「とくと見な!これがあたしの切り札、ビームバズーカさあ!」
底上中の残月が取り出した物は筒状の物体だった。
なるほど、形としては小振りなバズーカ砲に見えないこともない。
砲身にはトリガーもついてある。
が、その先端には弾頭が発射されるはずの穴は開いていない。
レンズ状の物体がはめ込まれているのだ。
「っち、なるほど確かに厄介そうな武器ではあるな」
スタンド『ホワイトアルバム』はスケートスーツに似た装着型のスタンドである。
冷気を操り物の運動を止めたり、氷の壁で攻撃を反射できたりもし、中々に防御面に優れている。
しかしビーム兵器の熱量・速度は侮れない。
漫画補正があるから大丈夫な気もするが、妙にリアルに気づけば死んでいたという展開もありうる。
じりりと僅かに後ずさるKing of 脳内補完。
砲身を安定させ引き金に手を添える残月。
「あたしとしても、あんたとはやり合いたくない。考え直してくれないかい?」
「何言ってやがるババア、んなことできるわけねえだろがあ!」
「そうかい、ならしかたがないねえ、後で後悔しな!」
脳内補完が反射技ジェントリー・ウィープスを発動させ、残月がトリガーを引く!
迸るのは極光の洗礼、迎え撃つは水晶の防壁!
光とクリスタルがせめぎ合うそのさまは、一種幻想的なものであった。
そんな光景が、広がるはずだったのだ。
素晴らしきフラグビルドは絶句する。
カチン。
「嘘……」
カチン、カチン。
響く。少女を絶望に叩き込む音が。
空しく、虚しく、世界に響く。
「ひゃあっひゃっひゃっひゃっひゃ!こりゃあいい、何の冗談だあおい?
あれかあ、天が俺に味方したって奴かあ?ひっひっひい」
響く。男の笑い声が。
けたたましく、世界を犯す。
「動作不良かあ?さっきの戦いでなんか壊したかあ?どうでもいいが、傑作だな!」
表情を愉悦で歪ませ、脳内補完が防壁を解除する。
もはや相手に攻撃手段はない、ならば気晴らしに痛ぶるのみ。
対する残月は舌打ち一つを残し、あっさりと巨砲を手放しファイティングポーズを取る。
「ふん、あんたには拳骨で十分だよ」
「ぬかせババア!精々外見相応豚のように鳴け!」
こうして、最初から勝敗の決まった戦いが、幕を開けた。
『熱■怪@、序盤*目立って∀んだがなー』
『書き手ロ£はリアルでも♪き手同士の戦〒だぜ 』
『とこ¢で最近投$速度が速〆ぎて把握が追いつか▼いから書くのを♂念したぜorz』
『なにそ◇カオスな必▲技w』
ああもう、うるさいよ、あんたら!
やれやれなんでこんなことになっちまったんだろうねえ。
底上中の残月はため息をつく。
気がつけば見ず知らずの場所へ呼び出され、殺し合いを強制されていた。
わけがわからなかった。
そもそも自分は果たしてこんな老婆だったのだろうかと、当初は疑問を持ちさえした。
ただいくら考えてもこの会場に連れてこられるまでの自分を思い出せず、
それならばと取り敢えずホテルに火を着け人を集めることにした。
その目論見は見事に外れたが結果的に続けざまに人に出会えた。
ああそうだ、カレーを食べたりもしたんだった。
「っは、まだ立てるだけの力があるのかよ、クソババア」
中々にうまっかったねえ、あれは。
また5人で食べるのもいいかもしれないねえ。
いんや、後ろの坊やに嬢ちゃんも加えたら7人さえ。
だからまあ、ちょっくらがんばるとするさね。
「残月さん、どうしてそこまで!?」
残月は夢想する、ありし過去のひと時を。
彼女は望む、それ以上の未来の日々を。
故に彼女は立ち上がるのだ、その身にどれだけ傷を負おうとも。
「ふん、あたしの半分も生きていない小僧が、なに粋がってんだい」
ひどい怪我だった。
その巨体は幾つもの氷槍で貫かれ、白い肌は血と凍傷で赤く青く染まっており、
脂肪に覆われどう考えても直視したくなかった肉体は、別の意味でも見るも無残な姿と化していた。
もともと全裸の彼女は防御面では紙と言わざるを得ない。
にも関わらず彼女は立ち続けたのだ。
ただ後ろで泣く仲間を守るために、彼女の涙を拭う為に。
「てめえ、今の状況わかってんのかよ、ああ!」
