猟奇殺人もの。こう言ってしまうと、近頃そんな映画ばかり見ているような気もします。かなりきわどいシーンがあって、ホラー映画は最近全く見ていなかったので、ちょっと躊躇することもありました。
動機の見えない所が猟奇殺人ものの主流で。・・もっとも、納得の出来る動機が存在すれば、それ自体危険な話しですけど。犯人像が2転3転するところは、その都度だまされると言うか、おどらされ、ハラハラします。けれど、どの犯人に対しても、決定的な動機は見当たりません(と言うか、先送りしていくような見せ方を感じました)。
殺人へ秘められた記号を追うところは、なかなか得体の知れない存在感を増強させていて、迫力があります。被害者の中心的存在である主人公のトラウマが発覚してくるあたりから、いよいよ分からなくなってきて、父親の殺人にしては猟奇趣味にもほどがある、などと思えば・・。
韓国でもっとも人気のある女優のひとりであるシム・ウナ演じるヒロイン。きれいな方です。繊細な内面を事件によってかき回される事を拒み(当然でしょうが・・)その奥へは、過去に負った大きな傷が隠れていて、近づく男へ徐々に傷口を見せていく・・。刑事は猟奇とは知らずに保護し、感情の転移も行われていきます。難しい役柄をこなす2人の奥深い演技が見られます。
美しさと猟奇。一見相反する様相に、物語のコントラストを描くのは、なるほどと思わせるものがありましたが、ちょっと拍子抜け的な結末でもあったような・・。
2001.05.30k.m
カテゴリー-映画
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