新しい朝が来た、対主催の朝だ


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地面に舞い降りた幼女を見て、最速の人は息を呑む。
ふわりと広がる美しい髪。その一本一本が、意思のある生物のように重力に従順していく。
ゆっくりと頭を垂れるその姿が、状況判断を鈍らせるほど優雅で美しい。

「驚かせてすまないな。流石にいきなり高層ビルの屋上から飛び降りるのはやりすぎだったかな?」

むしゃぶりつきたくなる様な唇の割れ目から聞こえる声は、欲情を掻き立てる渋い声。
あまりにも不釣合いなのに、有無を言わせない妖艶な魅力が、彼女にはあった。
手に携えた巨大な十字架を軽々と持ち上げると、降りた衝撃で陥没した場所からこちらに足を延ばす。
最速の人は、無意識のうちにロリスキーを背中に庇った。

「彼と、逃げてください」
「え?」

ロリスキーを見ずに、目の前の女性だけを凝視する。
最速の人は、彼女を警戒して凝視しているのではない。圧倒的な恐怖と言う呪縛から逃れられずにいるのだ。
確かに、ロリスキーは頃合を見て分かれるつもりだった。けど、それは逃げると言う意味ではない。
一瞬だけ思案した後、覚悟を決めたように最速の人を睨む。

「どれぐらい時間が稼げる?」
「3分……持たないと思います」
「早ッ、と、とりえずそれまでに仲間とか連れて帰ってくるから、死ぬんじゃないわよ」
「ぜ、善処します」
「じゃあ!」

背負っていたウッカリデスを預けると、最速の人は全神経を相手に集中させる。
一方ウッカリデスを任されたロリスキーは、持てる限りの速さでその場から立ち去って行く。
しばしの睨み合いの後、最速の人は褌に差していた鉄扇を取り出し相手に飛び掛かる。
相手の目を見る限りバレバレの奇襲だが、とにかく少しでも隙を作る事が重要だ。
例え相手が少女の姿をしていても、その強大な力の前では見た目など霞んでしまう。
余裕の表情を浮かべる少女の顔と、最速の人の顔が近付いていく。
だが、この決死の一撃も相手が悪すぎた。
あろう事か、彼女は鉄扇を空いていた指二本で挟み受けると、軽々とそれをへし折ってしまう。

「なっ――」
「ふむ。まずは実力を見たいと言う事か」
「……ぁ」
「そうだ、その前に名乗っておこう。私の名前はミスターマダオだ。あと――」

そしてへし折った指を拳の塊に変えると、容赦なく最速の人の腹部にぶち込んだ。
拳を話す直前、彼の耳元に甘い吐息を吹きかける。

「お、ほぉ」
「骨が脆いぞ、そんな事では戦うのは辛かろうに」

口から胃液を漏らしながら、最速の人がビルの壁に叩きつけられる。
ちなみにこの瞬間、ちょっぴり股間からも変な液が漏れていた。
一方やすやすと殴り飛ばしたマダオはある結論に達していた。つまりはこういう事だ。
『仲間になるなら、熱血漫画のイベントである戦闘をこなせ』と。
全力でぶつかり合った敵同士が仲間になるのは、王道中の王道ではないか。
ミスターマダオは待ち望んだような展開に胸を高鳴らせ、指を軽く鳴らす。
戦力的にはこちらが圧倒的だ。ならばハンデとして素手で相手してやるべきだろう。

「で、次はあちらのお嬢さんかな」

踊るようなステップで離れていたロリスキーの方に一歩踏み出す。
だが、それを遮るように、鉄扇の柄の部分が一直線にマダオ目掛けて飛来する。
マダオはそれを蝿を叩き落すように手を振るうと、再び最速の人に向き直った。

「ま、まだです」
「その心意気は認めるが、このまま続けると死んでしまうぞ」

壁にもたれかかりながらも立ち上がる最速の人。
力が入らないのか、内股の状態で足が震え続けている。
それでも、ここでくたばってしまう訳にはいかない。

「決めたんです……この姿になった時から、対主催として死亡フラグを集めると」
「死亡フラグなど集めてどうする気だ」
「決まってます」

ありったけの覚悟で右手を握る。腕の痛みなどとうに消えている。
一発限りの大勝負。天文学的な数字の果てにある勝ち目。
それでも、それでも絶対と言う名の台本がないのだから。
バトルロワに絶対などないのだから……

「二桁確保したまま、この殺し合いを生き抜いて見せるんです!」

その予想外だけを求めて、最速の人は気持ちごと前に爆進する。
















「フタエノキワミ、アッー!」





――――




「うぅ」
「あ、気が付いた?」
「ぴんく!?」
「な、何よ!」

気絶から回復したウッカリデスは、目が覚めた瞬間飛び込んできたモノに、思わず奇妙な声をあげてしまう。
彼の目に飛び込んできたのは、ロリスキーの桃色○○(自主規制)だったからだ。
一面に広がる柔らかそうな肌を押しのけ、ウッカリデスは座ったままその場から後ずさる。

