予告通りに朝6時からの放送はつつがなく行われ、そして終了した。
舞台の隅々にまで行き渡るよう大音量で流されたそれが過ぎ、そこに再びの静寂が訪れる。
「……彼のことだからてっきり遅刻するかと思ってたけど、意外と『きっちり』だったわね」
立ち並んだ建物の隙間から射し込み、ガラス窓や観葉樹、複雑な形の壁面に跳ね返る陽光。
複雑な幾何学模様を描いて降り注ぐそれを、真っ直ぐで黒い髪で受け止めながら彼女はそんなことを言った。
スタンダードなデザインのセーラー服に身を包む彼女は一体何者か――?
万物に表と裏があるというのならば、その狭間に中庸が存在するのもまた道理。
そう。手にした地図へときっちり書き込みを済ませる彼女の正体は、マスク・ザ・ドS――その真中面である。
先刻までは表面である糸色望の姿を取っていたドSであったが、Sっ気を発揮する相手が目の前からいなくなったので
汎用アサルトタイプである真中面――木津千里の姿へと今は姿を変えているのであった。
また、地図もフラグも状態表もきっちりしておかないと気がすまない彼女は、放送を聞くに当たっては最適の姿である。
「28.5714285714285714285714285714288714……285714……285714……って割り切れないじゃない!?」
彼女が放送を聞いての感想は、24/84は割り切れない数字であったということだった。
死んだ人間の名前などには一切の感傷を得ていない。せいぜい、目をつけているtu4氏の生存を確認したぐらいだ。
「次の放送では割り切れる数字にしないとね。できれば50%丁度がよいわ」
そう一人ごちると彼女はきびきびとした姿勢で真南の方角へと歩き出した。
目的地は温泉及び隣接する温泉宿。おそらくはそこに対主催とネタ要員が集まっていると推測して――。
◆ ◆ ◆
一軒の温泉宿を対主催の砦とし、その中で一際高い棟の最上階を見張り台とし警戒の目を走らせていたChain-情は、
少し前に聞いた第一回目の放送を思い出して憂鬱な気分になっていた。
「(……24人)」
参加者がロワに馴れしんだ書き手達だから、そう簡単には殺しあわない。
そう希望的な観測を持っていたが、実際には書き手達だからこそ嬉々として殺し合いに勤しんでいる。
そう判断せざるを得ないと、Chain-情はあの時痛感した。
そして、積極的なマーダーでなければそう殺害数を稼げない第一回放送までの間で24人死亡となると、
少なくとも死者の半数……最悪の場合、死者と同数のマーダーがいると推測される。
ならば、生き残った60人の内約3分の1がマーダーということになる訳だ。
パロロワのお約束に則れば、これから第二放送までの間は死者が増える傾向にある。つまり……――。
「みんな無事で帰ってこれるだろうか……?」
「――大丈夫ですよ」
仲間を求めて出立した連中のことを心配するChain-情の後から声をかけたのは、可憐な少女フラグビルドであった。
その両手の中にはそれぞれ湯気を上げるコップを持っている。
「風にあたると冷えるでしょう? どうぞ。あったかい紅茶をいれてきました」
「ああ、色々と悪いね。助かるよ」
「そこは、”ありがとう”って言ってくれると嬉しいんですけど」
「……あ、ありがとう」
ほどよい温かさの紅茶を流し込んで、心なしか淀んでいた気持ちも暖かくなったような――とChain-情は感じる。
思えば、出会った当初から目の前の少女からは助けられてばかりだ。ならば――、
「(この娘だけは、何があっても守り抜かなくちゃな……)」
◆ ◆ ◆
「心配することないですよ。絶対、みんな元気に帰ってきます♪」
フラグビルドは、殊更明るい口調で出立した連中の無事を確信する言葉を吐く。勿論、嘘だ。
