「ぬぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!
熱い!熱すぎる!このままでわぁああぁぁあああああ!!!!
丸焼けて、栄光のVがバーベキューのVになってしまうぅぅぅぅうううう!!!!」
燃えさかるホテルの大広間でビクトリーム博士は、書き手人生最大の危機を迎えていた。
周りをぐるりと見回しても、既に逃げ場は炎によって塞がれている。
まさにこのままではバーベキューまっしぐらだ。
ちなみにバーベキューの頭文字はVではなくBだが、もはやそんなことはどうでもよかった。
「熱い熱い熱いあつぅぅぅぅふううぃいいいぃいいぃいいいぃぃいいい!!!!
このまま死ねってか!?今時ズガンとか、毒吐きで粘着してNGにするぞコンチクショオオオオ!!!!」
残念ながらこのロワに毒吐きはありません。
台詞無しでいきなり死体役で登場する参加者もいたのが、昔のパロロワなんだよな。
今はそういうことすると、すぐズガンとか言い出すから困る。
とまあ、それはさておき。
「ぐうっ!?」
ヤケクソでわめき散らしていたビクトリーム博士が、突如として苦しみだした。
原因は彼に支給されたメロン、いや正確にはその中に仕込まれていたOC細胞。
それは主催者がロワを円滑に進行するための時限式の仕掛けだった。
発動の為の条件は二つ。
一つはそのメロンを食った参加者が、何らかのピンチに陥る事。
それにより、体内のOC細胞とアドレナリンかなんかが反応して化学変化を起す。
二つ目はロワ全体でマーダーが少ないこと。
マーダーが少なければ、主催者介入でも何でもやってマーダーを増やせばよい。
だれだってそーする。わたしもそーする。
それは運命にも等しい、ロワにおける絶対の因果律(アカシックレコード)だ。
その二つが揃った時、化学変化を起したOC細胞は、爆発的な増殖を起す。
そして寄生した参加者を無差別マーダーへと変化させるのだ。
「うぐうっ……う、お、お、お、お、おおおおお、おお――――」
濃ゆすぎる若本ヴォイスのうめき声が響く。
Vにのボディからおぞましい触手が幾筋も飛び出す。
ぞるぞると大広間の床を這い回り、炎に焼かれながらも再生を繰り返し、この灼熱地獄の出口を捜す。
だがそれは見つからない。それができるならとっくにビクトリーム博士自身がやっている。
そこでOC細胞は自身を保護する為に、融合した宿主の体に命令を下した。
――打ち壊せ。
自身の生命保護。
それは細胞の本能とも言うべき最優先事項であり、宿主はその為の器に過ぎない。
融合、侵食、強制進化。
体の各所がボコボコと形を変えていき、徐々に体自体のサイズすら変化していく。
「お、お、お、おぐうおおお、おお、おあああぁぁぁぁああぁぁおおお」
Vの字の中心点、いわゆる股間の紳士に光が集まる。
その光はどんどん強くなり、周囲の炎の輝きすらかき消す勢いだ。
彼のモデルであるビクトリームの攻撃手段、マグルガを細胞の力でパワーアップさせた殲滅兵器。
マグルガがその掛け声と共に発動するように、この技もある掛け声で発動する。
ちなみにテッカマンブレードの中の人が、必殺技「ボルテッカ」の叫び声でマイクを壊したという逸話がある。
そんなノリで絶叫する若本ヴォイスを、できれば何か飲み物を含んだ状態で、リアルに脳内再生していただきたい。
せーの、さん、はい。
「ONII-CHAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!!」
凄まじい光の奔流。
それは炎の壁を軽々と吹き飛ばし、ホテルの外壁を砕き、大穴を開けるほどの破壊力。
轟音とともに外壁の破片が大地に降り注ぐ。
遠くからホテルを眺めれば、それは灯台の光のように遥か遠くまで届くのが見えたことだろう。
やがて光が徐々に消え去り、そして間もなく、そこから触手だらけのおぞましいVの字が外界へと飛び出した。
ここまでくればピンと来た方もいるかもしれないが、一応説明しておく。
このOC細胞は、とあるロワの、とあるキャラの細胞をモデルにして作られている。
このキャラは生前、残虐非道の限りを尽くし、対主催に打ち倒された後も、別のキャラの死体を乗っ取って復活した。
正に怪物。そしてその殺害方法はグロの極致と恐れられた。
OC細胞とはONII-CHAN細胞の略。
そして別名を――――酢飯細胞という。
【早朝】【F-3 ホテル周辺】
【ビクトリーム博士@アニロワ2nd】
【状態】酢飯細胞侵食中
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
基本:皆殺し
1:ONIICHAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!
最終更新:2008年04月05日 23:22