―――&Black Joker


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話は少し前の時間に遡る。

天空に浮かぶ主催本拠地。ヘルシング邸の円卓会議室を模したその一室で6人の書き手が集っていた。
万が一即対主催ルートに突入してしまった場合に備えて派遣されたニコロワ&テイルズロワの面々である。
円卓にはいくつも椅子が並べてあり、会議をできるようになっていた。
しかし、テイルズロワの一席には「死亡確認」の札が、ニコロワに一席には「気絶中」の札が貼られてそのメンバーは6人しか集っていない。
彼らの手元には樽で出来たコップに並々とぶどう酒が注がれていた。(ちなみにマントを被っている限りは年齢も不詳なので問題ない)
「しかしまさか俺達のロワのなりきりシステムが参加者、ひいては俺達にしこまれていたとはな」
ナナシがぶどう酒に映る自分を見ながらいった。
「まあ、第二回ならともかく第一回目じゃなりきりはロワに殆ど使われませんでしたから。気付かないもの仕方ないって話ですよ」
黒マントの名無しが宥める様に言う。幾ら主催側といっても彼らは食客用心棒のようなもの。
ある一定以上の情報は知りえず、また知る必要も無かったのだ。
七氏は一口酒を飲んでから言った。
「で、なりきりによるキャラクターへの侵食。それを防ぐ手段は大別して三つ。
 一つは複数のキャラを使い分け、侵食の方向性を分散させて速度を緩めること。地図氏やギャグ将軍などがこれに該当しますね。
 二つはキャラに頼らなくても十分通じる圧倒的な個性で、侵食を跳ね除けること。速筆魔王氏、蟹座氏などが該当します。そして三つが…」
「私達ニコニコの能力で精製された、フィルター機能・NG指定のシステムを組み込んだこの黒マントを装備して
 キャラとしての個性を封印し、侵食そのものを停止させる……という方法ですか」
ガチホモが言葉を引き継ぎ、つまみとして用意されたハンバーガーをむしゃりと食った。
そう、キャラになるというシステムをテイルズロワが受け持っていると同時に、
ニコロワはそのアンチシステムとも呼べる機能をもったマントを開発しているのだ。それこそがジョーカーの残り四人が羽織るマントである。
「ちなみに原典は?」
「ニコニコRPG。第三章の魔王の配下だね、○IOと水銀○が同じ大きさになる優れものだよ」
テイルズ側からの質問に、人外は柿ピーをぼりぼり言わせながら答える。
残りのメンバーどうなるかマジ気になって仕方が無い。

「「「「「「まあ、キャラになりきるのも面白いからいいけどね」」」」」」

隠し砦の六人はゲラゲラと一笑に付した。
どの道よほどの書き手でもない限りは個性など付いていないのだから、
漫画やアニメ・ゲームキャラの性質でも付加しなければ書き手ロワは進行もままならないだろう。
キャラになりきり過ぎることは不都合だが、なりきりそのものは是であると彼らは思っていた。


「では、そろそろ本題にはいりますか。……「これ」をどうするか……ですね」
どうやら進行役らしいガチホモが両腕を組んでため息をつく。
全員がそろったように笑いを潜め、円卓の中央に置かれた「それ」を見つめた。
その心中はことなれど、全員が全員大なり小なり厭そうな顔を隠しきれてない。
エリクシールの瓶に収められた液体は、まるで意思を持ったようにごぽりと泡を立てた。
「……とりあえず、持ってきてくれてありがとうございます。プー太氏」
「いえいえ。これも仕事ですから」
ネコミミサンタコスのゲボ子であるクマのプータが九番目の椅子に座って、軽く会釈をする。
「で、これを使えって……どうやって使います?」
名無しが頬に手を当てて項垂れた。全員が唸るか無言で腕を組む。
「ハッキリ言ってこれエロ以外にどうやって使えって言うんか……無理だって常識的に考えて」
人外がぼそっというが、皆が無言な為小声で言っても全員には大きく感じられた。
長寿の霊薬の空瓶に収められた液体は最終触手怪物シャリダムのイケナイ触手汁……
どう見ても無理ゲーです本当にありがとうございました。