「ななな、なななな!」
「うるさいわね。それより、気が付いたなら私はもう行くわよ」
「え?」

見れば、いつの間にか景色が変わっている。
と言うか、目の前のロリスキーが誰かすら分かっていない。
ただ、彼女の燃える様な瞳が、ウッカリデスの心臓を高く打つ。
姿が背徳的なこともあるが、それ以外にもどこか魅力的なものを彼女から感じる。
背中を向け、形のいい尻を揺らしながら、ロリスキーはウッカリデスから離れて行く。

(あれ、もしかして下着も穿いてな――じゃなくて)
「あの、どこに?」
「向こうでね。その、えっと、あー……な、仲間」
「はい?」
「仲間が戦ってるのよ!私達を逃がすために」
「仲間……」

ウッカリデスが何かを確かめる様に呟く。
それに気付かないまま、ロリスキーはギュッと唇を噛み締める。

「その、失礼ですがあなた……えっと」
「クールなロリスキーよ」
「あ、僕忘却のウッカリデスです」
「言いにくいわね。で、何よ」
「えっと、失礼ですがロリスキーさんが行って倒せる相手なんですか」
「……きっと無理ね。だってアレ、アーカードみたいだもん」 
「あ、アーカード!?」
「姿は幼女だけど、中身は多分一緒よ」

一部のロワを除いて圧倒的な力を誇るアーカード。
そんな相手と分かっていて立ち向かうなんて、正気の沙汰とは思えない。
だが、ロリスキーの瞳からは、自暴自棄なんて気持ちは見えないのだ。

「そんな奴の所に戻るだなんて、怖くないんですか?」

真剣な声で尋ねるウッカリデスに、ロリスキーは必死の形相のまま振り返る。

「そりゃ怖いし、逃げたいわよ」
「なら――」
「けどね!あんな変態じみた格好してても、私を助けてくれたのは事実なのよ!
  そんな奴が立ち向かってるのに、私だけ逃げるだなんて漫画ロワ住人として出来ないわ!」
「ロリスキーさん……」
「けどね、アンタまで巻き込むつもりはないわ……」
「なら、僕だって逃げられないっすよ」
「ちょっと!」

ロリスキーの静止も気にせず、ウッカリデスは覚悟を決めて呼吸を整える。
今の言葉で決まった。頭のてっぺんから爪先まで燃えるような熱が伝わっていく。
ここまでお膳立てされて、逃げ出すなんて選択肢は選べない。
今にもなきそうなロリスキーの頭に手を置くと、親指をグッと突きたてた。

「これでも対主催の端くれなんだ。それなのに女の子ひとり助けられなきゃ、アニロワ2ndのみんなに合わせる顔がないっすよ」
「ウッカリデス……」
「大丈夫です。生きて帰ってきますから」

クラウチングスタートの体勢から、ウッカリデスは持てる力の全てを振り絞り突撃する。
目標は褌じゃない方だ。例え少女の姿をしていても、相手はアーカードであることには変わりない。

「うおぉぉぉおおおおおおおお!」


ぐんぐんと景色が変わっていく。自分ひとりだけ加速しているような感覚。
やがて、壁を背に立ち上がる褌の男と、少女の姿をしたアーカードが見えてくる。
目標との距離はあと数十メートル。


――――


最速の人が全身全霊を込めた一撃は、容易にマダオの顔へと直撃した。
だが、ダメージなどまるで感じないのか、ニヤリと猛禽類の様な牙を見せつつ笑う。

「なかなかいいパンチじゃないか。気に入ったよ」

そう言うと、マダオは最速の人と同じように拳を固め、その額目掛けて突きを放つ。

「ぐぁぁぁぁぁぁァッー」

ある程度の衝撃は仮面が受け止めたが、それでも脳が揺す振られる痛みに耐えられず、再び壁に激突してしまう。

「おほぅ」

ずるずると崩れ落ちていく最速の人に、マダオは足を向ける。
が、それを遮るような叫び声が二人の間に届いた。

「うぉりぁりゃぁぁぁあああああああ!!」

マダオが声の方に視線を向けると、その先に頭を突き出すように爆進するウッカリデスの姿があった。
彼はマダオを視認すると、止まるどころか更に加速し始める。

「なんと素晴らしい……仲間の危機に駆けつけるとは」
「人呼んでぇぇぇぇええええ、ウッカリスペシャルゥゥゥゥゥゥ!」

ウッカリデスは仮面の突起部分をマダオに向けながら、大地を蹴り飛ばし跳躍する。
それを、先ほど最速の人を待ち構えた時と同じような体勢で受け止める。
だが、それが間違いだと気付いた時には、既にウッカリデスとマダオは衝突していた。

「ぐッ!」
「ぬぉぉりゃぁっおぁぁぁっ!」

額にぶつかった仮面の先端が離れると同時に、小さな血飛沫が舞い散っていく。
初めてマダオにダメージを与えた瞬間である。
一方ウッカリデスは、反撃をさせないためそのままマダオを押し倒す。
彼女の両腕を押さえて、自由を剥奪した所で違和感を覚える。
押さえ込まれているはずのマダオの顔から、余裕の表情が消えない。