「ああ、よくわかってるさね、ガキがつまんない癇癪起こしてるってことはさ」
女の子を泣かす大馬鹿者を連れて帰る為に。
「癇癪、だと?俺は俺を殺された復讐をしているだけだろおがあ!当然の権利だろ!!」
そして何より、書き手としての己を貫くために。
「当然の権利?っは、だからあんたはいつまでたってもガキなのさ」
Chain~情~が起きていたのなら、彼の心を揺さぶったかもしれないその事実を、
しかし残月は下らないとばかりに切って捨てる。
「なん、だと?」
復讐。
それは人が人を傷つける動機として最も世間に受け入れられやすいものである。
地位、名誉、財産、誇り、恋人、親友、家族、師弟等々。
どれもがほぼ全ての人にとって大切なものであるが故にだ。
ならば自らの同一存在を殺した相手に復讐するのもまた受け入れられてしかるべきではないか?
多くの人は納得するだろう。
あるいは起きえないそんな状況のことは考えられないと判断するだろう。
どちらも正しい答えである。
だが、書き手としてはNOと言わざるをえない!
「はっきり言ってやるよ、KING OB 脳内補完。いや、ブリリアント・ダイナマイト・ネオン。
あんたは、間違えちまったんだよ」
「てめえ、どうしてもう一人の俺の名を!?」
「マオVS金田一を書いたのは誰だと思ってるんだい?
変な力を手に入れたのは自分だけだと思わないことだねえ」
「まさか、ギアスってやつか!?」
「うるさいったらありゃあしないさ」
彼らは知らないことだが、これもまた例のカレーの影響である。
他の書き手に比べて覚醒の遅かった残月も、フラグビルドの螺旋力の発動に触発され、遂に新たな力を得たのだ。
マオ式ギアス――すなわち心を読む力を。
「っくそが、だがそれならなおさら俺の動機の正しさが分かるはずだろが!?なのにどうして否定しやがる!?」
「衛宮士郎とアーチャー、ハクオロとディー、佐山御言と戸田命刻」
残月は告げる。
パロロワにおいて幾度か参加者として選ばれたキャラクターの名前を。
それこそが脳内補完に対する答えだと言わんばかりに。
「何言ってやがる、おい!」
「まだわかんないのかい?あんたがやっていることは彼らを同一キャラとして扱うのと同じなんだってことが!!」
そう、パロロワの世界では同一存在という前例は、全くないわけではないのだ。
並行世界の同一存在的な存在である佐山達の例はともかく、
半身や未来の自分という意味で前述の二例はこのロワにおける書き手の分裂現象にある意味近い。
だがロワ本編において彼らは何か思うところはあったとはいえ、
もう一人の自分とは別存在として最後まで己を貫いたのだ。
「!!」
「どうやら理解できたみたいだねえ、KING OB 脳内補完。
未来の自分?本来の片割れ?っは、それがどうしたってんだい!
『ブリリアント・ダイナマイト・ネオン』と『KING OB 脳内補完』。
あんたらそう区別されて呼び出されたんだろ?
だったら別キャラとして動いてこそ書き手じゃないのかい?ええ!」
「そ、それは……」
あまりの残月の気迫に、圧倒的に有利なはずの脳内補完が押し負ける。
事実そのことを理解していたからこそ、他の書き手は自分自身の復讐になどはしらなかった。
まあ、それこそアーチャーのようにもう一人の自分を目の敵にしている人達ならいたが。
「うわあああああああああああ!!」
書き手としての誇りを揺さぶられたからだろう。
脳内補完が唸りをあげ氷の飛礫を残月にぶつけ続ける。
だまれ、だまれと悲鳴をあげながら。
だが、まだだ。
まだ残月のターンは終わってはいなかった。
「ところであんた。自分が最初に言った言葉、覚えているかい?ああ勿論ブリリアント・ダイナマイト・ネオンが言った言葉さ。
キャラ死亡に関して色々読み手の反応に文句を言っていたじゃないかい。確かこんなかんじだったかねえ」
螺旋力の影響で、したらばどころかWIKIや毒吐き別館の声すら聞き取る力で、
かってB・D・Nがあげた恨み言の数々を朗読していく残月。
尚ホテル放火の悪影響については聞かないふりである。
「それで?今のあんたがやってんのはなんだい?