「いやいやいや! それじゃ666さんに申し訳が立たないじゃないですか!!
 今日日あんないいマーダーいませんよ! 慢心も油断も無く、きっちり仕事する貴重なマーダーじゃないですか!!」
プー太が両手を振って彼らの後ろ髪を引っ張る。
どうやら彼女にもそこそこに仁義というものがあったらしい。


「ナナシさん……ここはやはりテイルズさんにお任せできませんかね?」
ガチホモの発言にナナシが無言のまま眉を細める。
「そのエリクシールの空瓶もテイルズの出展ですし、シャリダムも元の原点は酢飯細胞。そちらの方が上手く処理できると思うのですが」
ナナシは仏頂面のまま返事をしない。
「厄介払いと責任の押し付けと謗られても仕方ありません。ですが、餅は餅屋というのも事実ではありませんか?」
「……これをそのままここで保管、もしくは処理するという手は?」
「それこそ危険ですよ。あの不死の酒まで得た触手の異常な繁殖……ここにあるというだけでバイオハザードフラグじゃないですか。
 今この段階で処理しなければこちらの拠点は崩壊するのです」
腕を組んだままナナシは天井を見上げた。本拠地で液を預かれば確実に後でしっぺ返しが来る。
それはナナシも思い至っていた。それに、一度はアーッな関係になりかけた後友情を築いたナナシは、
ガチホモの依頼を無碍に断る気にもなれなかった。大きくため息をついた後ナナシが言う。
「工兵隊長七氏。……何か案はないか?」
テイルズロワの書き手が一人七氏。サウザンドブレイバーからE2城破壊まであらゆるフラグを立てるフラグビルダーである。
「上案という程のものはありませんが、中案なら」
ナナシが無言で先を促す。
「とりあえず処理しましょう。さっさと下界に返して、適当な参加者にぶっかければ問題ないです」
「……それでいいのか?」
「無理ですよ、エロ以外に使うなんて。ですから諦めて使い切るに限ります。ではリーダー、よろしく」
そういわれて諦めたのか、ナナシは瓶を手に取りふたを開ける。淫蕩な匂いが鼻についた。
ナナシの能力によって何か不思議なゲートが目の前に作り出される。
どこかは分からない「そのフラグを繋ぐのにもっとも相応しい要素」へと繋がるゲートだ。
ドバドバドバドバとナナシは廃水の垂れ流しのように一気に流した。
一体誰に繋がるのか、そしてどのような効果があるのかまったくの未知数である冒険だった。
「それらに関しては目星がついています。
 あのシャリダムの発端である酢飯細胞……その初期感染者であるビクトリーム博士の特筆すべき急所は「股間の紳士」。
 そして原典である酢飯の問題作といわれ物議をかもし出したのは「バナナの乱」。
 そしてデビルシャリダムの大前提である属性は「触手」……これらを総合すれば自ずと答えが出てくる。
 つまりあの液体は飲んだ人間の股間の紳士的大事なところにバナナ型の触手を生やすクスリだったんだよ!!」
「「「「「「な、なんだってー!!」」」」」」
おもむろに素っ頓狂なことを口走る七氏、しかし他の6人は釣られて最早お約束の古典と化した驚きの声を上げる。
言葉責めに定評がある七氏にとって、このようなキバヤシ理論は日常茶飯事だ。
「そして第二の検体であるコ・ホンブック……
 細胞に汚染されたときに縋るように言っていた言葉はONEE-CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!
 これは別にアナグラムでもノイズでもないから普通に読んで「お姉ちゃん」……つまり姉だ。
 そしてそれを飲んだ姉にいけないキノコが生えるということは、その人物は「性別不詳」になっているということ。
 そして何より重要なのは! バナナから放出するであろう白い液を……
 「例えば何かの拍子で放出が出来なくなってしまい残留した母乳とか」を体内に溜め込んでいる必要があるということ!!」
これを考えれば、自然、このフラグを受け取るであろう人物は限られてくる……つーか一人しか居ない。
そこまで言い切ってから七氏は全員に向き直った。
「無論、これらは全て私の推測に過ぎません。ひょっとすれば思いもかけないアクシデントで会場がバイオハザードと化すかも知れない。
 私はこれを憂慮し、「我らの中から一人、この事態に限定した監視員を会場に派遣する」ことを妥当と判断します」
ガチホモとナナシがぴくりと肩を震わせた。七氏の策を察し、図ったように口裏を合わせる。
「確かにな……ここからでは音声も十分な映像も手に入らない。
 ジョーカーからの介入である以上は、責任を取らなければならないだろう……ニコニコロワなら映像を採取できるはずだ」
「ですね。うp能力のある私が行けば速いのですが、私とナナシさんは今現在ケフィアの件で謹慎中です。
 そしてえーりんもまだ気絶中……困りましたねえ……どうしたらいいと思いますか? プー太氏」
ふたりのギラついた眼光に気圧されたのか、はたまたそれを楽しいと思ったか。
プー太は「読み手さんか感電さんに聞いてきます」、といって姿を消した。


