最終二部作1 孤高のスタンドプレイヤー


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「フォーグラーの墜落で廃墟と化したD-7。今この地で、一人のマーダーと四人の対主催がぶつかり合おうとしていた。
マーダーの名は【漫画ロワの黒い魔王】熱血王子!
対するは【テッカマンデモン】速筆魔王LX!
【仮面ライダーSRX】影の繋ぎ師!
【こなカード】地球破壊爆弾No.V-7!
そして【愛と正義の巫女服美少女戦士】クールなロリ…」

スパコーン!

「ナレーションごっこなんかやってる場合か!」

ロリスキーが地球破壊爆弾の頭を叩く小気味いい音が、辺りに響く。
そう、冒頭の文章はすべて爆弾の独り言である。

「いや、現在の状況をわかりやすく整理しておこうと思ってだね…。」
「そんなことしてる余裕ないでしょ!魔王さんたち、もう戦ってるのよ?」

ロリスキーが言うとおり、二人が夫婦漫才を繰り広げている間に、残り二人は熱血王子との戦いを開始していた。

「今宵の斬鉄剣はひと味違うよ!」

テッカマン風のバリアジャケットに身を包んだ魔王が、斬鉄剣を熱血王子に振り下ろす。
だが、熱血王子はそれを白刃取りで受け止める。そして魔王の腹めがけ、膝蹴り。
魔王は斬鉄剣から手を離し、紙一重でそれを回避。
魔王が間合いを取ったところで、今度は繋ぎ師がサタンサーベルで切り込む。
だがその一撃も、熱血王子の跳躍に回避された。

「やあっ!」

そのまま回し蹴りを放つ熱血王子。繋ぎ師はそれをしっかりガードし、いったん後方に下がる。

「なかなか手強いですね…。」
「武器さえ奪っちゃえば、どうにでもなると思ってたんだけどねえ…。」

肩を並べ、短く言葉を交わす二人。彼らに向かって、奪った斬鉄剣を構えた王子が突撃する。

「あちょー!」

しかし横合いから、爆弾が頭突きをかます。
攻撃は見事に決まり、熱血王子はダウン。
彼が取り落とした斬鉄剣を、ロリスキーが素早く拾って魔王に投げ渡す。

「やあ、待たせたね、二人とも。」
「何やってたんですか、地図氏…。」
「いやー、ちょっとクーちゃんと愛の営みをね。」
「誤解を招くような言い方するな!って言うか、後ろー!」
「ほえ? うにゃん!」

爆弾が振り向くより早く、熱血王子の蹴りが彼女に命中。小さな体が宙を舞う。

「ちょ、ちぃちゃん、大丈夫!?」
「何とか…ねー!」

空中でうまく体勢を整えて着地した爆弾だが、息つく間もなく熱血王子のラッシュが彼女を襲う。
次々と襲い来る拳の雨を、かわす、かわす、かわす。

(くっ、だんだんスピードが上がって…。うあっ!)
「ちぃちゃん!」

ついに回避し損ねた右のボディーブローが、爆弾を捉える。
動きを止めた爆弾の首に、王子は両手をかけた。
首を絞めるなどと生ぬるい行為ではない。一気に首の骨を折りにいくつもりだ。

「離しなさい!」

しかし恋人に手荒い真似をされ、怒り心頭のロリスキーがドロップキックを王子に食らわせる。
元は単なるかがみとはいえ、今やダブルアーカードの血を摂取して一人前の吸血姫となった彼女。
その身体能力も、侮ることのできないレベルに達している。
攻撃をまともにくらい、王子の手に込められた力が緩む。
その隙を見逃さず、爆弾は王子の腹に膝蹴り。その反動を利用して、王子の手から逃れる。

「二人とも離れて!」

爆弾が解放されたのを確認して、魔王が叫ぶ。その肩口は、まばゆい光を放っていた。
何らかの強力な攻撃が来ると判断した爆弾とロリスキーは、急いで退避。
王子も逃れようとするが、爆弾が置きみやげとして喰らわせていった脚払いでバランスを崩してしまう。

「いくよ!本邦初公開…ZEROボルテッカァァァァァ!」

放たれるのは、絶大な量の光の奔流。彼が自らの分身から受け継いだ魔力を破壊光線として放つ、シンプルにして破壊力抜群の必殺技だ。
熱血王子の姿は、その光の中に飲み込まれる。普通なら、跡形もなく消滅しているところだ。
しかしこの場において、「普通」などという言葉はキ○ヤシの結論並みに当てにならない。

「があああああああ!!」

光の中から、野獣の如き咆吼と共に王子が飛び出す。
いかに王子とはいえ、ZEROボルテッカをまともにくらっていたら死は免れなかっただろう。
ならば、なぜ彼は生き残ったのか。その鍵を握るのは彼の手に残された数少ない支給品の一つ、「パロロワ衣服詰め合わせ」である。
ファンタジー系の作品には、魔法に抵抗力を持った衣服というものが出てくることが多い。
熱血王子はそういった服をとっさに自分の前にばらまき、ZEROボルテッカからの盾にしたのだ。
尤もそれらの服とウルトラマントを犠牲にしてもなお、彼が受けたダメージは小さくなかったが。

