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「交換殺人には向かない夜(ネタバレ)」(2006/06/17 (土) 23:26:05) の最新版変更点
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#contents
*登場人物表
-レギュラーメンバー
--鵜飼杜夫…探偵
--戸村流平…その助手
--二宮朱美…探偵事務所のあるビルのオーナー
--砂川警部…警察
--志木刑事…その部下
-十乗寺家にまつわる人々
--十乗寺(十条寺)さくら…十乗寺家の令嬢、既刊『密室に向かって撃て』に登場。以前の記述は十条寺
--水樹彩子…さくらが姉と慕う人物。女優。伝説の作品『映画監督サイコ』の監督でもある。
-権藤家
--権藤源次郎…悪徳リフォーム業者の社長
--権藤一雄…源次郎の長男。三年前から失踪中。
--権藤英雄…源次郎の次男。
-善通寺家
--善通寺春彦…善通寺喜彦画伯の息子。彼の遺産を全て相続した。画家としての評価は低い。
--善通寺咲子…その妻。鵜飼の元に依頼にくる。
--遠山真里子…春彦の遠縁にあたる女子大生。就職活動のため善通寺家でお世話になっている。
-その他
--和泉刑事…砂川警部の部下。
*事件の詳細(記述順に)
**プロローグ
-何者かがパチンコ屋で交換殺人の話を切り出す。
**【発端の部】
***p7~鵜飼杜夫探偵事務所(鵜飼・朱美)
-鵜飼の事務所に咲子が夫の浮気調査の依頼にやってくる。
***p12~十乗寺さくら再び(流平・さくら)
-さくらから流平に電話。買い物に付き合うことを約束する。
-鵜飼から流平の善通寺家への潜入調査同行がキャンセル。
**【昼の部】
***p20~善通寺家への潜入(鵜飼・朱美)
-鵜飼と朱美、善通寺家のある猪鹿村へ向かう途中に迷う
-金髪の20代後半の青年(権藤英雄)と黒いダウンジャケットに白いひさしつきの帽子を被った40代前後の男性(善通寺春彦)と顔をあわせる。
-善通寺家到着。咲子が出迎え。ほどなく春彦が散歩から帰るとの連絡が入る。
-春彦と対面。道で出会ったことを確認し金髪の男について聞くが旅行者ではないかとのこと。
-真里子帰宅。鵜飼らは咲子と真里子の話を盗聴。真里子は咲子が不倫していると思っている。
-咲子外出。アップに結い上げた髪、グレーの地味なスーツ。ケリーバッグ。「授業参観日に出かけていく」ような格好。
***p52~ひまわり荘への道のり(流平・さくら)
-合流した流平たちは『井上カメラ商会』で彩子がさくらに頼んだカメラ『ナカタニSV8』を買う。値引きの代わりにさくらが写真のモデルに。店内で純白のシャツを着た美女(和泉咲子)のポートレートを発見。
-盆蔵山、猪鹿神宮駅を経由して奥床高原駅へ。16:15着。
-水樹彩子、赤いドレスにゴージャスなコート。BMWで迎えに来る。
-三人は彩子のセカンドハウスだと言うひまわり荘へ。
-ひまわり荘の目の前にある山小屋で権藤親子ケンカ。流平が仲裁。権藤英雄は街に行くと言って車に乗った。
**【夜の部】
***p79~鶴見通りの死体(刑事たち)
-烏賊川市で積雪。志木刑事、和泉刑事のバイクで鶴見町鶴見通りの殺人現場に急行。
-被害者は30前後の女性。身なりは高級そうなベージュのコートとシックなグレーのスーツに白いヒール。「父兄参観日を思わせる」ファッション。死因はナイフで脇腹を刺されたことによる腹部内出血。ナイフは脇腹に突き立てられたまま。刺されたところ以外の外傷はなし。
-志木刑事と和泉刑事、「井上カメラ商会」で聞き込み。和泉刑事が写真のモデルになることを条件に証言を得る。19:15に被害者らしき人物が扇町通り方面からショーウインドウの前を通り、鶴見通りにいたる路地裏に入っていったとのこと。そのときの被害者の様子は脇腹を押さえてふらふらとしておりショーウインドウに肩をぶつけた。
