メタ思考の彼方に(前編)

月が、綺麗だった。
血が薫り魔性が疼くこんな月夜に好き好んで出歩くのは、きっと尋常な人間ではない。
「ヒト」の枠を越えた「何か」だ。
だから、その2人が出会ったのも、きっと偶然ではなく。

「この私の邪魔をする気か、ヒューマ……いや、人形」
「邪魔しようとしているのは、貴方なのだわん♪」

……半ば廃墟と化した病院のすぐ傍で。
2人の「少女の姿をしたモノ」が、睨み合う。

片や、巨大な十字架型の武器――パニッシャーを担いだ黒髪の少女。
漫画ロワの誇るチートマーダー、アーカードの幼女形態を取る彼女の名は『ミスターマダオ』。
片や、ゾナハ蟲を自在に操るゴスロリ風の服に身を包む少女。
漫画『からくりサーカス』の自動人形・コロンビーヌ後期タイプの姿の、『コロンビーヌ』。

同郷のはずの2人。「孤城の主」の中心で一度は共闘した2人。
しかし、今この2人の間にあるのは、敵意と嘲りのみ。

「今、マダオちゃんが戻るのは、色々とマズいのよん♪ 主に恋愛イベント的にね♪
 地球破壊爆弾ちゃんにとっても、『黒猫』ちゃんにとっても、今はまだ困るのよねん♪」
「……ふん。貴様もそうなのか。
 貴様も『キャラに毒されて』いるのか。『なりきり』を疑うこともなく」
「うふふ♪ つまらないことを言うヒトね♪
 マダオちゃんはそんなこと言う子じゃなかったはずよ? 少なくとも、wikiにアップされてる限りでは☆」

病院へ帰還しようと駆けていたマダオ。ゾナハ蟲でその進路を妨害したコロンビーヌ。
互いの顔に浮かぶのは、それぞれ質の違う笑み。
マダオは嘲る。覚醒しパワーアップをも果たした『アーカード』に対峙する身の程知らずの人形を、嘲る。
コロンビーヌは微笑む。思慮の足らぬ子供を見守る慈母のように、微笑む。

「まあいい。貴様が恋愛至上主義を謳おうと何だろうと――この私の前に立ち塞がった以上、私の敵だ。
 その手にしている携帯電話も頂きたいところであるし……
 見せてやろう! 転の死体を喰らい、メタ視点にも目覚めた私の、真の力を!」

「予言しておくのだわん♪ 『今のマダオちゃん』には、この私は倒せないのだわん♪
 だって――」


   だって、『アナタたち』の居る『その位置』は、既に『我々』が二千年前に――


            ※     ※     ※


……打ち捨てられたような雰囲気を醸し出す、病院の地下。
静寂の戻ったその空間で、地球破壊爆弾No.V-7は呆然と天を仰ぐ。

  『 誤解して欲しくないのだけど――
    私は『何が何でもその子を殺すな』、とは言ってないのだわん♪ 』

愛を愛し恋を歌う自動人形コロンビーヌの声が、残響のように脳裏に蘇る。
あの乱入者を、地球破壊爆弾は倒せなかった。殺せなかった。倒しきれなかった。
複数の強キャラと同時に渡り合った『孤城の主』第一幕においては影の薄い脇役だった、彼女相手に。
数多の伝説を持つ書き手・地図氏――地球破壊爆弾No.V-7は、とうとう、傷1つつけることはできなかった。

  『 私が愛するのは、あらゆる愛よん。
    実る愛、破れる愛、すれ違う愛、空回りする愛、裏目に出る愛、憎みあう愛……
    全て等しく、尊く美しい愛だと思うわ。
    だから――『愛ゆえに殺す』、『殺し愛』も、決して否定しないのよん♪ 』

もちろんコロンビーヌの方でも、地球破壊爆弾を止めきれるとは思っていなかったのだろう。
攻撃こそ全力で容赦のないものだったが、今こうして思い返せば彼女の行動は一貫している。
コロンビーヌの狙いは、最初から時間稼ぎ。
かの地球破壊爆弾が相手では、「時間稼ぎ」すら困難なはずで、だが、それよりも。
そもそもいったい、何のための時間稼ぎだ……? という疑問が出てくるが。

