今・手の中にある・雑学が・脳を・閃かせる

H-4、海沿いの市街地。
ここに、三人の男の姿があった。

「まったく、ひどい目にあったぜ…。」

全身を海水にぬらし、いかにも不機嫌そうに呟くのは蘇った現代の熱血怪人だ。

「いやあ、うっかりしてたね。ちゃんと地図を見ておけばこんなことにはならなかったのに。」

苦笑を浮かべながらそう口にするのは、速筆魔王LX。彼もまた、全身ずぶ濡れである。

「まったく、二人とも修行が足りぬぞ。」

尊大な口調で二人に語りかけるのは、ギャグ将軍。彼だけは下半身の一部しか濡れていない。

「うるせえ!海の上を走るなんて人類にできるか!俺たちはあんたほど常識を無視した存在じゃないんだよ!」

怒った熱血怪人が食ってかかるが、将軍は動じない。

「何を言う。左足が沈む前に右足を出せば水面を歩ける。一億年と二千年前から言われ続けている真理であろう。
烈海王や金剛番長も実践しておる。後は、パプワくんもやっておった気がするな。」
「全部漫画のキャラだろうが!しかも、なんでここでアクエリオンだ!」


さて、この辺でぼちぼち彼らが今の状態に至った経緯を説明しよう。
「いい加減同じ方向に進むのも飽きた」という将軍の鶴の一声により、三人は縦軸に進行方向を変えて進むことになった。
しかし、A-4から反対側に出るとそこは海。ワープしたとたんにヒュー、ボチャン。
で、必死で岸まで泳いで現在に至る、というわけだ。


「む、そういえば途中、波しぶきがデイパックにかかってしまっていたな。
大切な荷物が濡れていなければよいのだが。」

熱血怪人の声など意に介さず、将軍はいそいそと自分のデイパックから所持品を取り出して確認する。
出てきたのはおなじみコーヒーセット。続いてコーカサスブレス&ゼクター、穴の空いたマント。そして、本が一冊。

「あれ?将軍、こんなの持ってたっけ?」

表紙にタイトルだけが書かれたその本に、LXは興味を示す。

「ああ、まだざっと目を通しただけだがな。何せ、ここまでクライシス帝国の指揮官として働きっぱなしだったからのう。」
「で、なんの本なんだ?」

LXが手にした本を、熱血怪人が横からのぞき込む。

「みWiki?これってみゆきさんの通称で、本の名前じゃないんじゃ…。
あー、でも、漫画ロワの死亡者名鑑でみゆきさんがこんな本持ってたっけ…。
なんにせよ、思いっきりハズレ支給品だな、こりゃ。」
「何を言う、知識はすべての基本であろう。多くの知識を持ってこそ、よりよいギャグが生み出せるのだ。
第一、知識を否定して書き手が勤まるのか?」

熱血怪人の発言に、将軍は眉間にしわを寄せて反論する。

「まあ、そりゃもっともだけどさ…。殺し合いの場じゃ必要ねえだろ、こんな豆知識。」

反論に反論を重ねる熱血怪人。その横で、LXはぱらぱらとみWikiのページをめくる。

「んー?なんだかこの本、作りがめちゃくちゃだなあ。」
「お主もそう思うか、魔王よ。その本、書いてある豆知識はまともだが、構成がめちゃくちゃなのだ。
項目がジャンル別でもなければ五十音順にもなっていない。適当に並べているとしか言いようがない。
おまけに、変なところで白紙のページが入っておるし…。乱丁本かのう?」

(確かに、項目の並び方には何の法則性もない…。でも、それがかえって気になるんだよなあ…。
法則性が見あたらないからこそ、何か思いも寄らない法則性が隠れてるような気がして…。)

本を片手に、LXは脳細胞をフル稼働させる。ちなみに将軍は、ぼちぼち飽きてきたのかコーヒーブレイクの用意を始めている。
それについて熱血怪人が何やら文句を言っているようだが、LXの耳には入らない。