***p95~善通寺春彦への電話(鵜飼・朱美)
-朱美、夕食の準備。春彦、鵜飼に車を出させ小一時間外出。鵜飼によると水沼という表札のある民家へ入っていって、40分ほどして戻ってきたとのこと。
-夕食後、春彦に謎の電話。春彦は呆然。
***p107~露天風呂の悪党(流平・さくら)
-さくらと彩子のお手製の夕食。その後温泉に行くことに。なぜか渋る彩子。
-流平、温泉にて権藤源次郎とやせた中年男と出会う。中年男曰く、権藤は悪徳リフォーム業者とのこと。権藤の背中と左肩、右腕に傷。長男の一雄は三年前に失踪。最近、権藤の自宅付近で目撃されたとのこと。
-流平たちは飲まないかと言って来る権藤を拒否してひまわり荘へ。
**【深夜の部】
***p119~扇町通りのアクシデント(刑事たち)
-喫茶『眠らない館』で被害者の目撃情報入手。被害者の後に黒いコートにサングラス姿の男を目撃。被害者はピンクのケリーバッグを持参していた
。
-喫茶店を出ると車上荒らしと思しき人間を発見。車上荒らしの男が投擲した金テコで和泉刑事負傷。逃走される。また喫茶店のそばに奥床市ナンバーのベンツを発見。のちに春彦のものだと判明。
***p132~真夜中の穴掘り(鵜飼・朱美)
-積雪のため全面通行止め。一時ごろ春彦がこっそり外出。鵜飼と朱美はそれを尾行。春彦は敷地の外れにある池に置かれた小便小僧をどかせその下を掘り出すが、4,50センチほど掘ると突如錯乱し穴を埋めて屋敷へと駆け戻る。
-午前二時ころ鵜飼らが屋敷に戻ると真里子が春彦がいないと右往左往している。どうやら春彦は書斎を開けっ放しにしたまま外出したようだ。
-書斎では開きっぱなしのデスクの引き出しからいくつかの鍵が見つかる。部屋には前妻?と思しき肖像画が。床には泥の染み。咲子へ電話をかけるが繋がらず。
***p150~『映画監督サイコ』(流平・さくら)
-ひまわり荘で彩子が監督したというビデオを鑑賞する。上映中に謎の物音。
***p159~掘り返された過去(鵜飼・朱美)
-屋敷内を捜索。泥はスコップから落ちたものだと推理。真里子の証言を元に小便小僧の近くを掘り起こすと白骨死体が。尾行してきた真里子とも合流。真里子から咲子について新しい情報。咲子が黒いコートと帽子の男とラブホテルに入っていくのを以前目撃したとのこと。警察を呼ぶ。時間は午前四時。
-善通寺家の名前を出すと、慌てふためいて急行すると約束する砂川警部。
***p175~泥のついた死体(流平・さくら)
-午前四時ころ、さくらが権藤の山荘の窓が割れているのを発見。三人で確認しに行く。
-山荘の中で権藤源次郎の死体を発見。裏手の窓はサッカーボールサイズの穴が。玄関に鍵はかかっていなかった。権藤は額を割られ出血。何かで殴られた模様。傷口には泥が付着していた。警察に通報。
-流平、凶器はスコップと推理。またビデオ上映中の物音を上映時間から逆算し、事件は午前1時51分18秒に起こったと推理。
-英雄に連絡、彼は烏賊川駅前のスナックにおりアリバイが成立。英雄は兄の一雄の犯行ではないかと推測。
**【夜明けの部】
***p190~『見知らぬ乗客』(鵜飼・朱美)
-真里子、昨日の話に補足。水沼さんは春彦の将棋仲間。昨夜、春彦にかかってきた電話の内容について、『やあ、春彦さんだね。僕だ。』『あなたの奥さんを……』『今度はあなたの番ですからね』『それじゃあ』と聞こえたとのこと。相手の名前は安藤とか混同とか『○ンドウ』だったように聞こえたとのこと。
-鵜飼、事件は交換殺人ではないかと推理する。生垣に春彦のマフラー発見。それを追って生垣をくぐるとそこは急斜面に。咲子への電話は繋がらない。すったもんだで鵜飼と朱美は斜面から転落。