その数分後、帰ってきたプー太の口から発せられたのは、
放送までに帰還すること、直接的な死者を出さないことを条件とした上層部からの許可だった。
「しかし、バナナ薬ですか……それが二本あるとなると、面倒ですねえ」
ガチホモが少し嫌そうに言った。バナナは大好物だが、それが女に生えても食べる気はしない。
「大丈夫ですよ。さっきのは全部後付け設定ですから、あくまでもバナナ薬なのはこちらの分だけ。
 666氏が持っているのの効果は分かりません」
七氏はそういってぶどう酒を飲み干す。言葉は力、言葉の前に事実は容易く変容する。
「で、派遣した愛媛氏ってのはどういう方で?」
名無しがハンバーガーを口にくわえながら言った。ガチホモが少しだけ考えて、言葉を作る。

「普通の子ですよ。ただし、驚きの黒さですが」



「彼から離れなさい!!」
片腹から血が噴き出すことも厭わず、お姉さまが青龍偃月刀で愛媛に斬りかかる。
一閃、愛媛の細首を振り抜いたと思ったが、愛媛がどろりと影の中に沈んでそれを回避する。
「あぶないなあ。人にそういうものを振っちゃいけないんだよ?」
子どもを窘めるような物言いで昇降口の影から現出する愛媛。
どこにでもいる子供のような顔から放たれる子供とはとても思えない視線にお姉さまは
背筋に滴る汗を嘗め取られたかのような悪寒を覚え、王子の身体を抱えて別のビルに飛び退こうとした。
「逃げていいって許したかなあ? ……禁忌『カゴメカゴメ』」
距離を開けようとする二人を心底つまらなさそうに見ながら愛媛はゆびをふった。
それと同時に「うp主乙」「待ってました!」「らきすたから来ました」「sageろ」など無数のコメントが夕闇を走り、
ビル屋上の周囲をコメントの列が包囲する。その弾幕によって包囲される長方形はまさしく檻と呼ぶに相応しかった。


