主人公のプロフィール。

旅先で遭遇する女性達が皆一様に魅惑的な部分を持つのだけど、見ようによっては無関心なだけにも現われ、観ているこちら側の視線をそのまま写されているような緊張感。どれもがストーリーとか文脈とか感じさせないというか、そんなものとは関係なくそこにあって、ただカメラは写しています的な開放感。面白すぎ。2006-11-26/k.m

コメントをぜひ

名前:
コメント:

カテゴリー-映画


関連リンク

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年04月11日 08:08