***P204~真実にいたる小道(流平・さくら)
-6:50ころ流平は徹夜の疲れから眠りこんでしまう。7:45ころ流平とさくら起床。彩子不在を怪しんだ流平は彩子犯人説を唱える。ビデオに物音の音声を入れることでアリバイを作ったのではないかと推理。ひまわり荘の外には彩子と思われる足跡。それを辿った二人は死体の前に立ち尽くす彩子と出会う。
-死体は脇腹にナイフが刺さっており、雪がナイフの柄にまで降り積もっている。
-斜面から転落した鵜飼と朱美が三人の下に転がり落ちてくる。善通寺邸はひまわり荘の裏にあった。警察も合流。死体は善通寺春彦であった。
**【解決―引き裂かれた夜の果てに】
**【エピローグ】
*三つの錯誤
-『交換殺人には向かない夜』には三つの錯誤、ミスリーディングが仕掛けられている。それゆえ、読者は交換殺人が起こることをあらかじめ予告されていてもそれを正しく推理することができなくなる。
**時間の錯誤
-(鵜飼・朱美)と(流平・さくら)のパートは現在。(刑事たち)のパートだけが3年前の出来事である。
**人物の錯誤
-善通寺咲子=水樹彩子=和泉咲子(和泉刑事)
--もともとは本名和泉咲子。芸名が水樹彩子(本名のアナグラム)。そして善通寺春彦と結婚し、善通寺咲子となった。
-鶴見通りの死体=善通寺幸子(春彦の前妻)
--鶴見通りの殺人は3年前の事件。砂川警部や志木刑事、井上カメラ商会の親父など共通する人物が登場するため被害者=善通寺咲子と錯誤させられる。真相は善通寺咲子と権藤英雄が仕組んだ狂言。咲子は幸子が死んだ当事の格好で外出。車で着替えてさくらと流平を迎えにいった。
**場所の錯誤
-善通寺家のある猪鹿村は烏賊川市と旧奥床市に挟まれており、善通寺家は猪鹿村と旧奥床市の境界近くに位置する。
-奥床市は烏賊川市と合併し、烏賊川市に名前が統一された。
-猪鹿村は合併しなかったため現在も独立。
-流平は善通寺家の場所を「猪鹿村にあるといっても烏賊川市のすぐ近く」と言った。この烏賊川市は旧奥床市のことを指していたが、合併を知らなかったさくらは合併前の烏賊川市の近くに屋敷はあると誤解した。
ネタを完全に割っていますので、未読の方は避けたほうが良いかと思います。
一応、登場人物表と事件の詳細はトリックには言及しておりませんが話の筋は完全に割れてしまってます。
#contents
*登場人物表
-レギュラーメンバー
--鵜飼杜夫…探偵
--戸村流平…その助手
--二宮朱美…探偵事務所のあるビルのオーナー
--砂川警部…警察
--志木刑事…その部下
-十乗寺家にまつわる人々
--十乗寺(十条寺)さくら…十乗寺家の令嬢、既刊『密室に向かって撃て』に登場。以前の記述は十条寺
--水樹彩子…さくらが姉と慕う人物。女優。伝説の作品『映画監督サイコ』の監督でもある。
-権藤家
--権藤源次郎…悪徳リフォーム業者の社長
--権藤一雄…源次郎の長男。三年前から失踪中。
--権藤英雄…源次郎の次男。
-善通寺家
--善通寺春彦…善通寺喜彦画伯の息子。彼の遺産を全て相続した。画家としての評価は低い。
--善通寺咲子…その妻。鵜飼の元に依頼にくる。
--遠山真里子…春彦の遠縁にあたる女子大生。就職活動のため善通寺家でお世話になっている。
-その他
--和泉刑事…砂川警部の部下。
*事件の詳細(記述順に)
**プロローグ
-何者かがパチンコ屋で交換殺人の話を切り出す。
**【発端の部】
***p7~鵜飼杜夫探偵事務所(鵜飼・朱美)
-鵜飼の事務所に咲子が夫の浮気調査の依頼にやってくる。
***p12~十乗寺さくら再び(流平・さくら)
-さくらから流平に電話。買い物に付き合うことを約束する。
-鵜飼から流平の善通寺家への潜入調査同行がキャンセル。
**【昼の部】
***p20~善通寺家への潜入(鵜飼・朱美)
-鵜飼と朱美、善通寺家のある猪鹿村へ向かう途中に迷う
-金髪の20代後半の青年(権藤英雄)と黒いダウンジャケットに白いひさしつきの帽子を被った40代前後の男性(善通寺春彦)と顔をあわせる。
-善通寺家到着。咲子が出迎え。ほどなく春彦が散歩から帰るとの連絡が入る。
