カウントダウンツ・ヘブン


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「……以上の証明より、残存不明支給品の中に対象Aが入っている可能性は無く、
 従って対象Aはこのコンテナの中に存在する。証明終了」
薄暗い倉庫の中で響くぶつぶつとした呟きが止んだ。
倉庫の中に一人立った七氏が一息ついた後、まだ確認していない最後の箱を開くと
そこには、光り輝く白い宝石があった。炭素のみで構成される、現実世界で限りなく強い結晶構造。
「対象A、即ちダイヤモンドは僕の手中に、と。もっと早くこうしていればよかったな」
宝石アクセサリ・ダイヤモンドを手の中で転がしながら七氏は溜息をついた。
もちろん虚弱で名の知れたキールになりきっている彼が、一々正直に全部を探してダイヤを発見した訳が無い。
その特殊能力「闇にささやく言葉責め」によって『ダイヤがここにある』という後付け設定をキバヤシ理論から作り上げたのだ。
マーダーをでっちあげるよりは楽に済む証明を終えた七氏の耳に、電話のベルが鳴る。
七氏は電話の受話器を掴む振りをして、架空の電話を受け取る。
「首尾はどうだ、七氏」
「目的のものは見つかった。これでとりあえずの懸念は無くなったな。それで何があった。ナナシ」
電話の向こうの男、ナナシの言葉に七氏は朗報を返す。
七氏との間に電話線を繋いだナナシは淡々と七氏が籠っていた間のロワの推移を語った。
「地獄紳士が、負けた?」
「ああ、詳細は不明だが何やらコロンビーヌの逆鱗に触れて返り討ちにあったらしい」
様々な参加者の状況を聞いていた中で、七氏はそこで初めて驚きの反応を見せた。
更なる情報を聞きたかったが、それを口に出すことはしない。
音声もないカメラからでは期待するほどものもは得られなかっただろう。
携帯電話でwikiを見ることができる参加者のほうがよっぽど情報に優越なのだから。
「……となると、クラールヴィントを破壊または奪われたな。そうでなければコロンビーヌを見逃すはずがない」
七氏は顎に手を当てて思考する。そこに握られたダイヤを思い出してにやりと笑った。
「ナナシ、1つ面白いことを思いついた」
「ロクな事じゃないだろう。滅びに手を貸すつもりか?」
「どうせ僕らが持っていても宝の持ち腐れだ。なら、いっそ面白くなる方に賭けてみようじゃないか」
「確かに、その方が俺たちらしいか」
「決まりだな。僕達が直接行くわけにも行かないから、またプー太氏に……」
そこまで話が進んだところで、ザザザと会話にノイズが入った。
これは唯の電話ではない。ナナシの繋ぎ能力そのものなのだから、二人の驚きはひとしおではなかった。

「その話、一枚噛ませて貰えないでしょうか?」
「……wiki管理人。盗み聞きとは感心しないな」

ナナシの能力に干渉して繋ぎをジャックしたwiki管理人が受話器の向こうで、にやりと笑った気がした。



「は、はっ、ハッ」
息も荒げに胸を掴み苦悶の表情を浮かべるのは夜の闇に浮かぶ黒い天使。
地獄紳士666はまだ生き残ったビルに背を預けて魔力を整えていた。
しかしその乱れは一向にして安定を見せない。
不死者とはいえ、燃料気化爆破を至近距離で受けたダメージは半端ではない。
そしてそれを回復しようにもデバイスが闇の書しかなく、
「ぐ、あああああっ!!!」
更なる回復魔法をかけて傷を癒す666だが、唯でさえ不安定なディスレブと闇の書の制御が乱れてしまう。
「……グラールヴィントが無くなったことがここまで後を曳くとはね。
 これでは、仕掛けた罠が無意味になってしまう。
 せめて、代用のデバイスがあればいいんだが……せんなきことか。早く傷を治さないと……」
そこに、かつんと音が鳴った。静寂の帳を破るそれの方に地獄紳士は目を向けて舌打ちする。
一対一で負けるつもりはないが、魔力を使えばそれだけ浸食が進む。
已む無しと、666はその小さな手にアーミーナイフを握らせた。
カツカツカツ。路地の角より影が伸びその長さが頂点に立った時、それは姿を現した。