彼女は連中の無事などどうでもよい。ただ、『こう言えば絶対に帰ってこられないだろう』と思っているだけである。
彼女の至上命題はフラグ立て。自身に対してでないならば、死亡フラグも立てるべきフラグなのである。
特に帰ってきてほしくないのはうっかり侍という名前の泥棒猫だ。
「……それまでは、Chain-情さんが私を守ってくださいね///」
そんな台詞に顔を赤らめ、胸を叩いて「うん。任せてくれ」なんて言う彼に彼女は心の中でほくそえんでいた。
「(ちょれーw 純情派なんて今時だが、その分一昔前のメインヒロイン並に落としやすいな)」
何も考えずとも選択肢の一番上だけを選んでゆけば落とせそうな相手に、フラグビルドは満更でもない。
後は、外敵の存在をうまく排除できれば――……と、
「ち、Chain-情さん。あ、あれは――」
「……え? ってぇぇ! あ、あれは――!」
「「 ビッグ・ゴールド! 」」
対主催の砦とした温泉宿。そこに一体の巨人がゆっくりと宙を滑って近づいてきていた。
◆ ◆ ◆
「貴様はマスク・ザ・ドSか!?」
「うわははははは☆ いかにも!」
全長40メートル程の岩石の巨人。その胸部に身体を半分埋めたドS(裏面)が、Chain-情の言葉を肯定する。
次の瞬間、巨人にかかっていた浮力が失われ、その巨体が地面へと激突し局地的な地震を起こした。
ゆうに5000トンは越えるその超重量に、足元だけではなく周囲数十メートルの建物も雪崩を打って倒壊する。
「こんな無茶苦茶なマーダーが襲撃してくるなんて想定外だよ――ッ!」
「うわははははは☆ 私(裏面)だけではないぞ――見よっ!」
真後ろから聞こえたフラグビルドの悲鳴にChain-情が振り返ると、そこにはもう一人の襲撃者――ドS(真中面)が立っていた。
「し、襲撃者が一度に二人も――?」
狼狽するChain-情とフラグビルドを前に、目を不穏な菱形へと変えたドS(真中面)はニヤリと笑う。
「君達は運がいい。今日は特別でね……――もう一人来ているんだ」
言い終わるが早いか、温泉の一つが水柱を上げそこより最後のドS(表面)が姿を現す。
……Chain-情は納得してしまった。
そう、こんな調子でマーダーが暴れ回っているというなら24人と言う数字はあり得ると。そして次はもっと増えるだろうと。
◆ ◆ ◆
一歩ごとに爆音と振動を発生させ、周囲の何もかもを瓦礫と変えながら迫るビッグ・ゴールド。
その前に立ちふさがる一つの小さな影があった。
「キャハハハハハハハハ♪ 何ソレ? 何なのよソレ? あなたの人形は酷くブサイクなのねぇ♪」
岩石で出来た巨大で重い人型に立ち向かうのは、とびきり小さく軽い人形であるコロンビーヌ。
ビッグ・ゴールドに乗ったドSは踏み潰してやると、虫を潰すかのように彼女の上へと足を下ろすが――、
「何ぃ――!」
彼女は踏み潰されるどころか、一歩も動くことなくその場でビッグ・ゴールドの重量を受け止めた。
しかし指先一本ピクリとさせることなく、その端整な顔立ちも済ましたままだ。
ビッグ・ゴールドの超重量を受け止めているのは彼女の支給品である――自由自在に姿形を変えるゾナハ蟲。
それが、傘の様に展開して華奢な彼女の身体を巨人から守っていたのであった。
支えるゾナハ蟲が限界を迎える直前にコロンビーヌは中空へと飛び出し、さらに集めた蟲を足場に跳躍する。
一瞬の間に、コロンビーヌはビッグ・ゴールドの胸の高さまで――つまりは、ドSの目の前へと姿を移した。
「うふふ……。あなた、恋愛に興味はあって?」
「勿論☆ 愛がなくては傷つけることも殺すこともできはしないもの♪」
コロンビーヌの周囲より浮かび上がった無数の銀の槍。そして、ドSの指先から伸びた同じく銀の糸が宙を走る。
死守すべき温泉宿の上空にて、可憐な女同士の煌びやかな対決が始まった――!
