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-20世紀の精神
-多木浩二
-平凡社新書
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多木さんの文章をまとまって読んだのは、これが初めて。
書物案内と言う物ではなく、いかにして20世紀の精神が築かれてきたかを、6冊の著作を通して探っていこうとする書物でした。
読書人ならば常識化している本らしいですが、読書人ではない僕にとっては、名前は聞いたことあるけど実際には読んでいないものばかりです。それでも、フロイトやソシュールは本人の著作ではなく、解説本的なものはいくつか読んだこともあります。難しい本を分かりやすく解説したものは、善し悪しはあれど、それ自体も一つの思索的なものなので、入りやすい分好きです。
思索的なものを読んでいて楽しいのは、難しい中に時々はっとするような考えを発見するときです。発見するといても、どこかでその時気にしているようなものほど反応します。まったく驚かされることよりも、「やっぱりそうか」的な内容の方が多く感じてしまうのもそのせいでしょう。
読む段階で、新たにその人の中で意味が発生していくのが読書の楽しみです。同じ書物を読んだって、その時の日常の在り方、環境の違い、年齢的な考え方、どれをとってもその書物が心に現れてくる姿に同じモノはないのだと思います。
ここで取り上げられている6冊は、今の著者にとって、20世紀の精神が現れてくるという文脈で選ばれたものです。21世紀をまだ「これからの時代」としか見えていない今、20世紀をどこまで俯瞰してみられるのだろうか。2001.04.14k.m
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カテゴリー
-[[思想]]、[[新書]]
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