-春彦と対面。道で出会ったことを確認し金髪の男について聞くが旅行者ではないかとのこと。
-真里子帰宅。鵜飼らは咲子と真里子の話を盗聴。真里子は咲子が不倫していると思っている。
-咲子外出。アップに結い上げた髪、グレーの地味なスーツ。ケリーバッグ。「授業参観日に出かけていく」ような格好。
***p52~ひまわり荘への道のり(流平・さくら)
-合流した流平たちは『井上カメラ商会』で彩子がさくらに頼んだカメラ『ナカタニSV8』を買う。値引きの代わりにさくらが写真のモデルに。店内で純白のシャツを着た美女(和泉咲子)のポートレートを発見。
-盆蔵山、猪鹿神宮駅を経由して奥床高原駅へ。16:15着。
-水樹彩子、赤いドレスにゴージャスなコート。BMWで迎えに来る。
-三人は彩子のセカンドハウスだと言うひまわり荘へ。
-ひまわり荘の目の前にある山小屋で権藤親子ケンカ。流平が仲裁。権藤英雄は街に行くと言って車に乗った。
**【夜の部】
***p79~鶴見通りの死体(刑事たち)
-烏賊川市で積雪。志木刑事、和泉刑事のバイクで鶴見町鶴見通りの殺人現場に急行。
-被害者は30前後の女性。身なりは高級そうなベージュのコートとシックなグレーのスーツに白いヒール。「父兄参観日を思わせる」ファッション。死因はナイフで脇腹を刺されたことによる腹部内出血。ナイフは脇腹に突き立てられたまま。刺されたところ以外の外傷はなし。
-志木刑事と和泉刑事、「井上カメラ商会」で聞き込み。和泉刑事が写真のモデルになることを条件に証言を得る。19:15に被害者らしき人物が扇町通り方面からショーウインドウの前を通り、鶴見通りにいたる路地裏に入っていったとのこと。そのときの被害者の様子は脇腹を押さえてふらふらとしておりショーウインドウに肩をぶつけた。
***p95~善通寺春彦への電話(鵜飼・朱美)
-朱美、夕食の準備。春彦、鵜飼に車を出させ小一時間外出。鵜飼によると水沼という表札のある民家へ入っていって、40分ほどして戻ってきたとのこと。
-夕食後、春彦に謎の電話。春彦は呆然。
***p107~露天風呂の悪党(流平・さくら)
-さくらと彩子のお手製の夕食。その後温泉に行くことに。なぜか渋る彩子。
-流平、温泉にて権藤源次郎とやせた中年男と出会う。中年男曰く、権藤は悪徳リフォーム業者とのこと。権藤の背中と左肩、右腕に傷。長男の一雄は三年前に失踪。最近、権藤の自宅付近で目撃されたとのこと。
-流平たちは飲まないかと言って来る権藤を拒否してひまわり荘へ。
**【深夜の部】
***p119~扇町通りのアクシデント(刑事たち)
-喫茶『眠らない館』で被害者の目撃情報入手。被害者の後に黒いコートにサングラス姿の男を目撃。被害者はピンクのケリーバッグを持参していた
。
-喫茶店を出ると車上荒らしと思しき人間を発見。車上荒らしの男が投擲した金テコで和泉刑事負傷。逃走される。また喫茶店のそばに奥床市ナンバーのベンツを発見。のちに春彦のものだと判明。
***p132~真夜中の穴掘り(鵜飼・朱美)
-積雪のため全面通行止め。一時ごろ春彦がこっそり外出。鵜飼と朱美はそれを尾行。春彦は敷地の外れにある池に置かれた小便小僧をどかせその下を掘り出すが、4,50センチほど掘ると突如錯乱し穴を埋めて屋敷へと駆け戻る。
-午前二時ころ鵜飼らが屋敷に戻ると真里子が春彦がいないと右往左往している。どうやら春彦は書斎を開けっ放しにしたまま外出したようだ。
-書斎では開きっぱなしのデスクの引き出しからいくつかの鍵が見つかる。部屋には前妻?と思しき肖像画が。床には泥の染み。咲子へ電話をかけるが繋がらず。
***p150~『映画監督サイコ』(流平・さくら)
-ひまわり荘で彩子が監督したというビデオを鑑賞する。上映中に謎の物音。