◆ ◆ ◆
「――守るべき砦を落とされるは、恥辱の限りといわざるをえない」
現れてより、そのパロ元の設定ゆえに無言であるドS(表面)に対峙するのは、シルベストリその人だ。
湯上りにより一層艶やかで張りのある肉体を惜しげもなく晒しながら、ゆっくりと襲撃者の方へと近づいてゆく。
「(なんですか、このデスストーカーかエリミネーターかって感じの人は!)」
一方、ドSの方と言えばそんなシルベストリに対しドン引きであった。
覆面とパンツで顔と股間だけを隠したいかにもガチムチな男。どう考えても、好みのタイプではない。
何も持ってない掌をわきわきとしながら近づいてくる様はどう見てもパンツレスリングで、怖気が走る。
「(……クローンリキッドでもあれば血風連を作れたのですが、支給品枠はもうありませんし。仕方がありません)」
きっ――と、覚悟を決めるとドSは両手を振るい鋼線をシルベストリへと殺到させる。
あのような筋肉自慢。接近戦はどう見ても不利。というか触ることすらおぞましい。そう考えて選んだ戦法であったが、
ワックスオーン! ワックスオーフ! なシルベストリの両手の円運動によってあっさりと跳ね返されてしまう。
「(マ・ワ・シ・ウ・ケ ……なんと見事な!)」
「矢でも鉄砲でも火炎放射器でも持ってこいと言わざるをえない」
火炎放射器どころか、本来ならば左手をスパっといかねばならない鋼線が防がれたことに、ドSは戦慄する。
正直な話、表面のドSは裏面や真中面に比べると戦闘力はいまいちなのである。
しかしそんなドSにはお構いなく、シルベストリは前羽の構えをとりじわりじわりとその間合いを詰めてくる。
◆ ◆ ◆
「――ていッ! とぉッ! やあっ!」
温泉宿の廊下をフラグビルドと逃げながら、Chain-情は片手に持った刀を振るう。
彼自身に刀を扱う技量はなかったが、合成された刀の大元は勝手に動いてくれる電光丸であったために、
辛うじてではあるが襲撃者の猛攻を防げていた。
逃げる彼らを襲撃者であるドS(真中面)は、きっつりとしたリズムでステップを踏み指を鳴らしながら追う。
そしてその指を鳴らす度に不可視の真空の刃が彼らを襲うのだ。
「クソッ!」
言いながら、Chain-情はまた真空刃を刀で弾く。いや、正確には刀に弾いてもらっている。
彼らを襲うはずだった真空刃は、傍らにあった壷へと触れるとそれを綺麗に真っ二つした。
触れたものをどんなものであれ『きっちり丁度半分』に割るのが彼女の真空刃の性質だ。
「はぁっ、はぁっ……、このままじゃあジリ貧だぞ。どうすれば……?」
逃げる先々に真っ二つの犠牲者を増やしながらChain-情はフラグビルドと逃げるが、それも限界に近づいてきていた。
走った距離の分だけ体力は消耗しているし、勝手に身体を振り回す刀によって筋肉が悲鳴を上げている。
Chain-情の先を行くフラグビルドの小さな身体ももうフラフラと揺れており……――と、激しく転倒した。
「フラグビルドちゃんッ――!」
「……逃げて、ください。私なんかほうっておいて」
固い廊下の上に横たわり、フラグビルドは駆け寄るChain-情へといじらしく言葉を吐く。勿論――、
「そんなことはできない! 君は僕が守るって約束しただろうっ!」
――という台詞を彼から引き出すためだ。
見えない位置で拳を固めるフラグビルドをそのままに、Chain-情は立ち上がりドSと対峙する。
◆ ◆ ◆
「きっちりと覚悟を決めたみたいね」
必死の形相を浮かべるChain-情を前に、ドSの顔は冷静であり余裕綽々でもある。
Chain-情が手にした刀は自動防御に加え、範囲攻撃+二回行動とかなりやっかいではあるが、
動きを止めたならやりようはいくらでもあった。
――パチリ。
ドSが指を鳴らした次の瞬間。廊下に倒れこんでいたフラグビルドのメイド服が真っ二つに裂ける。
「――なっ!」
「きゃあぁぁっ!」
弱点その1。自分以外を対象とした攻撃には反応できない。
手で敗れた服を押さえながらも、きっちりと苺柄のパンツだけはアピールしているフラグビルドと、
それを見て赤面し前へと振り返るChain-情。
二人がその弱点に気付くまでの十分な時間を与えてから、ドSは次の行動に出た。
