テレビ朝日を見学

今年の秋から放送が開始される六本木ヒルズ内のテレビ朝日を見学してきました。槇事務所のスタッフが案内される中、巨大な放送装置を歩き回るのはまさに探検気分。ホワイエから役員室、ニュース・ステーション、ミュージック・ステーションのスタジオ、スマップが入る(スタッフさんの言葉)楽屋など。槇事務所出の建築家もたくさん見かけ、150人くらいを3グループに分けた、結構大がかりな見学 。それでは、ばーっとダイジェスト。


まずはエントランスホールの階段。シンプルながら浮き上がった構造的にも苦労した軽快さです。聞かせ色はスタッコ。名取のイメージに近い。ずっと巨大ですが・・。外には毛利庭園が残されているのですが、その向こうにジョン・ジャーディーの大騒ぎな建築が見えてしまうので、とたんに由緒ある庭園がなにかのパロディーとなって陳腐化しています・・。


ホール見上げ。カーテンウォールと内壁のダブルスキン構成がよくわかる。格子のマドの内部はスタジオやらオフィス。柱型のアルミハニカムパネルはなんと12mもの。目地の数が恐ろしく少ない。このような手続き的ディテールの少なさは、ミニマムさという模型的な様相を醸し出す。それがはたして良いのかどうかは疑問。


一気に8階の役員フロアーへ。最上階です。地上8階、地下3階とこれまでのTBS、日テレ、フジに比べ低層です。中庭のツリー。緑はリュウノヒゲ。地被類でもここまで密に植えるとリッチに見えます。


こちらストライプな庭。オンサイトのデザインです。LEDが組み込まれていて、夜はポツポツ光るそう。登るのを控えていたが、後のグループは思い切り上でくつろいでいたし・・。


役員室の家具。藤江アトリエの作品。コーナーがトメの納まりになっているので、とてもソリッド。基本的にあっさりしたカラースキーム。応接セットのない役員室群。常に議論の生まれるラフな空間つくりとも言えるが、オフィスの方向としてはむしろ主流なのかも。


住宅棟を見上げる。色使いが日本のものとは思えない光景。森リビングという独自のサービスはまた別に触れたい所。


社員食堂。手前のガラスはパーティーの開ける個室。打ち上げの多い仕事柄、ガラスは液晶組み込みのタペにきりかわるヤツ。真ん中は担当の方。黄色いコートは建築家・古市氏。外にはウッドデッキテラスがあり気持ちよい空間。その庭は12m近いキャンティレバーの床。すべての機能・構造・インフラを中のキューブへ納めたため、スキンはとても自由な空間となる。これはすごく明解だった。


食堂をでるとモザイクタイルでロゴが。下の方に見える黒い帯は、入社以来の社員の名前2500人くらいが刻まれています。幾つものエピソードを話す担当の方は、いかに打ち合わせが大変な作業だったかも臭わせていた。


こちらニュース・ステーションのスタジオ。床の水平度の要求は「2mの鉄の棒を引いて、ウラから光が漏れない」精度だそう。下地のコンクリートは職人さんが丹念に手作業で磨き上げないとその精度は出せないとのこと。音環境のために建物の中へもう一度空間を施工する。ここに掛かっているコストがスタジオの特徴でしょうか。


ホールの階段を下りて終了。ガラスの床、フラットバーダブルのササラ。吹き抜けをまたぐ動線にしてはその存在感は控えめではないか。


宮島達男氏のカウンターはココでも活躍しています。今回のはなかなか圧巻です。ストリートに面して50mくらい光ります。このように周辺環境にたいしてとても気を配っています。これは六本木の風景を確実に変えたプロジェクトでもあることを示しているのです。2003-03-29/k.m

