新世紀のはじめ、アジアにあるひとつの大国が壊れた。不登校児童・生徒数 80万人、校内暴力による教職員の殉教1200件。自信を失った大人たちは子供を恐れ、やがて、ひとつの法案が国会で可決された。新世紀教育改革法(通称 BR法)施行。とかいった出だし。
TUTAYAで借りました。
なんだろう。残虐な映画は嫌いじゃない。どちらかと言えば好きな方だ。 けれどスプラッターが好きなのではない。緊張感にはまるのだ。 人間が追いつめられ、後戻り出来ない状態になる。その時映画の持つ空間へ惹かれる。
でもこの映画には緊張感をあまり感じなかった。いきなり殺してしまうシーンも嫌いではない。むしろこの手の映画では見慣れている感じもする。ただどんなに見慣れようと、驚きは消えない。その時のあっけなさ。人が死ぬという簡単な描き方になじめない。ものすごい緊張感を発するからだ。
では何故この映画には、それらが足りないのだろう。物語があまりにもフィクション的だからだろうか。BS法案なる、(今の)大人たちのフラストレーションの掃き溜めのような設定に、ややうんざりしたからだろうか。
中学生たちを殺し合いの地獄へと導き、それをなにかのメッセージへと考えるのなら、緊張感が足りない。そんなところに意味を求めているなら安っぽい。
もっとクールに、無意味に殺し合うほうがまだなにかを感じそうだ。その時その時の告白や感情の動きがリアルでない気がした。絶望をあまり意識できなかった。そんなに簡単に殺し合い、自殺するのか。だったらなにもしゃべらないでただその行為を映すだけのほうがよっぽど緊張感がある。
それにしても40人もの中学生が死んでいくシーンを一人残さず写しでしていくモノローグは、ただ悪趣味なだけにも感じてしまう・・・。2001.08.07k.m
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