――パチリ。パチリ。
右手からの真空刃はChain-情へと、そして左手の真空刃は彼の頭上の電灯へと撃ち出す。
勿論、右手からの真空刃は防がれる。そして、続けて落ちてくる真っ二つになった電灯も防がれるはずだが――、
――パチリ。パチリ。
電灯の破片が落ちてくるまでのタイムラグに更に二発の真空刃。
片方は再びChain-情にへと、そしてもう片方はフラグビルドの方へとだ。
弱点その2。行動回数以上は防ぎきれない。
直接迫る真空刃。落ちてくる破片。フラグビルドへの真空刃。
2回行動できる彼は、その3つの攻撃の中から2つを選ばなくてはならない。
フラグビルドを見捨てれば、自分自身は守れる――が、彼女を守れば自分はどちらかの攻撃を受けなければならない。
ドSがSっ気たっぷりの微笑みを浮かべた次の刹那――事は彼女の想定通りに決着がついた。
ドゴッ――と、重たいガラスの破片を脳天に受けたChain-情は、気を失いそのままフラグビルドの横へと倒れる。
互いの命を守るためには致命傷となる真空刃を優先するのは最善手ではあったが――、
パチリ。と、手をのばすフラグビルドの目の前で、Chain-情の手から落ちた刀は真っ二つとなった。
――その二手三手先を考えれば、最悪の手としか言わざるを得なかったであろう。
「さてと……、今度は死ぬ覚悟の方をきっちりと決めて貰いましょうか」
ニヤリとSっ気たっぷりの凶暴な笑みで顔を歪ませながらドSは再び両手を構える。
彼女――つまり真中面の持つSは一方的かつ、独善的で身勝手なSだ。
子供が虫を殺す時の様な、自身が上位で被害者が下位ということを確認するためだけのS。
故に容赦はない。
――パチリ。パチリ。
◆ ◆ ◆
――ぱっちん。ぱっちん。
ドSの指先から放たれた真空刃はどちらも、狙った相手へと届く前に叩き落された。同じ、真空刃で。
「ぱっちん。ららら~、ゆびぱっちん♪」
それまで必死に抑えていた振りをしていたメイド服の残骸を振り払い、フラグビルドがゆらりと立ち上がる。
「――計画通り……って訳ですよ。ドSさん」
「な、何だと!?」
覆う物がなくなり、露になった白い肌を曝すことを全く厭わぬ様子のフラグビルドが、今度はドSへと相対する。
「守られるヒロインとしては、彼の目の前で能力を使うわけにはいきませんでしたので、
あえてあなたの策に乗ったんですよ。フフフ……」
気を失ったChain-情をいとおしげに見下ろすフラグビルド。それを好機と見てドSは指を鳴らすが――、
――パチリ。パチリ。
――ぱっちん。ぱっちん。ぱっちん。ぱっちん。ぱっちん。ぱ……。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ――っ!」
――逆に、全身を切り刻まれ、血飛沫を巻き上げながら固い廊下へと身体を叩きつけられてしまう。
「この『ゆびぱっちん』も、あなたみたいに付け焼刃とは違うんで、勝てるとか思わないでくださいw」
両手足の腱を切られ芋虫の様にのたうつドSを、正体を現したフラグビルドはにやにやと見下ろしている。
その表情は先刻までドSが浮かべていたものと同種で、より捻じれて悪質なものだった。
◆ ◆ ◆
「……さてと、このままあなたを切り刻んで殺したんじゃChain-情さんに説明がつかないので、
少し本気を出させてもらいますよ」
今まであったことのない事態に狼狽し、悲鳴と罵倒をぶつけてくるドSを無視しながらフラグビルドはソレを始める。
「螺旋力の力を思い知るがよい――」
手にしたコアドリルを身体の内へと差し込んだ瞬間。
フラグビルドの目が緑の光を点し、続けて全身がその光に包まれる。
緑色の小さなツインテイルが硬質化し、次の瞬間ツインドリルへと変形。
光の奔流が水の様に身体から溢れ始め、物理的な威力をもって温泉宿の中を侵略してゆく。
緑――緑――緑――緑――緑――緑――緑色の螺旋が描く――メイルシュトローム。
螺旋の力が世界に満ちてゆく……。
◆ ◆ ◆
「(……頃合ですね)」
建物の中から溢れ出して来た緑色の何かに気付き、ドS(表面)はドS(真中面)の敗北を悟った。