「うぐっ!」

たとえ王子が生きていてもまっすぐこちらに突っ込んでくるとは思っていなかった魔王は、まともに彼の体当たりを受けて吹っ飛ぶ。

「貴様ぁ!」

とっさにパンチを繰り出す繋ぎ師。しかし王子もほぼ同時に拳を突き出し、クロスカウンターの形でお互いの拳が顔面にめり込む。

「うがああ!!」

怯むことなく、さらに蹴りを放つ王子。なおも攻撃を続けようとするが、その首に背後から飛んできた鎖がからみつく。爆弾が投影した鎖鎌だ。
背後に引っ張られ、動きを止める王子。そこへ、ロリスキーが追撃をかける。

「クロスファイアハリケーンスペシャルかわせるかーっ!!」

アンクをかたどった無数の炎の塊が、ウルトラマントという守りを失った王子に襲いかかる。

「うぎゃああああ!!」

絶叫、そして肉を焼く匂いが周囲に立ちこめる。だが、それでも王子は止まらない。
鎖を力任せに引きちぎると、目の前の繋ぎ師に頭突き。
彼がよろけたところで、ロリスキーに向かって走り始める。

「させないよ!」

だがその前に魔王が立ちふさがり、斬鉄剣を一閃。王子の胸に、横一文字の傷が刻まれる。
しかし、その痛みも王子を止めるには至らない。
タックルで強引に魔王を倒すと、自分は素早く立ち上がり再びロリスキーに向かっていく。

「いいかげんにしなさいっ!」

真正面からの突進を、衝撃波で迎撃するロリスキー。それをジャンプでかわす王子だが、空中では既にその動きを読んだ爆弾が待ちかまえていた。

「つっかまえたー☆」

王子を捕縛した爆弾は、プロレス技のパイルドライバーの体勢で落下。
王子の頭を、思い切り地面に叩きつける。
彼の頭頂部から血が噴き出し、黒く染まった髪をさらに赤く染める。
だがそれでもなお、王子は沈黙せず。爆弾の腕をふりほどき、立ち上がる。
そして、爆弾の心臓を狙って貫手。とっさにかわした爆弾だが、脇腹が切り裂かれる。

「ああもう、なんなのよあの人は!なんであんな体でまともに動けるわけ?」

ロリスキーが、ヒステリックに叫ぶ。彼女が叫びたくなるのももっともな話である。
体を焼かれ、斬られ、砕かれ、それでも熱血王子は動き続けている。
むしろ、その動きはキレを増しているぐらいである。

「精神が肉体を凌駕してる…ってやつかな。」

静かに呟くのは、速筆魔王LX。

「生半可なダメージを与えても、彼は止まらない。
戦うという意識は捨てよう。ここからは、殺すという意識でいく!」

斬鉄剣を構え、魔王は突進する。繰り出す攻撃は、斬撃ではなく刺突。
狙いは心臓や頭など、一撃で命を奪える箇所に絞る。
だが、それは狙った箇所を捉えることはない。
それどころか、カウンターを決められ逆に魔王が地に伏す。

「くそっ、エレキハンド!」

追撃を加えようとする王子だったが、そこに繋ぎ師の放った電撃が襲いかかる。
一撃目は回避に成功。だが続いて放たれた二撃目が、王子に命中する。

「がはぁっ!」

3億ボルトの電流をその体に受け、熱血王子は崩れ落ちた。


朦朧とする意識の中で、熱血王子は考える。
自分はなぜ戦っているのかと。
もはや、その理由さえ思い出せない。だが、戦えば救われるということだけは覚えている。
救われたい。だから、全身至る所を襲う痛みをねじ伏せて立ち上がる。
戦え。戦え。戦え。そして、殺せ!

ゆっくりと、熱血王子は体を起こす。全身にむごたらしいまでの怪我を負いながらも立ち上がるその姿は、まるで生ける屍のごとしである。
彼の前に立ちはだかるのは、一足先に立ち上がっていた魔王。
魔王はためらいなく、首筋めがけて刀を振るう。
だが、やはりその一撃も目標を捉えられず。左のツインテールを切り落としただけに終わった。

「君は!なぜ!まだ戦う!なぜ!立ち上がる!まだ勝てると!優勝できると!思っているのか!
あり得ない!たとえこの場を切り抜けたとしても!すでに君は!瀕死の重傷を負っている!
そんな体で!残りの対主催を全滅させられると!本気で思っているのか!」

