もってかれた!お姉さま

「バイオアタック!」
バイオライダーが液状化し、中を舞う。
少しでも射程範囲から逃げようと、熱血王子はB-9エリアへと進入する。
――――ここでは、二人の奇妙の書き手が戦っていた。
「そこだ!スパークカッター!!」
「チィッ!」
熱血王子の頭上を掠め、バイオブレードが大木を切り裂く。
結論から言うと、現在は圧倒的に熱血王子が押されていた。

理由は、ただ一つ。

「《破棄すべき全ての手》ッ!」
もう何度目になるかわからないリストブレイカーを放つ。
眼にも留まらぬ速さでバイオライダーの両手首を切り落とす、ここまではいいのだ。
「その技は、バイオライダーとなった今の俺には通用しない!!」
切り離された手首がゲル化し、生物のように動いて元の場所へと戻る。
これが、熱血王子が苦戦している唯一つの理由であった。
当たっても、通用しないのでは意味がない。
かといってネックブレイカーは体への負担がかかりすぎる。いやそもそも効かないなら無駄撃ちになってしまう。
呆れるほどのチートと不条理で彼はとても焦っていた。
と、そこで何かが彼の足元に落下してきた。
……もしも、ここで彼がこれを手にしていなければもっと別の結末を迎えられたのだろうか。

「こ……これは!」
ミニ八卦炉。それは本来ジョーカーである◆6/WWxs9O1sの物。
この同時刻、丁度◆6/WWxs9O1sの持つゲートオブバビロンの中身が解き放たれこの場所に降って来た。
ちなみに鬼軍曹はこの後夕方になるまで目を覚まさないのだがその辺は該当する話を読んで貰いたい。
これは天の助けか。すぐさま熱血王子はそれを掴み、叫ぶ。
「『恋符』……マスタァァァァァスパァァァァァァクッッ!!」
直後、紅蓮の炎が噴出しバイオライダーを襲う。
バイオライダーの弱点は高熱。まともに食らえば一溜まりもない。
――――『バイオライダー』が、まともに食らえば。
「ロボライダー!炎の力は、俺のエネルギーだ!」
一瞬でバイオライダーの姿が歪み、炎に体性のあるロボライダーへと変わった。
(炎はエネルギー……拙いッ!!)
直感で熱血王子は『彼に炎を当ててはいけない』と感じ取る。
根性で炎の道筋を変え、無理やりロボライダーの頭上へと逸らす。
炎が二人の頭上にある木々を一つ残らず焼き尽くし、青い空を見せた。
そこから太陽の光が差し込み、マスタースパークの強大さを感じさせる。


















―――― そ の 時 不 思 議 な こ と が 起 こ っ た 。


今は午後、一日の中で最も気温が高くなる時間帯である。
それは、午前中に降り注いだ太陽の熱が地面から跳ね返ってくるから。
地面から跳ね返ってきた太陽の熱とミニ八卦炉の炎による余熱。さらに容赦なく降り注ぐ太陽光。
その全てを同時に浴びたことによりベルト内部に埋め込まれている神秘の石、キングストーンの力が発現して
思わず、その眼を瞑ってしまいそうなほどの強い閃光がバイオライダーの体を包んだ。
「俺は――――太陽の子!!」
光の中から現れたその体は黒く輝き、頭部の触角が雄々しく、そして力強く立ち上がる。
「仮面ライダーBLACK!RX!!」
ポーズを決め、生まれ変わった自分の名を叫ぶ仮面ライダー。
なぜか背景で爆発がしているが、気にしないように。てかしないでください。
「また変わったああああああああ!?」
森の中に熱血王子の絶叫が響き渡った。
それを意にも介さず、RXは次の行動へと移る。
「リボル……ケインッ!!」
ベルトから突き出た柄を掴み、力いっぱい引き抜く。
出てきた所からどんどん光の刃が形成されていき、リボルケインが出現した。
「トァッ!」
「……クソッ!!」
リストブレイカーを短剣として使い、リボルケインを受け止める。
その衝撃はとてもじゃないが受け止められる物ではない。
ウルトラマンレオとしての身体能力を駆使しても鍔迫り合いに持ち込むのがやっとだ。
「レオキック!」
だから、この時はこうするしかなかった。
ゼロ距離からのレオキックを直接RXの腹に叩き込む。
流石のRXもウルトラ戦士の必殺技を受けて怯まぬわけがない。
リボルケインを取りこぼし、腹を押さえて蹲る。
「そこだッ!」
その隙を狙って、リストブレイカーで斬撃を刻んでいく。
一撃。二撃。三撃。確実に傷は増えていき、RXの体力を奪っていく。
何度か攻撃を加えているうちに、ちらりと希望的な考えが過ぎる。
……もしかして、今のこいつにならネックブレイカーが通じるんじゃないか?