「まさか、君が来るとはね……これは流石に読めなかった」

666が力無く嗤う。月光の陰に隠れたその女の顔もまた、読めなかった。



「うあーーー!!!! 妹☆者ーーーー!!!!」
ぎゃああああ!!
眼帯付けた白髪の幼女が二刀流とナイフとゆかなボイスでもって降り立つイメージの人が襲ってくるううう!!!
「なんで逃げるのさ! そんなんじゃ悲しくて妹者のことを思うと胸が(ry」
知らない! つーかあんたみたいなピーな兄なんていない!!
「それでは幾らなんでも彼に可哀そうだろう?」
うわあああああ!!! 右斜め上45前方からブルマ履いたロリアーカードが来るぅぅぅぅ!!!
お前もう本編で死んだじゃん! 009な少佐と一緒に大人しく量子力学の井戸の底にでも沈んでろよ!!
「ほう? それはいささか可笑しくはないか、蟹座氏よ。アーカードの滅びはともかく少佐の話はつい最近だ。
 このロワが始まってから更新された情報を知りえるのならば、彼のことも知らぬはずがないのだが」
へ!? あ、え、そういえば……ボク……いや、私……あ、アニ……アニロワ?
「ずごーーーーー!!!! ベタ過ぎて逆に転んじゃったさ! でもかわいいから許す!!
 その調子で思い出してごはっ!!」
「少し黙ってろヒューマン。いいか蟹座氏、貴様の能力「蟹座じゃないもん」は唯のスキルハンターではない。
 その本質は、蟹と、蟹でないものの境界を超える力。故に条件さえ整えばこうして死者スレの壁を超えることすら出来る。
 その気になれば世界すら蟹の名の下に越えることすらできるのだ。
 だが、その使い過ぎでなりきりと自分の境界を見失いかけた今の貴様の状態では「妹者ーー!!」黙ってろ!!」
違う! 僕は蟹じゃない、蟹じゃないもん!! お前らなんて知らないし、あんなパソコン親父もDer変態兄もいない!!
「いかん、そっちには行くな!! 蟹を認めない今のままでは、その力が」
「あーうー!! だ、駄目だ妹者ー! まだこっちでパヤパヤするんだーー!!」
知るか知るか知るか!! 僕はおかしくなんてないんだから、こんなイカれた世界にいたら僕までおかしくなっちゃう。
早く、早くこのヒラコー空間から抜け出してーーー!!!!