斬撃の嵐を浴びせながら、魔王は叫ぶ。今の王子を支えている、心を折りにいく作戦だ。
だが、すでに戦うことしか考えられぬ狂戦士と化している王子には、そもそも魔王の声が届いていない。
王子の脳内に渦巻くのは、ただ目の前の相手を倒し、殺すという思いのみ。
それを達成するために、王子は半死半生の体を動かす。
常人には目視することも不可能と思えるスピードで襲い来る刃を避け、なおかつ反撃の手刀を放つ。
だが、それも有効打には至らず。戦いは膠着状態に陥っていた。
それを打ち破ったのは、繋ぎ師の声だった。

「魔王さん、よけてください!!」

魔王が振り向くと、そこには横一列に並んだ繋ぎ師、爆弾、ロリスキーの姿。
なお、爆弾は長門の姿に変身している。

「もう終わりにしよう、熱血王子…。いくらお前が多くの人を殺めた悪人でも、そんなボロボロになってまで戦い続ける姿は見たくない。」

繋ぎ師のベルトが、淡い光を放ち始める。

「ダブルキングストーンフラッシュ!」

自らが使える中でも、最上級の大技を放つ繋ぎ師。それに合わせて、爆弾長門が情報改変で作り出した無数の槍と、ロリスキーの衝撃波が一斉に王子を襲う。

「なるほどね…。じゃあ、こいつはおまけだ!ZEROボルテッカァァァァァァ!!」

上空に逃れた魔王は、追い打ちとばかりに二回目のZEROボルテッカを発射する。
前方を埋め尽くす、破壊の嵐。もはや王子に、回避する手段はない。

「くうっ!」

苦肉の策として、王子が取り出したのは凛の宝石。カートリッジに変えられていたそれの魔力を直接解放し、前方の攻撃にぶつけることで威力を相殺する。
だが、その程度で受け止められるような攻撃ではない。

「GUAAAAAAAAAAAA!!」

耳をつんざく悲鳴が、周囲に響き渡った。


「さ…さすがに今度は倒せたわよね…?」
「わからない、死亡を確認するまで油断は禁物。」

うんざりしたような表情で呟くロリスキーに対し、爆弾長門は冷静に言う。

「どうやら…死亡確認とはいかないみたいだね…。」

そう呟いたのは、三人のそばに降り立った魔王。彼の視線の先には、未だ両の足で地面に立つ王子の姿があった。

「嘘でしょ…。なんであれで立っていられるのよ…。」
「確かにあれだけの攻撃を受けて、立っていられるのは奇跡的。でも、逆に言えば立っているだけ。」
「え? どういうこと…?」

爆弾長門の発言の真意がわからず、ロリスキーは首をかしげる。

「そのままの意味。今の彼は、生命活動を停止する寸前。これ以上の攻撃をしかけなくても、おそらくあと数分で死に至る。」
「そう…なんだ…。」
「だが…それでも、俺はあの男にきっちりとした止めを刺してやりたい。」

そういって一歩前に出たのは、影の繋ぎ師。

「繋ぎ師くん、一体何を…。」
「魔王さん…。彼は…熱血王子は、元々熱い魂の持ち主だったはずなんです。
何度も戦ってきた俺にはわかります。ただ、このロワという環境でゆがんでしまっただけなんです。
だから…せめて彼にはその熱き魂にふさわしき最期を…!」

繋ぎ師は走り出す。その先にいるのは、もちろん熱血王子だ。

(来る…!)

熱血王子は、肌で感じ取る。何よりも熱きヒーローの心を持った男が、自分に向かってくるのを。
死を前にして、もはや他の書き手への恨みも、愛媛や666への忠誠心もない。
ただ、抑圧されていた熱血魂だけが彼を支配していく。
熱き血潮が、体中を駆けめぐる。もはや動かないはずの体に、ほんの少しだけ生気が戻っていく。

「これが俺の…全力全開だぁぁぁぁぁぁ!」

自らの血をまき散らしながら、熱血王子は跳躍する。それに合わせて、繋ぎ師も地を蹴る。
奇しくも最後は、蹴り対蹴り。

「レオ…キィィィィィック!!」
「RX…キィィィィィック!!」


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275:対面 時系列順に読む 276:最終二部作2 日々の未来
274:混沌体験~感電はクールな能力がほしい~ 地球破壊爆弾No.V-7 276:最終二部作2 日々の未来
274:混沌体験~感電はクールな能力がほしい~ クールなロリスキー 276:最終二部作2 日々の未来
274:混沌体験~感電はクールな能力がほしい~ 速筆魔王LX 276:最終二部作2 日々の未来
274:混沌体験~感電はクールな能力がほしい~ 影の繋ぎ師 276:最終二部作2 日々の未来
274:混沌体験~感電はクールな能力がほしい~ 熱血王子 276:最終二部作2 日々の未来
247:熱血対熱血~仮面ライダーSPIRITS~ 蘇った現代の熱血怪人 276:最終二部作2 日々の未来
254:なのDeath☆(後編) 管理人・したらば孔明 276:最終二部作2 日々の未来
255:それぞれの愛ゆえに 孤高の黒き書き手 276:最終二部作2 日々の未来
261:最後の空気王 漆黒の龍 276:最終二部作2 日々の未来
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