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**シティ・オブ・ゴッド [#z9d427f5]
#amazon(B000CNDHZU)
-2002ブラジル/アスミック・エース
-監督:[[フェルナンド・メイレレス]]
-製作:ヴァルテル・サレス/ドナルド・K・ランヴァウド
-製作:アルドレア・バラタ・ヒベイロ/マウリツィオ・アンドラーデ・ラモス
-原作:パウロ・リンス
-脚本:ブラウリオ・マントヴァーニ
-撮影:セザール・シャローン
-音楽:アントニオ・ピント/エヂ・コルチス
-出演:アレシャンドレ・ロドリゲス/レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ/ドグラス・シルヴァ/マテウス・ナッチェルガリ/フィリピ・ハーゲンセン/セウ・ジョルジ/ジョナタン・ハーゲンセン
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度肝を抜かれるという感情は、決して大げさではなくこの映画にあてはまった!。
衝撃は連続して続くあまり、何とも言えない疲労感を覚えるのだった。ハリウッドのアクション映画では「得られ」ない疲れ。深作監督の「仁義無き戦い」と比較される映画評を見かけるが、ちょうど最近(今頃だが!)それを見たばかりだった。容赦なく殺し合う「実録もの」として、迫力の衝撃作であるし、この映画に先だつこと何十年かと思えば、あらためて驚くばかりである。しかしそれにも増して今日のこの衝撃は、取り替え不可能なものであり、一体どこにそれはあるのか。
まず冒頭からしてカッコイイ。ナイフがスクリーンを切り刻むように鋭いリズムを描き、ブラジリアン音楽のテンポとシンクロして鳥肌なのである。このシーンはクライマックスを暗示していて、そのドラマ性がまだ明らかになることを全く抜きにしても十分に迫力がある。
カメラアングルは揺れ動きやや近寄り過ぎな、最近よくある傾向ではあるが、もう少しどっしりとした映像を見せてもいいのではないかとも思うが、その慌ただしさと軽さが、一見するとパロディー的な空気を与えるのだが、実はそれらの事によって描かれている惨劇が、この世のものとは思えぬほど恐ろしさを帯びてゆくのだ。
重たいテーマを「重たく」描かれるよりも、それは遙かに残酷だった。救いようのないこの世界を、救う気のさらさらない軽さで描くことほど衝撃的なことはない。何よりも印象に残るのは、そんな「あっけらかん」とした描き方にだった。そして、それだけでも十分に楽しめてしまう「ボサノバ、サンバ」が流れ、あのリズムに潜む様々な悲壮感が同時にあぶり出され、映像へと焼き付く。
「神の街」では無垢な子供ほど絶大な権力を手にしてしまう。笑いながら拳銃を撃ちはなすその姿は、人間の欲求が根元的に満たされている時の大きな喜びの表情のようだ。何発も撃ち、蜂の巣のようにぼろぼろで「穴だらけ」になった身体を目の前にして、その戦慄が麻薬の悦楽のように身体のなかを走っていくような感覚が、見ているこちら側にも伝わってくる。それは生半可なスプラッターよりも遙かに恐ろしくもある。
これらが実話に基づいているという事実はもはや衝撃ではなかった。何故なら描かれた映像は既に目の前の現実であり、それが架空なものであるのかよりも、ファンタジーにすら見えてくる惨劇オンパレードは、映像であることによって、それを見てしまったことによって、確実に刻まれていくリアルとなってしまうことを思い知るのだから。2003.07.12/k.m
***ヴァージンシネマ六本木について [#i6d63521]
ところで今回は初めてヴァージンシネマ六本木へ行った。ヒルズ自体も3度目でそれも内部を見るのはほとんど初めてに近いのだった。相変わらず混雑はひどい。映画を見るという目的には、はなはだ不愉快なほど。
渋谷も同様に混雑しているのだが、まだこの街ではそれをやり過ごすスキマを見いだせないのと、そもそも街として見えてこないのだ。巨大な一塊りとして存在するその姿は、同時に複雑な細部が目に付いてしまう。恐らくこの規模においては、認識の容易さが心地よさへと貢献する度合いが多きいと思う。東京フォーラムはそのアタリで成功しているのだろう。森ビルという強いリーダーシップがありつつ、このパッチワークのような集合体はどうなのだろうか。
さて、映画館である。チケット売場は混雑していて、ウンザリもするのだが、事前のインターネット予約を済ませていたので、奥の自販機にてチケットをゲット。ここまでわずか数分。割引の前売り券をガマンした甲斐もある。そして上階の会場へ行くのみである。しかし飲み物を買おうとしたとたん、再び混雑に紛れ、たかだかコーヒー買うのに10分も並んだ。これはスタバでも無いぞ。
おまけにほとんどの客が観光気分なのかポップコーンを買いまくり、上映後も周りでバリバリとうるさくって、ややげんなり。まあ、座席のゆったりさ、画面の見え方など満足行く点も多いのだが。オープン間際のデメリットか・・。
されどヴァージン。今後もこのような有力映画を沢山ゲットしていきそうな予感たっぷり。ポスト・恵比寿ガーデンシネマとなるのだろうか。どちらも自分的には苦手な映画館かもしれないが・・。
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カテゴリー-[[映画]]
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#related
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***コメントをぜひ [#q5853a67]
-[[k.m]]>[[恐るべき子供たち:http://www.eigaseikatu.com/title/3717/]]SIZE(10){2003-07-26 (土) 13:55:46}