長い回廊の向こうで、息を切らす彼女の前でゆっくりと扉が開いた。
星の無い無天の空の下、真実の象の前に。



ごぷ、と嫌な液体が彼女の口から洩れた。
どさりと灰塵が巻き上がる中、コロンビーヌはたまらず真正面の相手を睨む。
「まさか、ここまで馬鹿だったなんて、ねん……読み違えたかしら、まったく」
「まさかここまで壺に嵌ってくれるとはね。蟹座氏を染め上げれば、きっと君が浄解に残ると思っていたよコロンビーヌ」
光無き空に浮かび、辛うじて生き延びた電燈の光が輪郭を移す。黒い羽根の天使666はコロンビーヌを物理的に見下して笑った。
「僕の計画がネコミミストに伝われば全てが失せてしまうんだ。
 君がその子を大事にするように、私もそれだけは譲れない。悪いが、今回ばかりは油断も慢心も出し惜しもう」
コロンビーヌがさっと手を払うと、ゾハナ蟲が武器の形を取って666目がけて投擲される。
「アクセルシューター、射撃開始」
<Accel Shooter>
しかし666の背後より門が開き、その中より美しい宝玉が現れた刹那その全てが爆散する。
煙の中より浮かび上がる杖の形をしたその宝玉の名はレイジングハート・エクセリオン。
バビロンの財宝が一つである。
「そうバラす気がない、っていっても、もう遅いのかしらんっ!!」
今度は虫の群れとして突撃させるが、朽ちかけた身体では指示が鈍い。
「まあ、信じる理由もないからね。邪恋『実りやすいマスタースパーク』」
再び門が波濤を起こし、出現するのは小さな八卦陣、ミニ八卦炉。
ヒヒイロカネで出来たその魔導器より巨大な光線と星々が宇宙怪獣へのバスタービームのように蟲を蒸発させていく。
コロンビーヌはその爆風にすら耐えきれぬほど消耗しており、たまらずよろけてしまうが精神力だけでそれを断った。
「邪恋って、それって皮肉かしらん!?」
(おかしいわん。私も大概だけど、666ちゃんのダメージは半端じゃなかった。
 私を狙うにしても、おじ様の娘が起きた後だと読んでたんだけど、ねん)
その答えを得る間もないと判断した彼女は、懐よりヴァッシュの銃を取り出しAアームへと腕を変化させる。
一撃で気絶にまで持ち込まなければ、勝ち目も薄い。体力心許なしとはいえ、そう判断せざるを得なかった故である。
だが、既にそれは666のシナリオに組み込まれていた。
「――――――その腕、貰い受ける」
バビロンより出現する一筋の影。
音速を超えた投擲速度にて、エンジェルアームの銃口に突き立てられたそれは呪いの魔槍・ゲイボルグ。
真の名を唱えてないので効力は薄いが、因果逆転の呪いによってAアーム暴発の可能性すら封じ込める。
レイジングハート・エクセリオン、ミニ八卦炉、ゲイボルグ。
そしてその全てを吐き出した彼女の宝物庫は、鍵剣ともども全てが黒一色に輝いていた。


自身は人形と言わんばかりに痛みを無視して、ゲイボルグを抜いて手に収めようとするコロンビーヌ。
射撃系の二つは無理だが、射出された槍だけは回収が必要なはず。一つでも戦力を削らなければならない。
だが、それすらも許さないとばかりに、ゲイボルグの周囲の空間が歪み、槍ごと掻き消える。
「!?」
666が無言で手を翳すと、その場の空間が再び歪み、その手に槍が落ちてくる。
「空間転移? でも、グラールヴィントは私が」
「その通りだ、コロンビーヌ。クラールヴィントではないから安心し給え」
そう言う666の笑みが、余りにも邪悪すぎて彼女は反射的に腹を庇うように手を交差させた。
「安心し給えと言っただろう? もう君の子供に手を出すようなことはしないよ。
 その愛に恐れ入ったのさ。僕程度ではその絆は到底断てないようだ」
「だったら?」
「そこを曲げて、願いたい。私に力を貸してくれはしないか?
 私の愛が君のいうものでないとするならば、それが愛になる刹那を見届けるのも君の義務のはずだ」
ゲートオブバビロンが再び戦慄き、再びレイジングハートと八卦炉が出現する。
「嫌ね。北風と太陽って童謡しらないのかしら? 完全に手を誤ったことすら気づいていない貴方に、愛も何もないわ」
「どうやら、極光ではお気に召さないと。ならば仕方ない――――」

そこまで666が口にしたとき、世界が裏返ったかのような冷気が辺りを包んだ。
無表情から表情を消したかのような顔を浮かべた666が、絶対零度にも届きそうな呼気で言う。

「安心し給え。『母子共々、芥すら残さずこの世界から消滅させてあげよう』」

左手に八卦炉を、右手にレイジングハートを握る666の前に、ヒラヒラと紙が落ちてくる。
「最後の最後まで取っておいた、GOBの闇化……味わうのは、君が初だ。
 『完全に使いこなした財宝の力』特と味わうがいい」
赤く、白く、そして黒く三色が輝く。その符に刻まれたるは死刑を告げる技の名前。
コピーではない、彼女専用の技巧弾幕。

