旅館に泊まってすぐ堕ちる~狂気の闇メイド~

永遠のうっかり侍と焦ったドラえもんの二人は、更地と化したG-8からG-9の旅館へ移動してきていた。
そう、これまで旅館というとG-8しか描写されてこなかったが、
地図を見ればわかるとおりその周囲にも旅館はあるのである。

「ドラえもん殿、まずはゆっくり休んでくだされ。」
「うん、ありがと…。」

うっかり侍がひいてくれた布団に、焦ったドラえもんは身を横たえる。
彼女が受けた攻撃自体はでたらめに強いというわけではなかったが、どうも当たった場所が悪かったらしい。
未だにダメージが抜けきれていないのが現状だ。

「少し休めば、きっとよくなるはずです。周囲の警戒は某に任せて、回復に専念してくだされ。」
「何から何まで悪いわね、うっかり侍さん。」
「何を水くさい!仲間ではありませんか!」
「仲間、か…。」

ふいに、ドラえもんの表情が曇る。

「ねえ、うっかり侍さん。今もまだ、Chain-情のこと信じてる?」
「信じている…と言うよりは、信じたい、というのが本音です。ただの現実逃避かもしれませぬ。
ですが某はChain-情殿が見せた殺人者への怒りが、その殺人者にすらいたわりの言葉を贈る優しさが、
すべて偽りだったとは思えぬのです!先ほどの姿が、Chain-情殿の真の姿のはずがない!
きっとあれは、他の参加者に操られていたか何かにちがいありません!」
「そっか…。すごいね、うっかり侍さんは…。私にはそこまで人を信じられないや…。」
「ドラえもん殿…。」
「ごめん、変なこと言っちゃって…。少し寝るね。」

申し訳なさそうな表情を浮かべ、ドラえもんは頭から布団をかぶる。そして数分後には、
安らかな寝息が聞こえてくる。

(もう眠りに落ちたか…。まあ、無理もない。おそらく、このロワが始まってから
まともに休息を取っていなかったのでしょうな…。そういえば某も…なんだか…眠く…。
って、いかんいかん!某まで寝てしまっては、誰かに襲われたときにどうにも出来なくなってしまう!
眠気覚ましも兼ねて、ドラえもん殿が目覚めたときのために粥でも作るか…。)

そんなことを考え、うっかり侍は部屋を後にする。しかし彼女は、ここでひとつのミスを犯した。
それは自分の持つ唯一の武器である、斬鉄剣を部屋に置きっぱなしにしたこと。
そしてこれが、直後に「うっかり」では済まされない事態を生むのである。

◇ ◇ ◇

焦ったドラえもんは、夢を見ていた。


(もっと………!)

何、この声。どこから聞こえてくるの?

(もっと………を!)

何?なんて言ってるの?

(もっとマーダーを!)

え?

(もっとマーダーを!)

(もっと疑心暗鬼を!)

(もっと巨乳の活躍を!)

ちょっと、何言ってるの?っていうか、最後のだけなんか違くない?

(おまえがやれ!)

(さあ、おまえがやるんだ!)

冗談はやめてよ!最後のはともかく、他の二つはすすんでやりたいような展開じゃないっての!
ノゥ!絶対にノゥ!

(だがおまえしかいない!)

(疑心暗鬼フラグを抱えているのはおまえぐらいしかいない!)

(生き残っている巨乳もおまえぐらいしかいない!)

(さあ、やるんだ!!HURRY!HURRY!HURRY!)

何なの、これ。毒電波?私の心が…無理矢理変えられていく…。やめて…。やめて。
やめてぇぇぇぇぇぇ!!

◇ ◇ ◇


「よし、こんなものか…。」

ここは旅館の調理場。うっかり侍はそこにおかれていたわずかな米を使い、おかゆを完成させていた。
ちなみに塩と砂糖を間違えるというお約束のうっかりをやっているのだが、本人はまだ気づいていない。
そして、状況もそれどころではなくなってきていた。