-[[k.m]]>[[サントラ:http://www.tsutaya.co.jp/item/music/mj_ks00000001.zhtml?PDID=20158593&srkbn=S]]SIZE(10){2003-07-26 (土) 13:56:06}
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**シティ・オブ・ゴッド
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-2002ブラジル/アスミック・エース
-監督:[[フェルナンド・メイレレス]]
-製作:ヴァルテル・サレス/ドナルド・K・ランヴァウド
-製作:アルドレア・バラタ・ヒベイロ/マウリツィオ・アンドラーデ・ラモス
-原作:パウロ・リンス
-脚本:ブラウリオ・マントヴァーニ
-撮影:セザール・シャローン
-音楽:アントニオ・ピント/エヂ・コルチス
-出演:アレシャンドレ・ロドリゲス/レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ/ドグラス・シルヴァ/マテウス・ナッチェルガリ/フィリピ・ハーゲンセン/セウ・ジョルジ/ジョナタン・ハーゲンセン
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度肝を抜かれるという感情は、決して大げさではなくこの映画にあてはまった!。
衝撃は連続して続くあまり、何とも言えない疲労感を覚えるのだった。ハリウッドのアクション映画では「得られ」ない疲れ。深作監督の「仁義無き戦い」と比較される映画評を見かけるが、ちょうど最近(今頃だが!)それを見たばかりだった。容赦なく殺し合う「実録もの」として、迫力の衝撃作であるし、この映画に先だつこと何十年かと思えば、あらためて驚くばかりである。しかしそれにも増して今日のこの衝撃は、取り替え不可能なものであり、一体どこにそれはあるのか。
まず冒頭からしてカッコイイ。ナイフがスクリーンを切り刻むように鋭いリズムを描き、ブラジリアン音楽のテンポとシンクロして鳥肌なのである。このシーンはクライマックスを暗示していて、そのドラマ性がまだ明らかになることを全く抜きにしても十分に迫力がある。
カメラアングルは揺れ動きやや近寄り過ぎな、最近よくある傾向ではあるが、もう少しどっしりとした映像を見せてもいいのではないかとも思うが、その慌ただしさと軽さが、一見するとパロディー的な空気を与えるのだが、実はそれらの事によって描かれている惨劇が、この世のものとは思えぬほど恐ろしさを帯びてゆくのだ。
重たいテーマを「重たく」描かれるよりも、それは遙かに残酷だった。救いようのないこの世界を、救う気のさらさらない軽さで描くことほど衝撃的なことはない。何よりも印象に残るのは、そんな「あっけらかん」とした描き方にだった。そして、それだけでも十分に楽しめてしまう「ボサノバ、サンバ」が流れ、あのリズムに潜む様々な悲壮感が同時にあぶり出され、映像へと焼き付く。
「神の街」では無垢な子供ほど絶大な権力を手にしてしまう。笑いながら拳銃を撃ちはなすその姿は、人間の欲求が根元的に満たされている時の大きな喜びの表情のようだ。何発も撃ち、蜂の巣のようにぼろぼろで「穴だらけ」になった身体を目の前にして、その戦慄が麻薬の悦楽のように身体のなかを走っていくような感覚が、見ているこちら側にも伝わってくる。それは生半可なスプラッターよりも遙かに恐ろしくもある。
これらが実話に基づいているという事実はもはや衝撃ではなかった。何故なら描かれた映像は既に目の前の現実であり、それが架空なものであるのかよりも、ファンタジーにすら見えてくる惨劇オンパレードは、映像であることによって、それを見てしまったことによって、確実に刻まれていくリアルとなってしまうことを思い知るのだから。2003.07.12/k.m
***ヴァージンシネマ六本木について [#i6d63521]
ところで今回は初めてヴァージンシネマ六本木へ行った。ヒルズ自体も3度目でそれも内部を見るのはほとんど初めてに近いのだった。相変わらず混雑はひどい。映画を見るという目的には、はなはだ不愉快なほど。
渋谷も同様に混雑しているのだが、まだこの街ではそれをやり過ごすスキマを見いだせないのと、そもそも街として見えてこないのだ。巨大な一塊りとして存在するその姿は、同時に複雑な細部が目に付いてしまう。恐らくこの規模においては、認識の容易さが心地よさへと貢献する度合いが多きいと思う。東京フォーラムはそのアタリで成功しているのだろう。森ビルという強いリーダーシップがありつつ、このパッチワークのような集合体はどうなのだろうか。
さて、映画館である。チケット売場は混雑していて、ウンザリもするのだが、事前のインターネット予約を済ませていたので、奥の自販機にてチケットをゲット。ここまでわずか数分。割引の前売り券をガマンした甲斐もある。そして上階の会場へ行くのみである。しかし飲み物を買おうとしたとたん、再び混雑に紛れ、たかだかコーヒー買うのに10分も並んだ。これはスタバでも無いぞ。
おまけにほとんどの客が観光気分なのかポップコーンを買いまくり、上映後も周りでバリバリとうるさくって、ややげんなり。まあ、座席のゆったりさ、画面の見え方など満足行く点も多いのだが。オープン間際のデメリットか・・。
されどヴァージン。今後もこのような有力映画を沢山ゲットしていきそうな予感たっぷり。ポスト・恵比寿ガーデンシネマとなるのだろうか。どちらも自分的には苦手な映画館かもしれないが・・。
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-[[k.m]]>[[恐るべき子供たち:http://www.eigaseikatu.com/title/3717/]]SIZE(10){2003-07-26 (土) 13:55:46}
-[[k.m]]>[[サントラ:http://www.tsutaya.co.jp/item/music/mj_ks00000001.zhtml?PDID=20158593&srkbn=S]]SIZE(10){2003-07-26 (土) 13:56:06}