「上手くグレイズしたまえ。運が良ければ、子供は生き残るかもしれないぞ?
 ―――――――――――――――――――――――――禁忌『エクストラバージン』」


その時、一瞬だけ世界は夜から昼になった。
コロンビーヌは即座にゾハナ蟲を展開して後ろに退こうとするが、悪寒に遮られて足を止める。
直後、蟲の膜を突き破って一閃、マスタースパークとアルテマが逃げようとした位置を蒸発させる。
遠距離に逃げようとした蠅を狙う、悪意の力。
そうこうしている間も、ガリガリガリとゾハナ蟲達が相次いで爆破していく。
中距離に並みいる全てのゴミを削り殺すのは無数のアクセルシューター。
たった数秒の間に、彼女の周りすべては、美しき弾幕の地獄と化した。
「っつう……色々と間違っているとは思わないの!?」
「何がだい? ほら、あと60」
弾幕の奥、見えぬ相手とと会話するのはなんとももどかしかった。
武器を取り出そうにも、使い慣れたものは盾となって削り消え、使い慣れてないものはどうしようもない。
「この期に及んで私を狙うこと自体が間違っているっていってるの!
 時間がないって解ってるんでしょ? なりきりシステムの外にいるあなたはいってみれば不安定元素なのよ。
 常に何か安定ななりきりへと変化しようとする力を受けている。それだけでもかなりの負荷なのよ?!
 唯でさえ不安定なのにそのうえ闇の書にディスレヴ? 飽和も飽和よ、暴走までカウントダウンしてるわ!!」
「そんなことか。私はこうして自我を保っているのだから何も問題あるまい? あと45」
無数の弾幕の、幽かな隙間を縫って、コロンビーヌは命を永らえていた。
だが、そこには恐れではなく、むしろ怒りに似たものが渦巻いていた。
「そう思ってるだけ! だったらなんで直ぐにでもネコミミストに会いに行かないのよ!!
 貴方の意志は既にどこかで捻じ曲げられて、ただの便利な掃除屋に成り下がっている!!」
「――――――黙れ!! 残り30、発狂の時間だ!!」
666の怒声とともに、弾幕が更にその数を増した。
八卦炉からは無数の星が、RHからは地獄のようなディバインバスターが、
数少ない隙間すら塞いでコロンビーヌの体を容赦なく削り取っていく。
無想天生すら繰り出して凌ぐが、削られる肉体は誤魔化し切れない。
「そんなにわからず屋なら、私が、骨を折るしかないみたいねん……」
そういったコロンビーヌをあざ笑うかのように、回避不能な弾幕の塊が襲いかかる。
無情にも彼女の体は、砲撃によって塵芥へと


「獲ったわん!」
そう叫びながら666の背後より出現するコロンビーヌ。
クラールヴィントによって成し得た、この一瞬の為の奇襲である。
「あんたは一度眠りなさい! その闇、欠片も残さず浄化して――――」
腕に装着した麻酔銃の銃口が、666の首筋をとらえる。

「そいつは、困るな」

その針が放たれるよりも、その雷は速かった。
コロンビーヌが一瞬だけ痺れよろめき、反射的に後ろを向く。
黒いマントで覆われたその姿は、紛れもなくジョーカーそのもの。だが、コロンビーヌは聡明だった。
「あんた、何で、こんな」
覚えがあった声によって、全てを理解し全てに諦めを付けざるを得なかった。
愛にすべてを捧げるならば、愛に死ぬのも必定か。
(将軍、ごめんなさい……後は任せますわん)
再び666の方に向き直ったコロンビーヌの目の前には、宝物庫より大きな剣が抜き出されようとしていた。
時間と空間すら超える、魔剣・エターナルソードと、それによって生みだされる波動と共に突撃する666。
遠・中・近を完全に処理する、攻防一対の弾幕……それが彼女のスペルカードの真骨頂だった。
ふりおろされる剣を前にして、彼女は穏やかにそして少しだけ残念そうに、ぽつりと言った。