KING OB 脳内補完はブリリアント・ダイナマイト・ネオンというキャラを殺されたことに文句タラタラじゃあないかい。
あっはっは、それどころかむしろ自分を殺されてむかついたネオンが脳内補完の意識をのっとて復活したともとれるねい。
そうじゃなきゃあ脳内補完の小僧は他人に流されてばかりのダメ人間さ。
立派な復活じゃあないか。あんたがやったのはあんたが嫌う身勝手な奴らと同じなんだよ、ボケがああ!!」
そう、まさに今のKING OB 脳内補完は、ブリリアント・ダイナマイト・ネオン
「黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
「見せてやるよ。これが空気を読み、読み手と力を合わせ、されど自分を貫く書き手の力さ!」
「グラビティ・ニュークリア・ダイバー!!!」
グラビティ・ニュークリア・ダイバーとは、書き手バトルロワイアル2nd感想・雑談スレにおいて、
とある住人が発案した技である。
曰く、ギャルゲロワのマーダーな書き手が得意の現地調達で、
二次スパの核ミサイルを登場させてミサイルの上に乗って敵に突撃するという珍必殺技である。
核ミサイルを現地調達など、どこの世界だと突っ込みたいが、
このロワとあのギャルゲロワの書き手ならそのまま実現しても納得しそうなところが恐ろしい。
制御不能のギアスの力は、したらば掲示板すら飛び越えて、残月に一つの可能性を示したのだ。
そう、彼女の支給品、携帯型レーザー誘導装置@ハカロワ3の持つ可能性を!
「な、何いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
カパリと残月がその口を大きく開く。
その中からにょきにょきと姿を現す円錐状の物体。
ご丁寧にあまりに有名なマークつきのそれは即ち、
「「核ミサイルだと!?」」
「がっはっは、たまげたねい、まさかこんな所から出てくるとはねい」
残月が期待通りミサイルにコクピットが付いているのを確認して低空を飛翔するミサイルに飛び乗る。
二次スパロワとは違いマニュアル操縦なことには気にしない。
あ、このミサイルも言うまでもなく、例のカレー出身である。
どうもイングラムの名残がコクピットとして表れたらしい。
おまけに2本の機械の腕まで生えていたりする。
「さあ楽しいお空のドライブにいくとするかい!」
「はかりやがったな、ババア!」
着弾までレーザーを照射し続けなければ誘導できないという欠点を補うため、
あえて開戦直後に一芝居打ってこっそりと照射状態のまま投げ捨てたのだ。
さすがの残月もまさか自分の口から発射されるとは思っていなかったようではあるが。
脳内補完が気付いた時にはもう遅い。
そもそも精神的に不安定な今の彼が本人も予想していない天然の不意打ちに対処できるはずがない!
「あんたの間違いは自分の信じる自分を信じられなかったことさね!」
言い放つや否やミサイルの進路を変え、鉄腕で脳内補完を捕獲した核ミサイルが天へと昇る。
繰り返すが残月が無理やり制しているのは核ミサイルなのだ。
何らかの拍子に爆発すれば全員無事では済まない。
特に行動不能のフラグビルドとChain-情はどう考えても逃げ切れないだろう。
だからまあ、とりあえずは海の上ででも爆発させて、
その前に自分たちは飛び下りれば脳内補完も二人から切り離せてちょうどいい。
そう考えてミサイルを御す残月は見た、今にも泣きだしそうな少女の姿を。
どうやら一仕事残っていたようだと首をまわし老婆は叫ぶ。
「いいかい、嬢ちゃん。さっきの言葉はあんたにもあてはまるんだよ。
あたしのキャラじゃないがね。あんたの信じるあんたを信じな。
フラグがなんだい!大事なんだろ、その坊やがさ。なら、素直になりな」
脳内補完が喚く。
ミサイルが天を行く。
もう残月からは少女は見えない。
それでもギアスは少女の声を老婆に届けた。
『無事に、帰ってきて、ください』
それは信念をも凌駕した大切な仲間への祈り。
「はっは、あたしにまで素直になっちまわないでもいいのにねえ
全く、れっきとした死亡フラグじゃないかい」
傷だらけの残月は無理をおして嬉しそうに笑いながら天を行く。
目指すは南、I-4~6に広がる海。
果たして、旅路の果てに残月と脳内補完は何を見る?
