愛の巣


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死者スレの一角に立っている蝶豪華ホテル――『バーニング・ムーン』
その中のとある階、とある部屋。その一室がある2人の愛の巣となっていた――……。


 ◆ ◆ ◆


「るるるるるるるるるるるる――……」

この台詞だけでもう全部解った。続きを書く必要はないよ……という感じではあるが、しかし話は続く。

「あ、あの……そんなにひっつかなくとも……」

るるる……は勿論、るるるのるいずこと、美形元帥。名前の通りに美しく愛らしい少女だ。
でもって、その『犠牲者』は――激動のトウカリョウ。彼女と最後の夜を共にし、激しく尽きたあの男である。

「るるる……♪」

この美形元帥、生来よりるるるとしか発言できぬ――といった感じの美形元帥。トウカリョウにべた惚れ。
刷り込みだというのだろうか……、出会い、そして一緒にここに来てから後、彼女は彼にくっついたままである。
寝るときも、食事の時も、着替えも、お風呂もトイレ(!)も――、まさに『ルイズは俺の嫁』状態。

「あぁああ……、だめだから。ソコはだめ~……!」

しかし、それを羨むものはこの死者スレのどこにもいなかった。
やっぱりルイズじゃなくてるるる……だし、それに彼の逞しい全身に刻み込まれた小さな噛み傷。
でもって。テッカマンも月までぶっとぶバイタリティ。ハイテンション。常人ならば、死者スレでも死にかねない。

「る? ……――る! るるるるるるるる~☆」

やはり安心するのであろうか、死者スレ内でもそれぞれの書き手は見知った同ロワ同士で集まっていることが多い。
だけど、彼らに近づくものはいない。完全に危険物扱い。実はこのホテル内にはこの2人だけである。

「引っ張らないで! 取れるから! や、や、ややぁぁああぁあ~!」

美形元帥が暴れるたびに部屋が破壊されるので、今いる部屋もずっと住んでいた部屋ではない。
広い部屋中に、プリンのカップやクッキーの欠片。カラフルな金平糖。空の牛乳瓶。キャラメル味のポップコーン。
蜜柑のジャム。青いサイダーの瓶。踏み潰されたマシュマロ。透明なキャンディー。溶けたアイスクリーム。
……と、一杯のお菓子が散らばっているが、それも昨日今日だけでのことである。
しかし、部屋はすぐにぶっ飛ぶし彼女をぶら下げたままじゃ無理だと、トウカリョウは掃除を諦めた。
ちなみに、一番最初に選んだ最上階のロイヤルスイートはその日の内に消滅している。

「るるるるるるるるるるるるるるるるるる――…………」


 ◆ ◆ ◆


甘い甘いピンクの毒入りストロベリージャム。
終わらないそれに考えるのをやめたくても、瞼にかける砂は品切れ。
次の入荷はいつかと聞いても、荷を運ぶ馬は鼠に化けて逃げたと言う……。
金の鎖。白い紐。青いリボン。真鍮の針金。雷を帯びた鯨の髭。なによりも強い、赤い糸。
神様からの贈り物が坂を転がり、鉄の門を抜け、茨の道を通り、紫の池を越え、地獄に落ちてゆくとしても、

――わたしは絶対にコレをはなさない。


 ◆ ◆ ◆


昨日も、今日も、明日も、その先も――多分、彼女は幸せだろう。そして、彼も幸せになれるよう遠くから祈ろう。




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