「ごめんなさいね、貴方――――――――――――でも、愛しています」



「……今、なんと言いましたか?」
ラピュタより下界を見下ろしながらwiki管理人は尋ねた。
既に殆どの光もないが、ライトアップによってそこそこの明るさは確保されていた。
「俺が下に一度降りる許可をくれないか、ってね。耳が悪くなったかい?」
「……一応、理由は聞いておきましょうか。感電氏」
尋ねられた男……感電は、平静そのものの様子で答える。
「あのハッキングのあと総点検を行ったんだがな。どうにも放送に使う資材が軒並みやられてるんだ。
 もう直ぐ放送だが、これじゃそれもままならない。で、だ……」
「どうせ参加者は病院周辺に集合しているのだから直接放送をしにいく、と」
「ああ。禁止エリアは今決めるなり、なんなりでもいいがな」
「全員にいい渡るまでに死ぬかもしれませんよ? チート密度半端じゃないんですから」
試すような口調のwiki管理人を前にして、感電はむしろ不敵に笑った。
「だから、だよ。どうせ放送はあと一回あるかないかだ。
 もう終盤の終盤に入ってるんだから、俺がしくじっても然程困らない。
 それに……虎穴に入らずんば虎児を得ずってね。少し荒くいかないと、覚醒も出来なさそうだしな」
感電の言葉に、ふむ、と息をついて何事か考え込むwiki管理人。
しばらくして何処かに電話をかけて、二三言葉を交わした後、感電に言った。
「いいでしょう。その代り、二三お遣いを頼みますよ。
 ラピュタのステルスや今回のハッキング……貴方に疑惑の目を向ける人も少なくないのでね。
 私としても何処かで貴方の濡れ衣を晴らしておく必要があると思っていましたから。では、期待していますよ。感電氏」
にっこりと笑う管理人を前に、辛うじて笑顔らしきものを作りながら、感電は言った。

「まあ……期待せずに待っててくれ」



蟹座氏が、その大きな瞳をうっすらと開けた先に写っていたのは星一つ見えない黒い空だった。
起き上がろうと上半身を起こすが、途端に眩暈のように頭に電流が痺れる。
「痛っ……いったい、何が……?」
「無理して起きない方がいい。微細な電磁波ですら、脳に致命的な影響を及ぼすことだってあるのだ」
まだ朦朧としかけた彼女の耳に、聞き覚えのあるような女の声が入る。
「あんた……確か、僕に写真を…………」
「黒猫とでも名乗っておこう。いや、実に申し訳ないことをしたよ。
 良かれと思ってやったのだが、あと一歩で君の命を脅かすところだった」
だんだんと意識をはっきりさせていく蟹座氏。
そうだ、自分は確かししょーと闘って、あれ? なんで闘ってたんだっけ?
「ねえ、命を脅かすって、一体何の……」
起き上がるために持ち上げようとした彼女の腕が、いやな重さを持っていた。
半ば誘導的に、彼女は腕に視線を向ける。
その手に持たれていたのは、永遠神剣が一つ『誓い』。そして“なにか不思議な付着物”だった。

「え」
「いや、本当に危なかった。危うく彼女に殺されそうになっていたのだから」

そういって666は指を指す。その先を瞳孔が開きかけた眼で追う蟹座氏。
夢の言葉を思い出す。ああ、起きるんじゃなかった。
そう、真っ二つになった少女を前にして彼女は心底思った。
「あ……あれ、もしかし、てわ、ぼ、わたっ、僕」
「落ち着きたまえ、蟹座氏。君は何一つ悪くない」
「で、でも、この剣、あれ、や、やっぱ」
「そう、君はその剣で未来を切り開いた。“バトルマスターの刺客を打倒した”のさ」
そういって、666は至極近しい友達のような気軽さで、彼女の肩を叩く。
「ししょーが、うそ、だって、仲間だって」
「その純真は評価されるべきだ。だが、敵が純真である保障は何処にもない。
 彼は君の始末をあの娘に任せ、君のあられもない写真をばら撒きに向かったのさ。
 何とか5枚は奪ったのだが、残りは無理だった……実に済まない」
そういって、666は蟹座氏の眼に5枚の写真を晒す。先ほど蟹座氏が見たものとは違う写真だった。

「ああ、可哀想に。君は最初から、彼と彼の共犯者たちに一杯食わされたのさ」
「あ、ああ、あああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

叫ぶ。叫ぶ。臓腑が湧き出しそうなほどの勢いで彼女は叫んだ。
バトルマスター達と紡いだ時間のすべてを吐き出すように。
「僕、どうしたら、ししょー………………」
叫び終わって、糸が切れたように項垂れた彼女がぽつりと呟く。
その一言を、666は見逃さなかった。迷える子羊を導くような神々しさで、その黒く染まった掌を肩に寄せる。