【静かなる ~Chain-情~@アニロワ1st】
【状態】:疲労(極大)、気絶
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×4、
【思考】:
基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
0:気絶中
1:???
2:フラグビルドを保護
3:シルベストリとコロンビーヌ。そして、襲撃者はどこに……?
4:とにかく首をどうにかしたい
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
※ビックバン・パンチ。命を犠牲にして放つ最強の一撃。不発でもそれなりの破壊力ですが、一時間以上は気絶します。
※フラグビルドを失いたくない、と思えました。
【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:疲労(超絶大)、全身に火傷(小)、指パッチン使用不能(放送後しばらくしたら使えます)
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ 元々着ていた服
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)
コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ
お徳用原作パロロワ全生首セット(目玉セット他に換装可能) &原作パロロワ全手首詰め合わせ今なら腕も付いてくる!
【思考】:
基本:フラグを立てて立てて立てまくる。でも、時に感情優先。
1:Chain-情を介護する。
2:体力が本気でやばい。死にそう。
3:静かなる ~Chain-情~と素敵なフラグを立てる
4:残月には死なないでほしい。
※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。
※静かなる ~Chain-情~を本気で失いたくないと思いました。
※携帯型レーザー誘導装置@ハカロワ3がG-7に転がっています。
ただしまだ使えるのか、そもそも次に何がどこから飛んでくるのかは不明です。
【H-7上空】
【King of 脳内補完@漫画ロワ】
【装備】スカウター、蟹座氏のパンティ(紺と白のストライプ)
【所持品】支給品一式、ウルトラミキサー(故障?)
【状態】悩み、動揺
【思考・行動】
基本:ステルスマーダーとして参加者は皆殺し
1:お、俺は……
2:やべえ、ホワイトアルバムじゃ首の穴があるから、放射能は防げねえ!
※中の人がB・D・Nであったために、人肉カレーがきっかけで異世界の自分、
およびもう一人の自分と記憶がシンクロしました
※スタンド『ホワイトアルバム』が使えます。氷を使うスタンドらしいです。詳しくはググレ。
【底上中の残月@アニロワ2nd】
【状態】全裸、全身に重い切り傷・凍傷
【装備】腕とコクピット付き核ミサイル
【道具】支給品一式、放火セット(燃料、松明、マッチ)
【思考】
基本:対主催を集めて主催者を打倒する
1:核ミサイルを海上or海中など被害のないところまで飛ばす。
2:その後脱出
3:King of 脳内補完も助かるようにしたい
4:さてあとどれだけもつかねえ
※容姿はドーラ@天空の城ラピュタです。
※全裸主義者なので服を着ることをいやがります。
※もちろんBIN☆BINです
※不明支給品は携帯型レーザー誘導装置@ハカロワ3でした
※マオのギアスに覚醒しました。
螺旋力の影響である程度気合いでコントロールできます。
抑制しなければ毒吐き別館やチャットの住人の心も読めます。
ただその場合、原作のマオ同様声が入り乱れてはっきりと判断できず、
負担も大きいです。
※携帯型レーザー誘導装置@ハカロワ3
目標に向かってトリガーを引き、レーザーを照射させることによって
目標に対地ミサイルによる精密爆撃を行うものである。
着弾までレーザーを照射し続けなければ誘導できないのが欠点であるが、
命中すれば民家程度なら簡単に全壊させるほどの威力がある。
最終更新:2008年03月02日 07:57