ハード キャンディ


監督:デヴィッド・スレイド 脚本:ブライアン・ネルソン 出演:パトリック・ウィルソン 、エレン・ペイジ 、サンドラ・オー


うーん。(まとめちゃうのもなんだけど、)なんでアメリカの子役ってこう賢い大人風に振舞おうとするのだろう。不自然だ。この主人公も、目線をフワフワさせながらおどけて話すしぐさが妙に大人ぶっていて違和感を覚えた。出会い系サイトで知り合った男と駆け引きしながら会話をしていくシーンだから分からない演出でもないけど、その後もずっとこのしぐさは続いて行くもんだから・・。

カット割やカメラアングルはとてもスタイリッシュで近景ショットの多用は、吉田喜重の『戒厳令』みたくカッコ良い。けれど緊張感は前半まで、というか単調さが続いてしまい、ミステリーとしての切迫感が乏しい。

そもそも主人公の女の子が自身を「異常」と言うくらいだから、彼女を怪奇な存在に仕立て上げたいようなんだけど、全くそう見えない。映画空間においては、カット割と近景ショットだけで充分に異常さのお膳立てがそろえてしまう。けれど役者の表現し得る「奇怪さ」は説明不能な部分を持ってこそ感じられるのに、彼女には動機が分かりやすく見える。男のほうだって、特別に不可解な深淵を感じられない。

そんな門切り方への道筋がみえてしまい、特にトラウマだの児童虐待だの繰り返されるテーマをいつものような調子で使っているもんだから、映像の面白さすら色あせてしまいそうだった。ある意味で王道。もっとハズしてほしかった。2007-02-25k.m


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最終更新:2008年04月11日 08:07