「残る写真は10枚。聡明な君ならば、何をなすべきかは分かるだろう?」


後の祭り

とぼとぼと歩む蟹座氏を見送りながら、666は楽しげに口を歪める。
自分が殺したと思い込んだ相手の支給品を直してまで蟹座氏に与えるほどの諧謔味が、如実に表れていた。
『あなた、鬼ですか』
「人間だよ。こんなこと人間にしかできない。だから同時に慈悲もある。君を敢えて生かす、とかね」
その手に握られた漫画wiki管理人の紙を握りしめながら、眼だけで笑う666。
「あんまいじめてやるない。支給品に罪もへちまもないぜ」
物陰に隠れていた感電がぬっと出てくる。その黒マントは既に払われ、アリーナとしての姿を晒していた。
「さて、ダイヤモンドを持ってきてくれた君には感謝しないとね。
 ラジオに欠かせない防音・密閉能力も実に助かった。
 お陰でグラールヴィントを使う必要もなくなったしね。ジョーカー達にはよろしく伝えておいてくれ」
「それは重畳。だが、そいつはしばらく無理だ。あくまでもダイヤの譲渡は俺の仕事の一つでしかない」
「ほう? 他には? 放送以外にまだ何かがあると?」
「……まあ、あんたならいいか。サスペリアは知っているだろ。あの影の薄いやつ」
「となると、恐らく煩悩寺に用無しの宣告が下されたかな?」
「明察だな。こいつを回収してくれって仕事がね。
 管理人の力の一部で出来た使い魔だから、回収して自分に還元しようって腹なんだろ」
666は手の甲を顎に当てて、管理人の意図を洞察する。
(今のサスペリアは空気の塊だからな……もしや漏れた空気王の能力すら見込んでいる可能性も無くはない、か)
「それは過密スケジュールだね。引き止めて悪かった。武運を祈るよ」
そういって、影の門を開く666。
その中に入ってく最中、感電はたまらず口を開いた。
「これからどうするんだ? まさか蟹座氏がマーダーとして暴れてくれるとは思ってないんだろ?」
「まあね。だが時間稼ぎにはなる。この体はもう限界だ。いよいよもって、時が来ているのだよ」
「流石に、稀代の調子に乗ってる奴だな。ロワは結構等価交換の原則が成り立つ。抑止力が来ても知らないぜ?」
闇の中少しだけ顔を感電に向けた666が、微かに、しかし残忍に笑った。
「普通のロワならね。だが、私も私で覚悟は決めているつもりだ」
そういって、すっと手に持った何かを感電に見せる。
「コアドリル……もうここまで汚染されてたのか」
「時は近い。裁きの業火に曝されるのが先か、私の願いが叶うのが先か、ここからは時間の勝負さ。
 そして私は必ず勝つ。勝って私の愛を証明する。その為ならば、いくらでも調子に乗ろう。
 否、その先すら突破して、私は至るのだ」

闇に掻き消える666。その最後に一言を残して。


「大した自信だ。こりゃ、俺もうかうかしてられねえな」
一人残された感電は自分のパソコンに送られたメールを思い出していた。
あの言葉の意味を確かめるためにも、どうしても彼は速筆魔王とギャグ将軍へと接触する必要があった。
故に、この危険な行動に出たわけだが。
(やけにあっさり降ろしやがった……何処まで読まれてる、管理人さんよ)
頭をぼりぼり掻いて、彼は仕方無しとばかりに大きな息を吐いた。
既に覚悟は決まっている。真なる対主催として、自分は既に幾人も殺した。
そして最後の最後まで疑われぬようコロンビーヌを見殺しにした以上は後には退けない。

