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EUREKA



バスが出発する。大きな画面のなかで、小さく、ゆっくりと。フレームから消えて行くまでカメラは動かない。そのリズムに引き込まれていく。画面に感じる奥行きが、何か起こるような予感で気持ちをいっぱいにさせる。

事件は何気ない日常の中へ、気付いたら起こっていた。6人が死亡し、3人が生き残った。冒頭のわずか数分の出来事だ。いつか自分がこの世から存在しなくなるかもしれない。あるいはそんなことは夢にも考えたこともない。もしかしたら突然それはやってくるかも知れない。意識の奥に眠っていた小さな不安を、白昼でいきなりたたき起こされる。次の瞬間にはもう自分は存在していないのだ。それでも世界はなにも変わらず存在し続けるのだ。

3時間37分という長い時間の間、どこかでそんな不安と向かい合っている感じがした。風の音や、水の音へ奥深く引き込まれていく間でさえ、不安は消えなかった。美しさも、はかなさへと消えていった。

或る出来事が、その人を後戻りの出来ないレールの上へのせていった。時間だけはいつも同じように過ぎさっていく。取り巻く人々との時間的、空間的感覚の差はもう変えようのない事だった。

ただそこにもドラマはあった。絶望の淵に置きざれにされていても、生への希望は生まれていた。ただ死なないことが、僕らへ課せられた唯一の自由と使命であった。そこへ再び気付き叫び始めるだけだった。2001.03.03k.m


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