***p159~掘り返された過去(鵜飼・朱美)
-屋敷内を捜索。泥はスコップから落ちたものだと推理。真里子の証言を元に小便小僧の近くを掘り起こすと白骨死体が。尾行してきた真里子とも合流。真里子から咲子について新しい情報。咲子が黒いコートと帽子の男とラブホテルに入っていくのを以前目撃したとのこと。警察を呼ぶ。時間は午前四時。
-善通寺家の名前を出すと、慌てふためいて急行すると約束する砂川警部。
***p175~泥のついた死体(流平・さくら)
-午前四時ころ、さくらが権藤の山荘の窓が割れているのを発見。三人で確認しに行く。
-山荘の中で権藤源次郎の死体を発見。裏手の窓はサッカーボールサイズの穴が。玄関に鍵はかかっていなかった。権藤は額を割られ出血。何かで殴られた模様。傷口には泥が付着していた。警察に通報。
-流平、凶器はスコップと推理。またビデオ上映中の物音を上映時間から逆算し、事件は午前1時51分18秒に起こったと推理。
-英雄に連絡、彼は烏賊川駅前のスナックにおりアリバイが成立。英雄は兄の一雄の犯行ではないかと推測。
**【夜明けの部】
***p190~『見知らぬ乗客』(鵜飼・朱美)
-真里子、昨日の話に補足。水沼さんは春彦の将棋仲間。昨夜、春彦にかかってきた電話の内容について、『やあ、春彦さんだね。僕だ。』『あなたの奥さんを……』『今度はあなたの番ですからね』『それじゃあ』と聞こえたとのこと。相手の名前は安藤とか混同とか『○ンドウ』だったように聞こえたとのこと。
-鵜飼、事件は交換殺人ではないかと推理する。生垣に春彦のマフラー発見。それを追って生垣をくぐるとそこは急斜面に。咲子への電話は繋がらない。すったもんだで鵜飼と朱美は斜面から転落。
***P204~真実にいたる小道(流平・さくら)
-6:50ころ流平は徹夜の疲れから眠りこんでしまう。7:45ころ流平とさくら起床。彩子不在を怪しんだ流平は彩子犯人説を唱える。ビデオに物音の音声を入れることでアリバイを作ったのではないかと推理。ひまわり荘の外には彩子と思われる足跡。それを辿った二人は死体の前に立ち尽くす彩子と出会う。
-死体は脇腹にナイフが刺さっており、雪がナイフの柄にまで降り積もっている。
-斜面から転落した鵜飼と朱美が三人の下に転がり落ちてくる。善通寺邸はひまわり荘の裏にあった。警察も合流。死体は善通寺春彦であった。
**【解決―引き裂かれた夜の果てに】
**【エピローグ】
*三つの錯誤(完全ネタバレ)
-『交換殺人には向かない夜』には三つの錯誤、ミスリーディングが仕掛けられている。それゆえ、読者は交換殺人が起こることをあらかじめ予告されていてもそれを正しく推理することができなくなる。
**時間の錯誤
-(鵜飼・朱美)と(流平・さくら)のパートは現在。(刑事たち)のパートだけが3年前の出来事である。
**人物の錯誤
-善通寺咲子=水樹彩子=和泉咲子(和泉刑事)
--もともとは本名和泉咲子。芸名が水樹彩子(本名のアナグラム)。そして善通寺春彦と結婚し、善通寺咲子となった。
-鶴見通りの死体=善通寺幸子(春彦の前妻)
--鶴見通りの殺人は3年前の事件。砂川警部や志木刑事、井上カメラ商会の親父など共通する人物が登場するため被害者=善通寺咲子と錯誤させられる。真相は善通寺咲子と権藤英雄が仕組んだ狂言。咲子は幸子が死んだ当事の格好で外出。車で着替えてさくらと流平を迎えにいった。
**場所の錯誤
-善通寺家のある猪鹿村は烏賊川市と旧奥床市に挟まれており、善通寺家は猪鹿村と旧奥床市の境界近くに位置する。
-奥床市は烏賊川市と合併し、烏賊川市に名前が統一された。
-猪鹿村は合併しなかったため現在も独立。
-流平とさくらは烏賊川市から盆蔵山・猪鹿神宮駅を経て奥床高原駅で列車を下り、彩子の車で盆蔵山に少し戻ってひまわり荘についた。
-流平は善通寺家の場所を「猪鹿村にあるといっても烏賊川市のすぐ近く」と言った。この烏賊川市は旧奥床市のことを指していたが、合併を知らなかったさくらは合併前の烏賊川市の近くに屋敷はあると誤解した。