(最初の項目が「栗」か…。その次は「備長炭」。そして「稚内市」。うーん、カオスだ…。
あれ?これってもしかして…。うん、この先もつながる…。この白紙のページがピリオドの意味だと考えれば…。)

心地よいコーヒーの香りが、LXの思考を加速させる。

「どうした、何か気づいたことでもあったか?」

LXの表情から何かに気づき、将軍が声をかける。

「いえ、気づいたというか…。まだ妄想の域を出ませんね。もう少し確信が持てたら話します。」
「ム、そうか。」
「何だよ、気になるじゃないか…。」

明らかに落胆の色を浮かべる将軍と怪人に、魔王は苦笑で返す。

(そう、これが僕の考えたとおりのメッセージだとしたら、話は一気に進む。
けど、もし間違っていたら要らぬ混乱を呼んでしまう。
だいたい、これを支給したのは主催者サイドなんだ。罠って可能性だって十分にあり得る。
けど、これが正しいのなら、主催者陣営の中にこのメッセージを紛れ込ませた裏切り者がいることになる。
もしそうだとしたら、脱出エンドが可能性を増してくるな…。
とにかく、まずは確認が最優先かな。その辺に死体が転がってればいいんだけど…。)

そう、事実はLXの推測通り。
殺し合いの役にはまったく立たない。ネタとしても中途半端。出典にも無理がある。
何のために支給されたのかわからないアイテム、みWiki。
実はこの本は、主催の中の対主催である感電からの出血大サービスだったのである。
チート支給品+もう一つのハズレ支給品とセットにしたのも、この支給品の存在が浮かないための配慮だったのだ。

では、みWikiに隠されたメッセージとは何だったのか。それは項目の並び方にあった。

「栗」
「備長炭」
「稚内市」
「阪神タイガース」
「衆議院」
「ロールプレイングゲーム」
「ウサギ」
「東京タワー」
「ニラ」
「モモンガ」
「蛤」
「ズッキーニ」
「セーラー服」
「ルビー」
(白紙)

これを仮名に直し、後は暗号の初歩である縦読みをすれば…。


【夕方】【H-4 市街地】
【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】

【速筆魔王LX@アニロワ2nd】
【状態】健康 、ずぶ濡れ。
【装備】虎竹刀with千年パズル。
【道具】支給品一式、みWiki@らき☆すた?
【思考・行動】
1:首輪をもう一つ入手して、自分の解読が正しいのか確かめたい。
2:このハゲ、ひょっとして……?
3:『白猫』って誰?
4:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく
5:でも別に何エンドでもおっけー

※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。



【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】
【装備】:バヨネット×2
【所持品】:支給品一式
【状態】:疲労(小)、ずぶ濡れ
【思考・行動】
基本:打倒、主催!
1:俺は正義の味方!
2:仮面ライダー書き手の『ライダー魂』を蘇らせる。
3:やっかいなおっさんを仲間にしてしまったorz
4:『白猫』って誰だ?!
5:どこかで鬱展開にもって行きたい……って既に鬱!?



【ギャグ将軍@ライダーロワ】
【状態】:健康
【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ
    ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、
【思考】:
 基本:新生クライシス帝国の結成
 1:電車のごとき速さで『白猫』を探し出してくれよう!
 2:Chain-情の計画に協力
 3:ついでに飲み友達を集める
 4:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む
 5:紅茶を飲むかどうかは保留
 6:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先)
 7:第三回放送の頃には旅館に戻る。



 ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACKです。
 ※ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。
 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。
 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。
 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。
 ※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。
   本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。
   ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。
   真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。
 ※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。
 ※固有結界「コーヒーブレイク」
   優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。
   それ以上の効果は確かめられていません。
   コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。


233:三人で、行こう 投下順に読む 235:意思×支給品=影丸
233:三人で、行こう 時系列順に読む 236:残されたもの
228:なかのひとといっしょ 速筆魔王LX 236:残されたもの
228:なかのひとといっしょ 蘇った現代の熱血怪人 236:残されたもの
228:なかのひとといっしょ ギャグ将軍 236:残されたもの




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最終更新:2008年04月07日 06:57
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