やはりパロネタ的に、成功はありえなかったのだ。せいぜい道連れを作っていることを期待するぐらいである。
「引き上げ――ッ!」
撤退の台詞を口にし、緑の奔流に困惑しているシルベストリを置いてドSは逃げ出す。
そして、ドSが隣りのエリアへと飛び出した瞬間――、
緑の奔流が爆裂し――、
――G-8エリアが、G-8エリアにある全てを伴ってそこより消失した。
◆ ◆ ◆
「……無茶苦茶でしたね」
「ええ、全くです」
二人のドS――表面と裏面がG-7エリアの東端。積みあがった瓦礫の頂点に並んで立っていた。
彼らの目の前である、G-8エリアは全くの更地へと変貌しており、先刻までの面影は一切ない。
「みんな、どこに行っちゃったんでしょうか……?」
「さぁ……? 会場内のどこかだとは思いますが。……それよりも、そろそろですよ裏面さん」
「……? ――あ、アレですね。解りました。えーと、……あった♪」
見下ろしていた瓦礫の狭間に目的のものを見つけると、ドSの裏面はタン、タンと跳ねてそこへと降りて行く。
彼女が発見したそこにあった『もの』。ソレは――、
「……た、たすけてくれぇ……裏面……」
――身体の右半分を『いしのなかにいる』状態にしたドSの真中面の姿であった。
強制転移に巻き込まれ、憐れな姿を曝す彼女ではあったがまだ辛うじて生きている。
で、そんな彼女を残った二人のドSがどうするかと言えば、やはり――、
「助けてあげますよ。そんな状態で生き恥を曝すのは辛いでしょう? きっちりしてあげます――☆」
――こうするのであった。
続けてお約束通りに、真中面が今際に放った真空刃を軽くいなすと、裏面は表面への元へと戻る。
「さぁ、次へといきましょう☆」
言いながら、返事もまたずに彼女はそのまま表面の影の中へと潜り込み姿を消す。
これで、己の存在を3つに分けていたドSが再び一人の書き手へと戻ったのであった。
尤も、真中面の存在が失われた分だけはもう戻らないため、その実力は以前通りというわけにはいかないが……。
「……やはり、3分割は愚策でしたね。ネタに走ったが故に我が身の3分の1を失うことになるとは、いやはや。
まぁ、温泉という因縁のある場所で私が死ななかっただけでも御の字というものでしょうか」
ひとりごち、溜息をつくとドSは振り返りゆっくりとその場を離れてゆく……。
「ガチムチもガチバトルも私向きじゃあないんですよね……」
出来れば、次に出会うのは虐めがいのある人物であることを――そう願いながら、ドSはその姿を朝の街中へ紛らせて行った。
【午前】【G-7 市街】
【マスク・ザ・ドS@アニ2nd】
【状態】:真中面を消失、疲労(中)
【装備】:一目でドSと判るマスク(出展不明)
【道具】:支給品一式、鋼糸@HELLSING
【思考】
基本:Sっ気の導くままに
1:疲れましたね……、朝食なんかをいただきたいところですが
2:今度は、虐められる相手を探すことにしましょう
3:今度tu4氏と出会ったら確実に屈服させる
※『表』と『裏』、『真中面』の人格を使い分けることで姿や能力が変化します。
※『表』:容姿は糸色望。明るいドS。能力は糸色望並。
※『裏』:容姿は黒一色のスーツを着る風浦可符香。黒いドS。能力は「ニンジャ」。
※『真中』:容姿は木津千里。能力はきっちり(指パッチンの亜流)。※消失しました。
※G-8エリア全域が更地になりました。
◆ ◆ ◆
轟音。衝撃。振動。それが気を失っていたChain-情の意識を再び取り戻させた。
「――じ、地震か? って、ええ!? ……………………なんなんだ。何があったんだ……?」
目の前に飛び込んできた光景。それはまさしく地震の、それも大地震の後の様な有様であった。
おそらくはあの温泉宿があった場所なのであろうと、目の前に積み重なった残骸を見れば判別はつく。だが、
「一体……何がどうなってこんなことに……? 半日も経たないうちに超展開か?」
四方八方全てが瓦礫の山であった。まるで、エリア全域を一度持ち上げてから叩き落した様な、そんな有様であった。
ガスが漏れ出したのか所々に火の手があがっており、未だ高く吹き上がったままの粉塵と合わせて見ればまさに地獄である。
