フラット革命


  • 佐々木俊尚
  • 出版社:講談社

著者の書いているように、これまでは決して批判されない存在だったマスメディアの報道に対して、ブログの世界からさまざまなかたちでアンチテーゼが提示されつつある現実は確かに感じる。

元全国紙記者であった著者は、このようにマスメディアと読者というヒエラルキーのない「フラット化した関係」の中での、「マスメディアの苛立ち」をリアルに表現する。けれど、一体どれだけの人たちがそのような「現場」へかかわっているのだろう。

自分も身近な知り合いを思う限りネットへの関わりは大きく、正直これほど乖離を感じるジャンルはないと思っている。けれどこの著作にあるようなネット上の事件にたいしては、ほとんど知りえなかった。

だとすれば、著者の表現したい「フラットな言論空間」というものへ、どれだけの人々が関わっていくことが出来るのか疑問だ。ネットはどこか競争社会をイメージもさせる。頑張った人だけに答える空間ではないか。

インターフェイスの向上がこれを助けることになるのだろうか。入りやすければ、このフラットな空間へ皆が参加するのだろうか。よく分からない。一部の情報世代がフラットな空間で人脈を広げている事実をもって、一般論へ広げることへの違和感を拭えない。これはどうした事なのだろう。2008-01-21/k.m

カテゴリー-ネット社会


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最終更新:2008年04月11日 08:08