「スペルカード……? でも弾幕が……」
「私は弾幕担当。ガチホモさんが見たものを動画としてうp出来るように、私はこの現実世界にコメントを張ることが出来る。
 そして私たちニコニコロワの書き手はニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を全て使えるの。
 妹様の弾幕は私に良くなじむから、ついつい使っちゃうよね?」
お姉さまは前後左右上を包囲する弾幕を見上げ舌打ちをした。
シューティングに馴れた自分なら頑張れば抜けられるかもしれないが、
弾がコメントな為まだ当たり判定が大きくなっていて難易度が上がっている。避けきれる自信がない。
しかもそれは、熱血王子を抱えていない状態での話だ。結論として、撤退は不可避となった。
「だったら、貴女を倒せばいいだけの話よね」
傷の痛みに熱を覚えながらもお姉さまは不敵に笑った。
ジョーカーだろうがニコニコだろうが、目的が明確である以上迷いは欠片もない。
しかし、愛媛はきょとんとした顔を作り、目をパチクリさせた。
しばらくしてようやく意味が分かったのか、ポンと手を打ってにっこり笑った。
「あ、そっかあ……ごめんね? 勘違いさせちゃったみたい」
「……?」
「私はジョーカーだけど、今はお姉ちゃん…これじゃごっちゃになっちゃうね。
 お姉さまはあくまで観察、見てるだけにしなさいって言われてるから。
 うーんと、あのね? 困ったなあ……説明している時間がないよう。とにかく、私はお姉ちゃんを殺さないよ?」
白旗のつもりか。えへへと笑いながら、愛媛は両手を挙げる。
「じゃあ、どうして?」
「お姉さまについた触手もすぐに取れちゃったし、もう放送も近いから帰るんだけど……そのまえにどうしても見逃せないことが出来ちゃって」

そこまで言って、愛媛はその輝きの消え失せた瞳を熱血王子に向けた。
「ねえ、熱血王子さん……なんでそんなザマになっちゃったの?」
愛媛がいかにも本心からそれが理解できないといった表情で熱血王子に尋ねた。王子の身体がピクリと動く。
お姉さまが王子に振り向こうとするが、夜の闇に溶け出して行きそうな殺意を前に彼女から目を離せなかった。
「おかしいよね? だって王子さんはマーダーなハズなのに、対主催のお姉さまに守られてるなんて」

―――――さい。


「ああ、そうか。ステルスマーダーになろうとしてるんだよね?
 そんな傷じゃさすがに戦えないし、仮面ライダーになれるまで時間を稼いだら変身してまたマーダーするんだよね?」
一人合点したように愛媛は柏手を打った。しかし直ぐに指を顎になぞらせて首をかしげる。
「でも、変だなあ……さっきお姉さまの脇腹を手刀で刺したよね? 殺す気満々だよね?
 なのに、今はおとなしいなんて……おかしいよねえ?」
「それは貴女が彼を操って「多数派は少し黙ってて」
お姉さまの反論に対し「ZIP!」を一発放つ愛媛。青龍偃月刀でそれを弾くが、既に愛媛の興味は熱血王子に戻っている。
「ねえ? どういうつもりなの…? 黙ってたら分からないよね?」
「お、おヴぇ、は……」
「熱血王子さんはマーダー……少数派なんだよ? だからいっぱいいっぱい頑張らなきゃいけないんだよ?
 だから他のマーダーもいっぱい頑張ってるのに……それなのに、多数派とまるで仲良しじゃない。
 これからも頑張るんだよね? 今はちょっと休んでるだけだよね? そうでしょ?」
黒い眼光と疑問の皮を被った圧迫に、直接会話的な対峙をしていないお姉さままも息苦しく感じていた。
しかし、熱血王子は残り少ない酸素を吐き出すようにして、蚊ほどの声で力強く言った。
「俺は……マーダーを、辞める。この人を殺してまで……復讐なんてしたくない!!」
「熱血王子……貴方」
背中でその意思を力強く感じたお姉さまは嬉しさの余りに微かに涙を流した。
話せば分かる。本当に純粋な白い想いで立ち向かえば、届かない気持ちなど無いことを確信できた。

―――なさい。

だからこそ、彼らは恨むべきだったかもしれない。せめてその白さが限りなく輝く昼にその境地に辿り着けていたならと。

「ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ
 タケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケ
 ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ――――――だめだよ、許さない」