コメントをぜひ

宮島達男カウンター

  • blau>おお、宮島達男カウンターが。六本木が静かなのは、いまのうちだけでしょうか…。2003-04-02 (水) 23:19:56
  • k.m>六本木という地理感覚が大きく変わろうとしているのだと思います。バージンのシネコンも期待大なのと、ミニシアターというマイナーな言語がすっかりメジャーになったことの複雑な思いなど。それは「六本木」にも当てはまるのかと思いますが。2003-04-06 (日) 12:24:28
  • k.m>六本木と言えば、アート ギャラリー「complex」も行ってみたいですね。2003-04-06 (日) 21:10:00
  • jun>宮島さんのカウンターは、一般の人が見られるようなところにあるのですか?2003-04-09 (水) 13:19:22
    • k.m>みられまーす。僕が行ったときはまだ一部工事通路でしたが、基本的には道路沿いにバーンっと!カウンター連続しています。全貌が出たら、あらためて確認したいです。
      • jun>おお、見たーい。complexも。実は、もう一つの佐賀町とつながりがある新川の新スペース(小山登美夫ギャラリー、SHUGOARTS、ギャラリー小柳、タカ・イシイギャラリーが入っている、)もまだ行ってないんですよね。/ところで、このページ、宮島つながりでココで紹介してきましたー。
      • k.m>どもども。さっそくすっかり滞っている過去ノートUP分から宮島さんのだけUPしたりして・・。
  • blau>「complex」ネタはここでいいでしょうか。行ってきました。まっ白なそんなに広くないビルの側面に、黒い文字で各画廊の名前が。一階はガラス張りで画廊ふたつ。上の階は左側のみが画廊スペース。階段を登って六階(たぶん)まで。このビル…古い? そして最後に辿り着くのは、最上階にある「碁会所」です!? すりガラスのドアの窓に「囲碁協会」って「茶紙」に書いて貼ってあります。それぞれの画廊自体の方針で、これからが決まる感じで、現状では特別な面はまだなかったような。確かにこのあたりにギャラリーは貴重ですが…。
  • blau>ようやく情報を見つけました。それにしても、手がかりなさすぎです。元は築37年のビルで(古い訳だ)、あの佐賀町食糧ビルの思いを継いだとは知りませんでした。artscapeの記事 
    • k.m>この話題は展示へ移動させていただきました。

テレ朝の「新社屋」宣伝番組は結構多い

  • k.m>昨日の「タモリ倶楽部」でも新社屋紹介されていました。僕らを案内してくれた槇事務所の方、番組にも出演していたなー。フジと違ってテレ朝はあのように内部を積極的に紹介するように建築しているのですね。2003-04-12 (土) 13:20:28

六本木の再開発について

  • blau>仕事の気晴らしもかねて、六本木ヒルズ近くに行きました。中心の棟には、人人、そしてまた人。六本木、ワールドカップ以来の賑わい。しかし全然イメージは違う…。「おお、もう入れるんだな」と建物内に入ろうとしたら、警備員に止められました。中にいたのは、何らかのプレ・イヴェントに参加した人だったようです。つまらないので、新しいエレベーター各種を乗り比べて帰ってきました。良いエレベーターです(笑)。六本木って、一応都会と呼ばれるはずなのに、取り残されたアングラ感がおもしろかったんですが、このヒルズができたことでどうなるか、ちょっと気になります。complexも探ってこなくては…。2003-04-23 (水) 22:21:40
  • k.m>いよいよ金曜日にオープンですね!。近所だったら行きたいところですが・・。このヒルズできっとセレブ(っていいかたで良いのか?)な街としてすっかりもてはやされます。ブルータスが「六本木ヒルズ論」ですからねぇ。論って・・。これは今後追従する雑誌が大量に出てきますねー。2003-04-24 (木) 01:52:49
  • k.m>六本木の開発の波はまだ途絶えませんね。六本木防衛庁跡地再開発(赤坂9丁目計画)都市計画決定。土地取得から約1年半で都市計画決定。再開発もスピーディーになりました。2003-04-25 (金) 01:19:04

blauさんのヒルズレポート!

  • blau>なんでもヒルズより高いビルを建てるとか。見栄っ張り…>防衛庁跡地。ヒルズに行ってきました。伯母と一緒に言ったのですが、気心の知れたもの同士、毒舌感想合戦が炸裂。とんかつ屋が三軒もあり、どこかが潰れるのではと心配です(それかい…)。人がどっと増え、なんとなく丸ビル状態。2003-04-25 (金) 22:16:33
  • k.m>報告!この話題についてのみ六本木ヒルズ関連として移動させて頂きました。2003-04-29 (火) 23:24:27

カテゴリー-建築宮島達男

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最終更新:2009年06月01日 09:51