「そ、そうだ! フラグビルドはっ? それに他のみんなも――」
気付き、Chain-情は改めて周囲を見渡す。
巻き上がった粉塵によってほとんどが灰色の世界だったが、程無くしてそこに白と赤のアクセントを見つけ出すことができた。
「――フラグビルド!」
苺柄のパンツに、Chain-情は駆けつける。幸いなことに、そのすぐそばに二人分のバックも転がっていた。
そして、フラグビルドも気を失っているらしいが生きていることが確認できた。
その小さな胸が呼吸に合わせて微かに上下している。そして彼女はブラジャーを着けないということも確認できた。
「って、何を考えてんだ僕は! えーと、えーと苺の蕾が……でなくて、みんなは? 襲撃者は?」
少しHなイベントに狼狽するChain-情の姿を盗み見ながら、気絶した振りをしているフラグビルドはほくそえむ。
――全ては計算通り。
【午前】【B-3 破壊された温泉宿】
【静かなる ~Chain-情~@アニロワ1st】
【状態】:疲労(中)、混乱
【装備】:カードデッキ(龍騎)、ゴールド・エクスペリエンスのDISC@漫画ロワ、仗助の学生服@漫画ロワ
【道具】:支給品一式×2、レインボーパンwith謎ジャム@ギャルゲロワ、CD『ザ・ビートルズ』、カエル×10
【思考】:
基本:殺し合いに反逆ゥ!そしてなるべく多くの仲間と生還し、死んだ書き手の分まで頑張る。
0:苺が! 苺が! 苺が!
1:フラグビルドを保護
2:シルベストリとコロンビーヌ。そして、襲撃者はどこに……?
3:とにかく体制を立て直さなければ
※容姿はスクライド(アニメ)の橘あすか。
※元々着ていた服は、転移の際の崩壊により行方知らずとなりました。
※フラグビルドの度重なるアタックに、けっこう心が動いています。
【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】
【状態】:疲労(絶大)、全身に火傷(小)
【装備】:いちご柄のパンツ@ジャンプロワ
【道具】:支給品一式(まだ何か持っているかも)
コアドリル@アニロワ2nd 、泉こなたのスクール水着@漫画ロワ、元々着ていた服
【思考】:
基本:フラグを立てて立てて立てまくる
0:気絶したフリを続けてChain-情の様子を見る
1:ものすごく疲れたのでゆっくりと、二人きりで休みたい
2:静かなる ~Chain-情~と素敵なフラグを立てる
※容姿は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。
※ゆびぱっちんで真っ二つに出来ます。
※コアドリルを使用することで螺旋力を発揮することができます。
※螺旋力を発揮することで強制転移が可能。その規模によって疲労の度合いが変わります。
※G-8エリアの地表にあった全ての物がB-3エリアへと転移しました。
※その際、衝撃によりほとんどの建物が崩壊し、所々から火の手が上がっています。
◆ ◆ ◆
※コロンビーヌとシルベストリは、フラグビルドの意思により、彼女たちより離れた場所に飛ばされました。
※その位置は、次回を書く人におまかせします。
【午前】【?-? 不明】
【コロンビーヌ@漫画ロワ】
【状態】:???
【装備】:ゾナハ蟲@からくりサーカス、腕時計型麻酔銃(残弾1/1)@漫画ロワ
【道具】:支給品一式、ティーセット一式、麻酔銃の予備針×4 、変化の杖、
焦ったドラえもん・うっかり侍・孤高の黒き書き手の服
【思考】
基本:恋愛がしたい。
0:???
※容姿はコロンビーヌ(ロリ)@からくりサーカスです。
※ギャグ将軍にシンパシーを感じています。
※影の繋ぎ手・仮面ライダー書き手に紅茶を入れてあげたいそうです。
【シルベストリ@漫画ロワ】
【状態】:???
【装備】:覆面&マント@FFDQロワ
【道具】:支給品一式、白手ぬぐい
【思考】
基本:サ ー ビ ス シ ー ン 担 当
0:???
※容姿はシルベストリ@からくりサーカスです。
※両目があります。金玉絶賛引き上げ中です
※覆面&マントを装備したことにより、外見が荒くれ仮面(FFDQロワ参照)になりました。
最終更新:2008年04月06日 00:21