3つの話が巧みに交錯し循環していた。マケドニアとロンドンを移動しながら3つの物語が連続した「ビフォア・ザ・レイン」を思い出した。あの映画も素晴らしい!。
メキシコシティーの映像にはなぜか哀愁が満ちていた。音楽と映像との絶妙な融合といい、テンポといい、これがデビュー作だなんて、なんともすごい監督だと思った。
めぐっていく話はどれも切ない。そして人間の野蛮さ残酷さ、どん欲なまでの生きる力とが合わさった、壮大な映画だった。壮大というのは「長い」ということでもある。物語のボリュームがどうしたって大きい。
あんなに遠くの世界で、こんなにも僕に「シンクロ」してくるのって一体なぜだろう。絶対に起こらない物語にも、そして状況にも思えるのに、こんなにも共感してしまうのは・・。あれほど激情でいっぱいの生き様なんてまったくかけ離れているのに・・・!。
ただ「走り続けて行く」だけが主人公達に許された自由でもあるかのように、疾走しぼろぼろになっていく。そのままを見続けそして見届けていくだけの自分を、ヌクヌクとした存在に感じながら。
とても苦しい映像ばかりなのに、美しい音楽とともに心に響いていくさまは、どこまでもクールだ。「苦しさ」と「クールさ」が重なっていくのはなんだか理想郷みたいな「うわべ」の「見せかけ」にも思える。反面、どんなに苦しくともクールさをまとえる人生を是非とも送りたいものだ!・・・なーんて妄想が膨らむ映画なんだ。必見!。もー終わりましたけど・・。
2002.03.28k.m
カテゴリー-映画
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