(え?)
「なるほど、その仮面のお陰と言う事か」

押さえていたはずの腕が、メリメリと押し返される。
幼い外見をしているとは言え、中身はれっきとしたアーカード。
そんな相手など、一般的な身体能力しかないウッカリデスが押さえ込めるはずもない。
次の瞬間、ウッカリデスは巴投げの要領で投げ飛ばされてしまう。

「そら!しっかり受け身を取るがいい」
「おわぁぁぁッ!」

景色が上下反転したまま、ウッカリデスも壁に叩きつけられる。
ダメージこそ浅いが、打ち所が悪かったのか足腰に力が入らない。

「くそっ」
「うぅ……」

同じ壁を背に座り込む二人に、今度こそマダオは近寄る。
褌姿で立ち向かった最速の人も面白いが、自分を押し倒したウッカリデスはもっと素晴らしい。
よもや、こんな序盤で恋愛フラグが立つとは思わなかった。
と、そんなマダオの前に上半身裸のロリスキーが飛び込んでくる。

「結局全員戻ってきたのか」
「こ、こいつらは殺させないわ!」

全身を震わせながらも、ロリスキーは歯を食い縛って立ち塞がる。
何十秒と言う時間が、悠久のように流れ続けていく。
何度も気を失いそうになったロリスキーだったが、後ろの二人を思い出し気を保つ。
静寂に包まれた中、朝陽がゆっくりと姿を現していく。
長い沈黙を破ったのは、マダオのほうだった。






「見事だ。お前達とならば本当の仲間になれるだろう」
「は?」
「仲間を守るために残る勇士。その仲間を助けるために突撃する勇気。そしてその仲間を庇う優美」
「えっと、何を……」
「私は幸運の女神、いや、ロワの女神に微笑まれているようだ。こんな素晴らしい仲間と巡り合えるとは」
「な、なか、ま?」

マダオの唇から吐き出された言葉に、一同は頭上にハテナマークを浮かべる。
呆気にとられている三人の前に立つと、スカートの端を摘み優雅に頭を垂れる。
その態度に、ますます困惑する三人。
未だ呆然とする三人が面白かったのか、マダオはカラカラと楽しそうな笑みを浮かべて答えを明かす。

「おや、言ってなかったか?」

マダオは髪をかき上げると、余裕の表情で言い放った。










「私は対主催だ」



【早朝】【F-6 ビル前】
【ミスターマダオ@漫画ロワ】
【装備】パニッシャー(機関銃:残り弾数100%、ロケットランチャー:残り10発)
【道具】なし
【所持品】支給品一式、確認済みアイテム1~2
【状態】健康、額に切り傷、強い決意、強い仲間意識
【思考·行動】
基本:殺し合いには乗らないが、マーダーは犬の餌
0:お前たち……気に入った!
1:友情!もっと仲間を探すぞ!
2:努力!首輪をどうにかするぞ!
3:勝利!見てろよ主催!
※アーカード(ロリ状態)の姿をしています。身体能力も同様です。
※押し倒したウッカリデスを気に入りました


【クールなロリスキー@漫画ロワ】
【装備:江頭2:50のタイツ@漫画ロワ 下着は未装着】
【所持品:支給品一式(未確認)】
【状態:かなりの疲労】
【思考·行動】
1:つ、疲れた
2:んな、対主催だなんて冗談でしょ
3:で、でも……普通なら殺されてたわよね
4:れ、礼を言うべきかしら。最速の人ととウッカリデスに
※上半身裸の柊かがみです
※何故か不死身です
※最速の人に心揺れています


【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】
【装備:なし 褌一丁】
【所持品:支給品一式(確認済)】
【状態:所々に切り傷。右手骨折。肋骨にひび。重度の疲労。股間がかなりガビガビ】
【思考·行動】
1:じ、自分の苦労は……
2:褌を洗いたい!
※まんまハクオロです
※違う意味で最速です(向こう岸が見えるくらい果ててます)
※マダオの吐息に股間が反応しまくりです


【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】
【装備:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】
【所持品:なし】
【状態:心は蝶元気、肉体は蝶疲労。腰痛】
【思考·行動】
1:と、とりあえず、この調子で仲間を集めましょう!
2:もっと仲間を集める
※ロリスキーを見ると、胸が高まります
※【ゼロの仮面(蝶高性能)】
銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。
ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。
ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。
その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。



104:冥王ってよく考えたら邪気眼設定の塊だよね 投下順に読む 106:すごく……誤解です
104:冥王ってよく考えたら邪気眼設定の塊だよね 時系列順に読む 107:すれ違う二人+α++曖昧ネッケツ怪人
094:諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ ミスターマダオ 124:POWER STAGE
094:諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ クールなロリスキー 124:POWER STAGE
094:諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ ギャルゲロワ版最速の人 124:POWER STAGE
094:諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ 忘却のウッカリデス 124:POWER STAGE



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