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-サンダンス映画祭:最優秀脚本賞受賞
-監督:クリストファー・ノーラン
-出演:ガイ・ピアース、キャリー=アン・モス
-配給:アミューズピクチャーズ
-http://www.otnemem.jp/
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結構話題になっているようで、単館上映としては大ヒットと言われている作品です。パルコだと、「バッファロー66」のヒットが思い浮かばれますが、それ以上との噂も聞きます。それでも1週間前から席を予約していたので(とっても便利!)、上演15分前くらいに行くと、やはり「立ち見になります」、という勢いだった。「リザーブ客はこちらです」と優先され、そんな人達はわずか5,6人程度。
いきなりクライマックスから始まるこの映画は、常に時間軸が逆に進んでいく。そのことだけは、前もって聞いていたため、違和感なく入れたが、かなり込み入って見えることは確か。話自体はそれほど錯綜しているわけではなく、描写があくまで込み入っている。ちょっとねらい過ぎかな、と思わせるものもあるが、以外とここまでやっていた映画は観たことがなかったので新鮮だった。
主人公は記憶がわずかな時間しか続かなく、身体やたくさんの紙切れ、ポラロイドへ書かれた「メモ」だけが頼りであるという設定。妄想や解離といった人格障害を起こしているところなど、阿部和重の「インディビジュアル・プロジェクション」を思い起こす。ここ数年は「妄想」がキーワードなのだろうか。
徐々に真実が明かされ、ラストでどんでん返し。そういった流れは、一つの「王道」といった感じでもあるが、実際には畳み込むようなラスト数分間のため、エンディングが流れ出しても、しばし呆然としてしまう。帰り道もずうっと事の流れを思い浮かべ、考えていた。幾つかの可能性を感じさせる結末と、まったく違う思いこみでもあったという疑いが、頭の中を離れなかったので、家に帰るなり「公式サイト」を見た。「ネタばれBBS」を読んでみると、やはりみんなも混乱している様子。ただ冷静に分析する人は居て、あるいは知っているだけなのかもしれないが、そこそこ信頼できる解釈をみて、一安心。とまあ、意外と「後を引く」作品であることは確か。
ところでこの映画の面白みは、「記憶」についてちょっと考えさせられることだ。主人公は障害という普通でない状態に陥ってしまった。だが彼の振る舞いから見えてくるのは、けっして異常なのではなく、僕らの「記憶」が「思いこみ」や「思い違い」などによって歪められたものでしかないことを認識させてくれる。映画自体に「記憶」の「能力」を問いかけられるようなものがあり、試されている感じも確かに受ける。2001.11.24k.m
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カテゴリー-[[映画]]