「じゃあ、行きますか。前代未聞の現地放送に!!」

大地に降り立つ感電。その足取りは、未だ霧中である。



その先すら突破して、私は至るのだ―――――――――調子に乗っ天元突破へと。


【真夜中】【E-8 病院の近く】



【派手好き地獄紳士666@LSロワ】
【状態】:闇の書発動、不死者化?、大量の精気(エロパワー)吸収、疲労中、負のエネルギー蒐集中、暴走?、
     アルテマ修得、……私の愛は愛ではないだって?、かなり焦っている
【外見】:黒いリボンドレス、背中から黒い六翼。長い髪は白く染まり後ろに降ろしている。眼鏡外し。
【装備】:ゲート・オブ・バビロン@アニロワ2nd(※特殊仕様)、闇の書@アニロワ1st(ディス・レヴ内臓)、バリアジャケット、
     ビッグ承、コアドリル(ほとんど黒)@アニロワ2nd エターナルソード@テイルズロワ
【所持品】:ヒュッケバイン・ボクサー(トロンベ)、四次元ポケット、クレイジーダイヤモンドのDISC、高性能探索機能つき扇風機、
      朝倉涼子のアーミーナイフ、夜天の書(BL本)、ウルトラミキサー、蟹座氏の写真×10
      モンスターボール(空) エニグマの紙「漫画キャラバトルロワイアルwiki管理人」
【思考・行動】
 基本:極悪外道になった後、ネコミミストの前に敵として再会。ネコミミスト心から愛してる。
 1:融合開始
 2:ディス・レヴを使いこなせるようにする。
 3:熱血王子の動向はチェック。
 4:熱血王子が改心されそうなら……
 5:ネコミミストの前に敵として現れ、最終的に喰われる。



※ゲート・オブ・バビロンで出せるアイテムをどれも『一応は何とか使いこなせ』ます。
 驚きの黒さを受けて『完全に使いこなせる』ようになりました。
 エリクシールと爆薬は使い切りました。 鳳凰寺風の剣は病院に起き捨て。
 ディーヴァの剣、ルルゥの斧、鳳凰寺風の弓と矢は全て武器融合に使用。
 浄玻璃の鏡の回数制限は残り1回。凛の宝石は全てカートリッジに変形。
 懐中時計型航時機『カシオベア』破壊。 マテリアルブレードはダイヤモンドと合成してエターナルソードに。
※ゲート・オブ・バビロンで出せる新たに判明した物及び追加された物。
 アニロワ1stからディーヴァの剣、ルルゥの斧、マイクロ補聴器、鳳凰寺風の弓と矢、鳳凰寺風の剣、凛の宝石×10、闇の書。
 加えて――マテリアルブレード@テイルズロワ@XXX、クラールヴィント@アニロワ1st@XXX、
 不死の酒@アニロワ2nd(既に使用済み?)@XXX
 ゲイボルグ@LSロワ RH・エクセリオン@LSロワ ミニ八卦炉@LSロワ
※闇の書と融合しているため、その内に言うまでもなく――
※エロスの鐘の煩悩寺と、エロ師匠の(ついでに大暴れ鉄槌の)精気を吸収しました。
 影丸の魔力を吸収したため、8割がた使いこなせるようになりました。
※書き手としてのメタ視点能力を使える様子。別に全知ではない。
※闇の書とディス・レヴ@スパロワが内蔵されました。リミッターをかけていますが会場内の負の力を自動的に集められます。
※バビロンの財宝はクレイジーダイヤモンドでは治せません(宝物庫そのものは別)
※『真・驚きの黒さ』を蒐集により習得しました。これによりディス・レヴの効率を上げられます。
※全支給品を合成させ、自身も融合することにより、【グランゼボーマ@アニロワ2(グレンラガン)】の力が振るえます。
 制限によりサイズはLLL内で収まっています(つまり星よりでかいとかにはなりません)
 ただし666としてか闇の書の暴走が表に出るかは状況によります。 666もそのことは理解しています。
※ヒュッケバインボクサートロンベ:
 単純にヒュッケバイン・ボクサーが黒色(レーツェルカラー)になったもの。
 トロンベ化に伴いトロニウムエンジンから核融合エンジンになったが、
 666からのエネルギー供給でトロニウムエンジン以上に安定駆動可能になっている。
 人間サイズより一回り大きい。念動兵器が使えるかは不明。