  『 ただ――せっかく『想い人』が復活してくれたってのに、
    『一人相撲』で決着というのは勿体無いのだわん♪ 』

地球破壊爆弾は、振り返らない。否、振り返れない。
いつの間にかその姿は泉こなたに戻っていて、それでもなお、振り返れない。
レバ剣……レヴァンティンを強く握り過ぎたその手が、小さく震える。

  『 それでもなお、彼女を『殺す』というのなら、もう止めない――
    いや、もう『止めてあげない』のだわん♪
    あとは『2人』でゆっくり話し合うなり、殺し合うなりすればいいのだわ♪ 』

言いたいことを一方的に言って、「必要なだけの時間」を稼いだコロンビーヌは、既に飛び去ってしまった。
だから、この場に残っているのは2人きり。

地球破壊爆弾No.V-7と、『スーパーかがみんとの融合を果たした』クールなロリスキー。
その、2人きり。

「……こなた……私を、殺す……の?」
「…………ぁぅ」

いったい、いつの間に目覚めていたのだろう。
どこまで話を聞いていたのだろう。
お節介な愛の天使・コロンビーヌの思惑通り、時間稼ぎをしている間にロリスキーは目を覚まして。
地球破壊爆弾は、ロリスキーを殺し損ねた地球破壊爆弾は、彼女の顔をまともに見ることすらできず。

長い長い沈黙。
そして気の遠くなるほどの時間をかけ、ゆっくりと振り返った『こなたの姿をした人物』は――。


【E-8/病院地下/夜中】

【地球破壊爆弾No.V-7@アニロワ1st】
【状態】:疲労(大)、ダメージは完全回復、泉こなたの姿
【装備】:激戦@漫画ロワ、レヴァンティン@アニロワ1st
【道具】:支給品一式、着替え用の衣装(複数)、アダルトグッズ(大量)
【思考】:かがみん……。
 0:ロリスキーを……??

 ※基本的に中身はアーカードで、CVは平野綾です
 ※変化する姿に7つのバリエーションがあるらしいです。
 【1:地球破壊爆弾】【2:アーカード】【3:長門有希】【4:泉こなた】
 【5:銃撃女ラジカル・レヴィさん】【6:キングゲイナー】【7:1~6とか目じゃないよ?びびるよ、まじで】
 ※クーガーの早口台詞が言えます!
 ※鎖鎌、鳳凰寺風の剣、ソード・カトラス、ノートPCの投影が可能です。
 【スーパーキョンタイム】
 地図氏以外の者はゆっくりとしか動けなくなります。一度使うとそれなりの時間使用不可能です。
 【地図氏の地図】
 参加者の位置、生死を含めた地図を投影できます。※長門有希の状態でのみ可能。
 使いすぎるとアレなので、毎晩0時にのみ使うことにします。


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【状態】:不死者、吸血姫、スーパーかがみんと融合、覚醒・復活
【装備】:なし
【道具】:なし
【思考】:こなた……私を、殺すの?
 基本:こ、こなたと一緒に……脱出か対主催
 0:??????
 ※容姿は柊かがみ@らき☆すたです。
 ※何故か不死身です。
 ※地球破壊爆弾No.V-7の血を吸い、独立した吸血姫となりました。

 ※スーパーかがみんと融合し、彼女の記憶と能力を継承しました。
  ただし、能力を使いこなせるかは別問題です。
  また、仮面ライダー書き手の記憶も取得した可能性があります。

 ※いつ目覚め、どこから(コロンビーヌと地球破壊爆弾の)話を聞いていたかは後続の書き手にお任せします。

258:GENERAL IN THE SHELL 投下順に読む 259:メタ思考の彼方に(後編)
258:GENERAL IN THE SHELL 時系列順に読む 259:メタ思考の彼方に(後編)
256:「幕間『孤城の外で』」 ミスターマダオ 259:メタ思考の彼方に(後編)
255:それぞれの愛ゆえに 地球破壊爆弾No.V-7 259:メタ思考の彼方に(後編)
255:それぞれの愛ゆえに クールなロリスキー 259:メタ思考の彼方に(後編)
255:それぞれの愛ゆえに コロンビーヌ 259:メタ思考の彼方に(後編)

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最終更新:2008年04月27日 23:19
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