「――――――――――――――――あ、ああああああぃああぁぁぃゅぁああゅあぁぁぁあああぁ!!!!!!」
突如切り裂くように走る絶叫。愛媛の言葉に熱血王子が猛烈に苦しみだした。
「……これ以上彼を苦しめるのは止めて!! 彼のLPはもうゼロよ!!」
何かの精神攻撃だろうか。ディーが居ない今お姉さまは対処法を見出すことが出来ずにもどかしい気持ちをぶつけて叫んだ。
「多数派はいっつもそう……自分が正しいと思って、上から目線でものを軽く言うの。それで抜け抜けと少数派の懐柔工作する」
しかし愛媛には届かない。多数派の言葉など当てにはならないと信じる愛媛には。
「そんな多数派をのさばらせておくだけならまだしも、それに寝返るとか、どんだけー!!」


――んなさい。
「そもそも何勘違いしているのかな? 今から多数派に寝返るって、許される訳が無いじゃない。
 だって、熱血王子さんは人を襲ってるんだよ? たとえ対主催の人たちを殺してないからって、
 熱血王子さんが今まで襲った人たちは許してくれないよ。それに、マーダーのみんなも許してくれないもの。
 一生懸命殺して回った末に仕方なく殺されたマーダーさんが、熱血王子さんみたいなサラマンダーを許すわけが無いじゃない!!」
―めんなさい。
「あぎゃぐああぃああぁぁぁじゃああゅああああぁまぁっひゃ―――――――」
愛媛の言葉がナイフとなって熱血王子の心の薄皮を一枚一枚剥いでいく。薄皮についた肉を丁寧にゴリゴリ削ぎ落としていく。
自分は所詮サラマンダー。対主催にはマーダーとして疎まれ、マーダーにはやる気なしと蔑まれる烙印を押されし者の名。
誰からも許されない。誰も許してはくれない。ロワという楽園より追放されし道化の名。その名を与えし神よ、ならば私にどうしろと仰いますか。

「これ以上彼を冒涜しないで! たとえ罪を彼が持っていたとしても、許されない罪なんてない!」
お姉さまが青龍偃月刀を振り翳して走り出す。何をやっているのかは分からないが、熱血王子が愛媛の術中に嵌っているのは明らか。
それを止める手立てを愛媛を倒すことにしか見出せなかったお姉さまが遮二無二攻撃に転じる。
恐らくは洗脳系の能力。その発動のトリガーが熱血王子に触れていた手であると判断したお姉さまはその右手に攻撃を仕掛けた。
「触らなきゃ貴女は他人を操れないんでしょ!? だったら触らなきゃ問題ないはず!!」
神速の一撃を前にして、愛媛は悠然と笑った。
「えへへ……何勘違いしてるの? まだ私のバトルフェイズは終了してないよ。
 それに、『私のチカラが他人の操作だって、勝手に決めないでほしいなあ』」

悲痛な救いを求める声が天に届いたのか……熱血王子は神様の声を聞いた気がしました。
ならばまずは謝りなさい。熱血王子は黙ってその言葉に…さっきからずっと聞こえていた言葉を口にしました。