【蟹座氏@ギャルゲロワ】
【状態】:へこみLv6(黒さ補正で5+1)、顎部に痒み、『蟹座じゃないもん』覚醒、極大の疲労、左手首に傷、
     若干錯乱、首輪解除、驚きの黒さに汚染
【装備】:体操着(ブルマ)、鉈、ケリュケイオン@リリカルなのはStrikerS、永遠神剣『誓い』
     蟹座の黄金聖闘衣、蟹座氏の写真×10
【道具】:支給品一式×5、最高ボタン、カードデッキ(シザース)@ライダーロワ、
     閃光弾、まふうじの杖、バッド・カニパニーの甲羅 腕時計型麻酔銃(1/1)@漫画ロワ
     ティーセット一式、麻酔銃の予備針×3、変化の杖、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン、
     対戦車地雷×2、リュート@からくりサーカス、ドラゴンオーブ@AAA、キャンディー×1
【思考】:
 基本:ししょー……ひどいよ
 0:バトルマスターとその仲間を殺して写真を奪い返す
 1:僕の記憶、どこかおかしい?
 2:『あいつ』に逢ったら殺す。
 3:ギャルゲロワの仲間とはできるなら会いたくない……けど。
 4:敵とは戦う。ギャルゲロワ以外でいじめてくる人はみんな敵。


※容姿は蟹沢きぬ(カニ)@つよきすです。
※最高ボタンを押すと、『いやっほぉぉぉおおおう、蟹座のONiぃ様、最高ーーーーーっ!!!!!』という台詞が、
 ハクオロの声で流れます。シークレットボイスにも何かあるかも?
※自分の心がキャラに影響されていることに気付きましたが、キャラに抵抗するため無駄な努力をしています。
※身体能力は本気を出せば倉成武ぐらいの力が出ます。通常はカニ。
※蟹見沢症候群について。
 へこみのLvが5になったとき、発祥します。発症した場合、自分を苛めたり辱めたりした者を優先的に殺します。
 666の仕込みによってリミット天元突破。どうなるかわかりません。
 基本的な症状は雛見沢症候群と同じです。発症中は蟹座氏のチャット状態の特徴により、語尾に♪がついたりします。
※言霊『蟹座じゃないもん』に覚醒しました。
 強い意志で蟹座であることを否定することにより、文字通り蟹に縁のあるアイテムから、
 『蟹座じゃないもん』つまり『蟹座じゃないもん(者、物)』の力を引き出せます。ただし使いすぎると境界が…
※蟹座氏のバリアジャケット姿がどのようなものかは以降の書き手に任せます。
※なりきりが解けかけ、記憶に混乱が生じています。
※驚きの黒さからの回復に、どの程度時間がかかるのかは不明。
※蟹座氏の写真の詳細は後の書き手にお任せします。


【感電@書き手ロワ2】
【状態】:健康
【装備】:基本支給品一式 それ以外は不明
【道具】:無し
【思考】:
 基本:真なる対主催として行動
 0:中心地へ向かい直接放送する
 1:(できるかぎり管理人に気付かれずメールの差出人と話をつける)
 2:サスペリアの回収
 3:覚醒イベントを発生させてパワーアップ

※見た目はアリーナ@DQ4
※スタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー(画鋲型)」が使える
※周囲を防音することができるらしい


【コロンビーヌ@漫画ロワ 死亡確認】
ゾナハ蟲@からくりサーカス、クラールヴィント@アニロワ1st(ネコミミストと同じ物) は消滅しました


270:Pray 投下順に読む 272:1000%SPARKING METEOR
270:Pray 時系列順に読む 272:1000%SPARKING METEOR
266:主催者ジョーカーの事情 HN「七氏」 274:混沌体験~感電はクールな能力がほしい~
254:なのDeath☆(後編) HN「ナナシ」 274:混沌体験~感電はクールな能力がほしい~
266:主催者ジョーカーの事情 wiki管理人 273:集う黒い太陽、そして……。
268:クレイジー・ダイヤモンドは砕けない 蟹座氏 275:対面
270:Pray ミスターマダオ [[]]
265:私たちの行方(後編) 派手好き地獄紳士『666』 279:終末への扉(1)
268:クレイジー・ダイヤモンドは砕けない コロンビーヌ [[]]
266:主催者ジョーカーの事情 R-0109(感電) 272:1000%SPARKING METEOR
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