もちろん確証はない。ただ他の二つの形態と比べて攻撃が伝わりやすいというだけ。
つか下手をすればまた新しい変化を招くかもしれない。
だがどちらにしろ後悔するのならば、やって後悔する方がいい。
そしてやるなら……今しかない!


「《破棄すべき全ての首……」
「無駄だ!その技には発動から行動までに、0.1秒の隙がある!!」
だが、直前で立ち上がったRXになぎ払われる。
――――まずい、コイツには切り札が利かない。
ロボライダーは固すぎる。
バイオライダーは通用しない。
RXは隙をついて攻撃してくる……ってか、
「0.1秒の隙を見破るって一体何処のチートだああああああ!?」
チートではなく公式設定。現実は非常であった。
熱血王子は奥歯を噛み締めながら確信する。
癪だが――――今は適わない。

別の『一手』が必要だ。強力な武器なり、特殊な能力なり。

何もリストブレイカーが弱いわけではない。ただ、相性が悪すぎただけなのだ。
「……クッ!」
すぐさま近くの林へと逃げ込む熱血王子。
だが、それを易々と見逃すRXでもない。あるはずがない。
「待てッ!」
大地を蹴り、空中で後方一回転。
そのまま両足に有りっ丈のエネルギーを込め、叫ぶ。
「RXキィック!!」


――――突然だが、これを読んでいるあなた方は、この会場がループしているのを覚えておいでだろうか。
この話に至る数時間前に某空気(ry……ゲフンゲフン、もとい某ギャルゲロワ書き手が馬鹿でかい光線をぶっ放し
危うくその延長線に居る全員が一遍の欠片も残さず消滅しかねなかったり、
チームジミーズが考察のために反対側のエリアへ移動すると、丁度そこには狂気の闇メイドがいて
結果的にとはいえジミーズ全滅どころか七人の大量殺害という事態を招いてしまったのは記憶に新しい事と思われる。
特に前者は、その光が命を奪う寸前で別の書き手が方向を捻じ曲げなかったら今頃どうなっていたことか。

……失礼、少し話が逸れた。
とにかく、会場の端にあるエリアの外に出ると反対側のエリアへとワープする仕組みになっている。
たとえそれが物であろうが、光線であろうが、人であろうが。


その頃、B-1エリアでは、死体を前に一人の人間が座り込んでいる。眼は紅く充血しており、ずっと泣いていたことを物語っていた。
死体は心臓を貫かれており、それ以外に目立った外傷はみられない。それどころか満足した表情さえ見受けられる。
死体の名はルーキー。そして人間の名はお姉さま。

――――ルーキーを「死体」にした少女。

「泣くな……泣いたところで、戻っては来ぬ。」
デイパックから出てきたディーはいつになくシリアスモードで語りかけてくる。
nanasinnにより受けた傷は塞がったものの、まだその表情には苦しみの表情が浮かんでいた。
「でもっ、でも……」
口を開くが満足な言葉は出ず、眼からまたすぐに涙が溢れてくる。
手首には壊れた手錠が嵌ったままだ。大方ディーが壊したのだろう。
「ごめんらさい、ごめんなさい、ごめ、ん、なさ、いぃ……」
最早呂律が回らず、届かないと分かっていても謝りの言葉を吐き続ける。
軽く溜息をついたディーが、お姉さまを宥めようと近づいたその時。

「RXキィック!!」
「「!?」」
第三者の声がして、場の空気が変わる。
直後、背後から飛び込んでくる二人の人影。
片方は体が赤く、高町なのはの頭部を持っているなんともカオスな外見。
そしてもう片方は、全身を黒い装甲に包まれ頭部には真っ赤な複眼が二つ輝いている。
「ッ!?」
最初に動いたのはRX――――影の繋ぎ師。
倒れているルーキーの遺体を抱きかかえ、お姉さまの方を向く。
「大丈夫ですか!?」
「!? あの、その……」
てっきり『お前がやったのかッ!』的な反応が来ると思っていたので、素っ頓狂な声を上げた。
しどろもどろになっているお姉さまをディーが制し、傷を押して代わりに受け答えする。
「大丈夫だ、お姉さまに怪我はない。」
「そうですか、それはよかっ……た!?」
不意に語尾が強まる。