ごめんなさい 
「ぎょぎぇんじゃい」
ごめんなさい
「ひょひぇんびゃしぃ」
ごめんなさい
「ほへんなひゃい」
ごめんなさい
「ごめんなちゃい」
ごめんなさい

神は言います。愛媛もまた言います。
「謝る位なら誠意を見せてよ。―――私を守らなかったら許してあげない」


ガキン。そう、剣戟音が高く響いた。お姉さまは驚愕に目をはち切れんばかりに見開く。
何が起こっているのかはさっぱりだが、ありのままの素直な気持ちを言葉にした。
「……どうして?」
『愛媛の影より現れた熱血王子が、そのなんでも切れる剣で私の攻撃を防いだ』のだ。
敵に背を向ける愚を気にすることすら忘れ、お姉さまは後ろを振り向く。
先程まで守っていた熱血王子の姿はなく、そこに残るは密度の高い弾幕で光を遮られた影がぽっかりと残るだけだった。
そしてその代わりとばかりに、顔の焼け爛れた熱血王子が真っ黒な隊員服を来て現出した。
「私が触ったものは黒くなる。ただそれだけのチカラなの」
辛うじて握っただけの青龍偃月刀を愛媛は優しく触る。それだけで、偃月刀の見事な刃が真っ黒に染まる。
生物無生物関わらず、あらゆるものを飲み込む闇。あらゆる白い輝きを全て飲み込む、究極の闇黒『真・驚きの黒さ』。
「ごめんなさい・ごめんなさい・ごめんなさい・ごめんなさい……」
痛みを感じていないのか、痛みを忘れるほどに許しを得たいのか、うわ言の様に紡がれる熱血王子の言葉だけがBGMとして静寂を食い止める。

「ふーん、そんなに許されたいんだ……だったら、まずはサラマンダーを卒業しなきゃね」

そういって愛媛は、地獄の底のような黒さを笑顔に付けて、お姉さまを見た。
「じゃあまずは一人目、レッツゴー☆」
「……ごめんなさい」
それがお姉さまに向けられたものか愛媛に向けられたものか判別のつかない謝罪と共に、一撃は下される。
袈裟斬りに放たれた一撃がお姉さまの身体を切り裂き、真っ赤な血を噴出させた。
お姉さまは悔しそうな、でも仕方なさそうな、その板挟みに苦しんで潰れてしまいそうな複雑過ぎる表情を見せる。
その血の気が一気に下がる瞬間、お姉さまはふっと儚げな笑顔を見せた。

――――――ずるいよ。あんな顔されたら、倒せるわけがないじゃない……


愛媛がこっそり影から抜き取ったファウードの回復液を口の端から溢しながらガブガブ飲む熱血王子。
黒くなって身体能力が幾分向上したとはいえ、ゾンビではない。痛みはもちろんもある。
ただそんなことを考えれれる理性が磨耗し切っていて、また主には決して逆らえないだけだ。
そんな様を尻目に、主たる愛媛はクスリと笑った。
「ねえ、何時までそうやって時間かけてるつもり? 私時間がないんだけど」
その言葉にぴたりと手を止め、熱血王子が愛媛のほうに振り向く。
「はい、サックだよ。つめ直してあげたんだから、無駄にしたら許さないからね?」
右手を刷り込みに近い恐怖に痙攣させながら熱血王子はそれを手にした。
「分かってるよね? これでようやくサラマンダー卒業だけど、
 私が手伝ってようやく殺せたんだから、まだ半人前……仮免マーダーってところだよ。こんなんじゃ誰も許してくれないよ?」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
「分かったらさっさと仕事してね? ……のろまだとまたマーダーが死んじゃう。
 熱血王子さんがのろまだったせいでまた少数派が減っちゃうの……だからいっぱい殺して、もっといっぱい殺しきってね?」
頷く熱血王子だったが、黙ったまま指を目の位置を指した。目が潰れた為、見えないとでもいうのか。
「大丈夫だよ。今の熱血王子さんなら、白い奴が気配で分かるよ。あー、でも、目が無いってのもスカスカして不安だよね」
じゃあとばかりに愛媛はお姉さまの遺体から眼球を引っこ抜き、小指と小指を沿わせて作った手のお椀に二つの眼球を入れて熱血王子に渡した。
それが自分を信じてくれたお姉さまのものだと分かったのか、熱血王子は指を震わせて一個を床に落としてしまう。
眼球がぐちゃりと潰れた後、愛媛が無感動に言った。
「それも落としたら、本当に許さないからね?」
給食ででた嫌いなものを先生に食べるように言われた子供のように、熱血王子は一気に自分の右目にそれを埋め込む。
黒目があらぬ方向へ向いているのが妙に滑稽だった。
「じゃ、いってらっしゃい。私はもう帰るけど……ずっと見てるからね?」
その言葉を皮切りに熱血王子は弾かれたように影に沈んで消えた。
どうやら黒くなったことで愛媛同様影から影へ移動できる能力が付加されたらしい。
後に残されたのは、愛媛と、死骸となったお姉さまだけだった。