コトリ、とうっかり侍の背後で物音がする。

「おや?ドラえもん殿、もうお目覚めで…。」

振り向いたうっかり侍の目に映ったのは、銀色に輝く刃。

「!!」

危険を察知し、とっさに横に飛ぶうっかり侍。だが、間に合わない。

「あああああ!!」

吹き上げるのは、悲鳴と血しぶき。床に転がるのは、うっかり侍の左腕。
肘のあたりから下が、バッサリと切断されていた。

「へえ、さすが斬鉄剣。骨まで簡単に切断できちゃった。」

メイド服を血に染めて、ドラえもんは言う。その顔に、感情はいっさい浮かんでいない。

「い、いったいどうなされたのですか、ドラえもん殿!」

声を震わせながら、うっかり侍は言った。肉体の痛みも、当然半端ではない。
だがそれ以上に、仲間に襲われたという精神的ショックが彼女を苦しめる。

「だって、うっかり侍さんはChain-情を信じてるんでしょ?
私にとって、Chain-情はもう敵だもの。敵の味方は敵だよ。」

そう返すドラえもんは、相変わらず無表情。だが、その目だけが異様な雰囲気を醸し出している。
武装錬金的に言えば、「濁ったどぶ川のような目」だ。

(あの目、正気ではない…。いったいこの短い時間に何が…。ええい!考えるのは後だ!
今は多少手荒になっても、彼女を止めねば!某が死んでしまっては、説得も何もない!)

意を決し、うっかり侍は傍らに置いてあった包丁を握る。

「へえ、そんなので私と戦うつもりなんだ。こっちには斬鉄剣だけじゃなくて、
ドラゴンころしやバルスカもあるんだよ?勝てるわけ無いじゃん。」
「なんと言われようとも…。某は貴殿を止めねばならぬ!」
「ふうん。これまで一緒にやってきたよしみで、楽に殺してあげようと思ったのに…。
しょうがないや。なんだか新しい力も手に入ったみたいだし、全力で殺してあげるよ。」

微妙にいらだちを感じさせる声で言うと、ドラえもんは改めて斬鉄剣を構えた。
それに呼応するように、うっかり侍も残された右手で包丁を構える。

(こちらは片手、しかも得物は包丁。絶望的な戦力差だな…。だが、それでも退くわけには行かぬ!)


メイド対メイド、開戦―――。

【午後】【G-9 旅館の調理場】

【永遠のうっかり侍@ギャルゲロワ】
【状態】:全身各所に刀傷、左腕喪失
【装備】:ティアナのメイド服@アニロワ2nd 、出刃包丁
【道具】:支給品一式、パロロワ衣服詰め合わせ
【思考】:
 基本:主催を打倒し皆で元の世界へ帰る。殺し合いに乗った人間は斬り捨てる
 1:なんとしてでも焦ったドラえもんを止める
 2:Chain-情のことは信じる…というか信じたい
 3:再び漆黒の龍と孤高の黒き書き手を探しにいくか検討する
 4:対主催チームの一員として尽力

 ※容姿はトウカ@うたわれるものです。(ただし耳は普通の人間のもの)
 ※私立真白学園中等部の制服@アニロワ2ndを破り、包帯代わりに全身に巻いています。



【焦ったドラえもん@漫画ロワ】
【状態】:腹部にダメージ(大)、闇メイド
【装備】:斬鉄剣@ルパン三世、核鉄(バルキリースカート)@漫画ロワ、朝比奈みくるのメイド服@アニロワ1st
【道具】:支給品一式 、銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴンごろし@アニロワ1st 、他にまだあるかも
【思考】:
 基本:私の敵はみんな殺す。
 1:うっかり侍を殺す。
 2:Chain-情も見つけたら殺す。
 3:一応まだ対主催ですが、何か?
 4:巨乳はパロロワで活躍できないとか言うなー!

 ※容姿はセラス@ヘルシングです。
 ※驚きの黒さに染まりつつあるため、口調が柊つかさ@ニコロワっぽくなっています。
  一時的なものか、今後も続くかは次の書き手さんにお任せ。
 ※チート的な何かに覚醒しました。tu4氏が空気キャラの能力を使えるように、他の巨乳キャラの能力が使えます。
 【銀河ヒッチハイクガイド】
 全書き手のトリップや代表作など、パロロワに関する全てが記されています。
 ただし、容量の都合で記述が切り詰められている箇所も多々あり。
 【核鉄(バルキリースカート)】
 主催者の改造(嫌がらせ)により、発動の度に若本規夫ボイスが再生されます。※台詞はランダム。

215:空気でもいいよ 投下順に読む 216:あるがままに/君らしく、誇らしく
214:闘争制覇者 時系列順に読む 216:あるがままに/君らしく、誇らしく
197:静かなる~Ge-道~ 永遠のうっかり侍 219:Blitzkrieg――電撃戦 (前編)
197:静かなる~Ge-道~ 焦ったドラえもん 219:Blitzkrieg――電撃戦 (前編)

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最終更新:2008年04月06日 23:42
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