ディーが何事かと振り返る前に――――
「丁度、いい。」
「……え?」
――――熱血王子がお姉さまの体を掴みとった。

「ちょっ、ま、待って……」
台詞の途中で熱血王子の手刀が飛び、お姉さまの意識は闇に落ちる。
「貴様ァァッ!!」
「安心しろ、少し眠ってもらっただけだ。」
飛び掛ってきたRXを軽くあしらい、木の上へと飛ぶ。
「待てッ!人質をとるなど、このRXが許さんッッ!!!」
リボルケインを振りかざしながら叫ぶRX。
熱血王子は考えが纏まったのか、高町なのはの顔でニヤリと邪悪な笑みを浮かべる。
「こいつは……こいつは次の放送まで預かって置く!」
「何!?」
ディーが驚愕の声を上げる。
「させるか……グッ!」
手を翳し、攻撃を加えようとするが、傷の所為で力が入らない。
「させるか!!リボルクラッシュ!」
かわりに光り輝く剣を構え、一瞬の間も置かずにRXが熱血王子へと斬りかかる。
「ハッ!」
短く吼え、お姉さまを抱えたまま熱血王子が宙に飛ぶ。
それもその筈、首から下はウルトラマンレオ。飛行能力程度持ってないとおかしい。
斬撃を華麗に回避し、空中を旋回して見下ろす。
「さらばだ…せいぜい放送までに仲間を集めておくんだな!」
最後に一言吐き捨て、熱血王子は飛び去って行った。


「すみません!俺があいつに隙を見せたばかりに!」
変身を解き、手を地に着けて謝る影の繋ぎ師。
それを見下ろすディーは、何ともいえない表情をしていた。
「謝らずともよい。にしても、手酷くやられた物だな。」
言われて初めて影の繋ぎ師は自分の有様に気がついた。
腹部に大きなダメージ。少なくともアバラの数本は役立たずになっているだろう。
それを差し引いてもリストブレイカーでつけられた無数の傷。
常人ならぶっ倒れてもおかしくないほどの怪我であったが、キングストーンの力で何とか立っていられた。
「俺のことはいいんです……それよりも彼女を……」
「無理をするな。このまま向かっても返り討ちに合うのみ。」
顎に手を当て、何かを考え込むディー。
「一つ、頼まれてはもらえないだろうか?」
「何です?」
影の繋ぎ師が聞き返すと、軽く咳払いを一つ。
「我の半身……白い面をした参加者の遺体を捜してほしいのだ。
それさえあれば我の力も戻り、お前の傷を癒すことが出来る。」
「白い面をした参加者ですね、分かりました!」
「ああ、出来るだけ早く頼……む。」
言うが早いか、ディーはデイパックの中へと消えてしまった。
影の繋ぎ師はデイパックを担ぎ、歩き出す。
「白い面の参加者か……なんとしても見つけ出すッ!」



【午後】【C-1 森】

【影の繋ぎ師@ライダーロワ】
【装備】:サタンサーベル@ライダーロワ、シャドーセイバー@ライダーロワ
【道具】:カラオケマイク@現実、ディー
【所持品】:支給品一式
【状態】:腹部に大ダメージ、全身に切り傷。クライシス帝国への激しい怒り。
【思考・行動】
基本:殺し合いには乗らない
1:ぶ っ ち ぎ る ぜ
2:白い面をした参加者の遺体を探す。
3:熱血王子を見つけ、倒してお姉さまを助け出す。
4:逃げたクライシス帝国の手下を見つけて倒す
【備考】
※変身体はシャドームーンです
※いきなりロボライダーに変身可能になりました。ぶっちぎりです。
※早くもバイオライダーにも変身可能になりました。やっぱりぶっちぎりです。
※ようやくBLACK RXにも変身可能になりました。果てしなくぶっちぎりです。
※ついでに首輪が取れちゃいましたが、どこまでもぶっちぎりです。
※ディーは制限により弱まっています。そしてそれが原因でちょっと逝ってます。きっとぶっちぎりです。
※ギャルゲ版最速の人の死体を見つけると、もしかしたらディーの力が少し復活するかもしれません。
 また、その後ディーがどれだけ協力してくれるかは、次の書き手さんにお任せします。