「せいぜい頑張って殺してね……お姉ちゃんを……ロリスキーさんを襲った貴方は絶対に許さないけど」
愛媛は極悪を三乗したような顔をして笑った。熱血王子に最初に黒く染めると決めたのは、それが理由だった。
「おっかしいなあ……別にロリスキーさんなんてどうでもいいはずなのに、やっぱりキャラに影響を受けるんだね」
こなたである地図氏、かがみであるロリスキーに否応も無い郷愁を感じる愛媛。
それをガチホモは危惧して私を初期襲撃メンバーにいれなかったのだろう。
「……あえるかなあ……あえたら、いいなあ……」
少しだけ黄昏て、愛媛は空を見た。既に陽は毛先程の光しか放っていない。
「? なんか、ラピュタが見えたような……」
愛媛は目を凝らして注視するが、日が落ちかけた今空は黒くほとんど何も見えない。
気のせいだろう。ラピュタは特殊な技術で見えないようになっているというし、仮に見えるような異常事態ならこちらからも把握しているはずだ。
「帰ろっか。ガチホモさん怒ると怖いし……あ、そうだ」
思い出したように愛媛は指を一振りしてコメントを床に書き残す。
お姉さまの遺体のそばに置かれたもう一本の回復液と仮面ライダーオーガの変身セットの傍に一文がついた。

『白猫さんから頑張るあなたへバルサミコ酢の差し入れです。大切に飲んでね』

666のフラグを処理したという暗号文を残して愛媛は、影に沈んでいく。
沈みながら愛媛は残った死体を最後に見た。お姉さまは微笑んだ顔のまま、安らかに眠っているように見えた。
オーガフォンを残したのは、貫き通した真白き意思に対する最低限の敬意だった。

「任務終了……愛媛、帰投します」

どぷんと音を立てて、愛媛は闇に深く深く沈んでいった。後に残ったのは命無き夜の闇だけ。

夜が来る。あらゆる輝きを黒く染める夜がやって来る。
黒に白は無力なのか、否、そうではないと彼女が証明した。
愛媛が最後に見たものは紛れも無くラピュタ……主催の本拠地である。
熱血王子との戦いでお姉さまの放ったオーガストラッシュの一閃が、無明幻妖sideの穿った穴に命中し、大きさを広げたのだ。
もはや一部の人間だけではなく、ほぼ全員がその穴に気付くだろう。
惜しむらくは、いまから夜に入りラピュタがほとんど見えなくなるということ。
そう……お姉さまの輝ける意思は、確かにこの大きな闇に一閃を入れたのだ。

夜が来る。闇が光を蹂躙する。
だが心せよ―――明けない夜は無いのだと。


【夕方】【D-4ビル街のどこか】

【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:黒化 顔が焼け爛れている 右目にお姉さまの眼が入っている 回復液で回復
【装備】:『破棄すべき全ての手(黒)』ミニ八卦炉(黒)@LSロワ、何でも切れる剣(黒)@サイボーグクロちゃん、
      王蛇のカードデッキ(黒)@仮面ライダー龍騎 黒い青龍偃月刀 ウルトラリング(黒)
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:愛媛に許されるために殺す
1:黒く染まってない奴を優先して殺す
※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。外見はfateのルルブレ。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。
 黒化によって身体機能が向上し、使用制限が緩くなりました。やっぱり発動直前に0.1秒の隙があるようです。
 ファイナルモード『破棄すべき全ての節(ジョイント・ブレイカー)について:
 黒化によってなのはさん的リミットを3番まで開放した限界突破技。首だけに飽き足らずあらゆる関節を切断する百連撃。発動直前の隙があるかは不明。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。 戦闘形態ではウルトラマンレオの能力が使える。
※王蛇のカードデッキにある”ADVENT”のカードはベノスネーカー、メタルゲラス、ダークウイングの3枚です。
※愛媛の黒さに汚染された結果、影から影へ移動する能力を得たようです。有効範囲は不明
※眼が見えませんが、汚染されていない人間の気配が掴めるようです