(誰かつけているな……先ほどの奴とは違うようだが。)
ちらりと後ろを振り返ると、自分をつけているのは蝙蝠。
しかも硬質化した皮膚を持つ特大の化け物蝙蝠。
(……なんだ、アレ?)
軽く対処しようとして、やめる。
今の自分にはあの黒い奴に対抗出来る新たな『一手』がある。
蝙蝠ぐらい後でどうとでもなるさ。

――――ここで熱血王子は気付くべきだった。
――――ダークウイングの狙いが、自分ではなくお姉さまの方である事に。

――――さて、どうなる?



【午後】【E-1 森】

【熱血王子@漫画ロワ】
【状態】:疲労(大)、全身に軽い打撲、顔面に小ダメージ
【装備】:『破棄すべき全ての手』ウルトラリング 、ミニ八卦炉@LSロワ
【所持品】:支給品一式
【思考・行動】
基本:手首と言わず全ての首を狩り尽くし、復讐を果す。
1:次の放送まで体を休め、その後戦闘。
2:三人を倒した後でお姉さまの手首そして全ての首を駆る。
3:666とネコミミストと会ったら今度こそ手首そして全ての首を狩る。
4:逃げていった最速の人達をもう一度見つけ出し、手首そして全ての首を狩る
※変身後の姿は銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです。
※変身前は、ウルトラマンメビウスのヒビノ=ミライの様な容姿です。
※第一回放送の前半を聞き逃しました。
※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】
 一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。
 真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。
 ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て勝手に作った。
 ブラスターモード『破棄すべき全ての首(ネック・ブレイカー)について:
 このモードは『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』の強化版。
 真名を解放しながらの攻撃は、相手の首と名のつく場所、つまり両足首・両手首・両乳首・首の合計7箇所に高速無比の斬撃を同時に繰り出す。
 乱発すると身体がもたないので、最後の切り札的な位置づけです。ちなみに発動直前に0.1秒の隙があるようです。
※【『ウルトラリング(書き手ロワ特別バージョン)』】
 透明な麻雀牌がついた指輪と、レイジングハートがついた指輪の二つで一つ。
 この二つを合わせる事により、戦闘形態へと変身を遂げる。
 戦闘形態ではウルトラマンレオの能力が使える。

【お姉さま@ギャルゲロワ】
【装備】:青龍偃月刀、ディー、胸に穴のあいたチャイナ服
【所持品】:支給品一式×2、首輪(ボイド@漫画ロワ)
【状態】:気絶、やや体温上昇、精神疲労、悲しみ
【思考・行動】
基本行動方針:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出。
0:???
1:ごめんなさい……
2:戦う覚悟。
3:ハクオロの姿をした参加者……候補のロワは三つ(ギャルゲ・葉鍵・アニロワ1st)か。
※容姿はくれないの長髪でスレンダーな美少女。というかまんま東方の中国w
※性別は未だ不明。
※ディーにより東方キャラに変わる力を得ました。何に変わるかはディーの気分次第。確率的には咲夜が高い。
 やばすぎる能力には制限がかかってます。
※胸はパッドです。
※ディーも性別についてはしりません。
※ディーが手元に居ないため、もしかしたらディーの力が消えて、カレーの侵食が更に侵攻するかも知れません
※母乳弾幕が使用可能になりました。設定や詳細は後の書き手さんにお任せします。
※パンタローネの死体と支給品は消し飛びました
※ルーキーの死体は胸に穴が開いており、手にパッドを握りしめています
 ピストル(0/15)がその付近に落ちています

225:小さな愛の物語 投下順に読む 227:Twin Black
223:エロス頂上決戦終幕――そして。 時系列順に読む 227:Twin Black
217:あるがままに/君らしく、誇らしく お姉さま 231:今ここにいる私
200:風雲?ロワ本編?何それ? 熱血王子 231:今ここにいる私
200:風雲?ロワ本編?何それ? 影の繋ぎ師 239:そのチートに賭ける!!
217:あるがままに/君らしく、誇らしく ディー 239:そのチートに賭ける!!

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最終更新:2008年04月06日 23:59
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