【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】
【状態】:真・驚きの黒さ
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者(=多数派)の抹殺
 1:本拠地に戻って、次の出番までニコニコ 
 2:生き残ってももちろん熱血王子は許さない
 ※容姿は黒いセーラー服の柊つかさ@らき☆すた
 ※触れたものを驚きの黒さで染めることが出来ます。影ワープ等詳細不明
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます
 ※現実世界にコメントを張ることができます
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視していますが、キャラとしては…?


【夕方】【主催本拠地】

【裸になってすぐアッー~殺意のqwglOGQwIk~@ニコロワ】
【状態】:健康 スッキリ
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って次の出番までニコニコ
 2:地図氏と再会すれば、借りを返す

 ※容姿は阿部さん@くそみそ、性格は古泉@ハルヒ。その名はイイ男。キモカッコゲイ!
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。
 ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます。
 ※ニコニコに自分が見たものを動画としてうpできます。
 ※「まっがーれ↓」と唱えることで色んなものを曲げられます どこまで曲げられるのかは不明

【人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~@ニコロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、次の出番までニコニコ 

 ※容姿やその能力は未だ不明。
 ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。

【ナナシ@テイルズロワ】
【状態】:健康 (ただし左眼がない)
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に戻って皿洗いの続き
 2:次の出番まで縁側で茶を飲む
 3:出会った二人とは生き残っていればもう一度戦う?

 ※容姿はヴェイグ=リュングベル@テイルズオブリバース
 ※氷で武器を生成できます
 ※【異能・姿無き縁の下】
  空気王としての力を解放し、色んなものを「繋ぐ」能力。
  時間だろうがカップリングだろうが何でも繋げるが、その繋ぎが良繋ぎで無いと十分な効果が得られない。


【七氏@テイルズロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず、部屋に帰って茶を飲みながら出番待ち
 2:チャネリングに対する反応を見る

 ※容姿やその能力は未だ不明

【名無し@テイルズロワ】
【状態】:健康
【装備】:なし
【道具】:不明
【思考】:
 基本:主催者側の人間として活動。参加者の抹殺
 1:とりあえず部屋に帰って次の出番まで茶を飲む

 ※容姿やその能力は未だ不明。



【お姉さま@ギャルゲロワ 死亡】

※お姉さまの遺体の傍に『白猫さんから頑張るあなたへバルサミコ酢の差し入れです。大切に飲んでね』という書置きと共に
 オーガドライバー(オーガストライザー付属)@ライダーロワ、首輪(ボイド@漫画ロワ)、
 PS2ソフト「スーパーロボット大戦OG外伝」&PS2本体、ファウードの回復液@アニロワ2nd が置かれています。

※お姉さまのオーガストラッシュで主催本拠地が露出しました。ただし、夜の間はほとんど見えません






237:White Trick 投下順に読む 238:trigger
237:White Trick 時系列順に読む 239:そのチートに賭ける!!
237:White Trick お姉さま 242:ギャルゲロワのなく頃に 想託し編
237:White Trick 熱血王子 246:蟻地獄な僕たち
237:White Trick 裸になってすぐアッー~殺意のqwglOGQwIk~ 241:封印一度
237:White Trick 愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました 241:封印一度
237:White Trick 人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~ 241:封印一度
237:White Trick ナナシ 241:封印一度
237:White Trick 名無し 241:封印一度
237:White Trick 七氏 241:封印一度
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