ウラガワ


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

「……で、何が目的なんだ?
 書き手を集めて、殺し合いをしようなどと正気の沙汰ではない。
 本当に何を求めてるんだ?」

参加者たちがフィールドへと消えていった数分後のことである。
主催である<<読み手>>が背後の人物に問い掛ける。

その人物は、一万人が執事を思い浮かべた時に真っ先に思いつく服装を纏い。
白いテーブルに腰掛け、優雅に紅茶を啜っている。
もちろん、問い掛けていることには目もくれず。
「アールグレイはね、香りが強いんだ。
 落ち着いた、ベルガモットのね」

ゆっくりと立ち上がり、読み手へと近づいていく執事。
腰までの長髪を靡かせながら数歩歩いて立ち止まる。
ふくよかな胸の上で腕を組み、読み手へと眼光を飛ばす。
「でもね、温度を上げると香りはどんどん“臭い”に変わっていくの。
 熱を増せば、増すほど。だから、紅茶を冷やして香りを落ち着かせてあげるの」

大きな溜息を一つ落とし、もう一度紅茶を啜る。
読み手は苛立ちを覚えながら、落ち着いた声でもう一度問い掛ける。
「……何が言いたい」

「ずっと影の仕事に専念してきたからね、“どこがどうなっているか”なんて分かりきっている。
 “全体としてどうなっているか”というのもね」

紅茶の入ったカップを口元に持っていく。
中の紅茶を口の中へ入れる前に、たった一言だけ呟く。
「君も、読み手なら分かっているんじゃないのかな?」

読み手がその言葉を聞き取った瞬間だった。
少なからずほんの数刻前までの姿勢とは全く違うものになっていた。
己の左手には先ほどまで執事が持っていたカップ。
右手は己の顔を隠すように当ててあり。
足は内股になっている、「女の真似ー」とふざけている場合ではないのだが。
そして何よりも驚いたのは……。
「おやおや、紅茶が冷めますよ。早く召し上がっては如何です?」
そう、執事が。
さっきまで百メートルは軽く離れていたはずの女が。
今、自分の耳元で囁いている。

「ま、君は大人しく私に従っていなさい」
冷たく、そう言い残すと彼女は……どこかへ消えていった。

「おーい、そっちの調子はどうですかー?」
「あー、まあぼちぼちだなー。三日ぐらいならしっかり動くと思うぜー!」
彼女が次に向かったのはなんとも質素なモニタールーム。
正面に大きな103インチの大きなモニターが一つ。
そして青年が弄っているのは……よいこのみんなに当時衝撃を与えた100メガショック! NEOGEOのコントローラー。
ご丁寧に血飛沫でコーティングがしてあるお墨付きのものである。

「しかし、コンなんでマジに運営していく気か?
 もっとこう、人数雇うとかモニター何個もつけるとか監視体制って言うのはバッチリすべきなんじゃないの?」
至極当然とも思える青年の言葉に執事、いや女性は微笑む。
「いや、これだけでいいんですよ。もとより監視なんてするつもりはなかったんです。
 ただ誰かの面白い動きを私が見るために作らせましたし、首輪も禁止エリアに入ったとき爆発するようにしか出来てません。
 こちらから爆破することは……ほぼないでしょうし。「主催介入は諸刃の剣」分の悪い賭けは嫌いです」
女性は笑顔を崩さず、青年に言う。
青年はどこか腑に落ちない表情で問い返す。
「作った俺が言うのもなんだがな……で、どうして首輪に盗聴機能をつけなかった? しかも首輪はちょっとした仕掛けに気がつけば中学生でも解除できる仕掛けだ。
 殺し合わせるつもりなら俺ならもっと緻密な仕掛けにするし、盗聴だってつける。いつ謀反の狼煙が上がるか分かったもんじゃないからな」
「“殺し合いを完遂させようとするなら”それは必要ですね」
やはり執事の女性は笑顔一つ崩さずに青年へと話し掛ける。
裏があるはずなのに、裏がないその笑顔に青年は戸惑いを隠せない。
「優勝、脱出、全滅。どれになろうが私は構わないんですよ。
 盗聴をつけなかったのも、監視をほとんどしないのも、脱出がしたいならそうすればいい。
 彼らがどう転ぼうが、既に私の勝ちは決まっているんですよ? あの場所で人が一人死んだ時点で私的には成功したと言ってもいいです」
女性はにこやかに、語りつづける。その様子を見て、青年は考えるのをやめた。
「大体分かったようでわかんねえが……ま、あんたが何考えてようが俺には関係ねえしな。
 あんたが成功したと思えばソレでいいだろ、なぁ?」
青年は呆れ返ったのか、そこらへんで横になり始めた。
まさに今から睡眠をとろうともしそうな勢いで。
「……そこにあるマイクで放送がいつでもできる。赤いスイッチで電源のON、OFFだ。
 ついでにそばにある小さなモニターで好きなカメラの映像が見れる…………あとは好きにしな」
青年はそれだけ伝えると三秒で眠りについた。
「感電さん、手伝って頂いて有難うございます。
 ……私が作る事ができるのはWikiだけですからね、こういう機械的な物は無理なんですよ。
 では、祈りましょう。少なくともあの殺し合いに放り込まれた彼らの未来が――暗いことを」

そして執事、いや「パロロワWiki管理人」は再び闇へと消えた。
読み手ではなく、彼こそが。彼こそが真の主催者なのだ。

「技術を買われたのは嬉しいけど。さて、俺は取り返しのつかないことをしたのかねぇ……。
 ま、あんたの目的は大体読めたさ。でもそんなんで屈するヤツらじゃねえさ。
 ……ドコまでやれるのか、俺も楽しく見させてもらうぜ」
Wiki管理人が去った後。寝たはず青年、R-0109も呟く。
彼もまた、主催であり。主催ではない立場にいる。

「くそ、何者なのだあいつは……本当に何を考えている?
 書き手を殺し合わせてメリットのある者? 分からん……一体誰だ?!
 いや、そんな事はどうでもいい。
 書き手諸氏が一人でも多く生き残る為に、何かできる事は……俺に出来る事はないのか!」
操られた人形が、糸を一本ずつ引きちぎり操り主に反逆の牙を向こうとしている。
今は、その炎が燻っているだけ。

しかし、彼が反逆しても。
おそらく、目的は達成されるのだろう。
そう、この殺し合いの目的は――――――


※主催である読み手はただの読み手ではないようです。黒幕はwiki管理人のようです(?)。
※wiki管理人の外見(のみ)は執事服を着た稲田瑞穂です。情報を編集する能力(?)のようなものを持っています
※首輪は至極簡単な作りで盗聴機能もなく、“気がつけば”すぐに分解できるようです
※設備管理はR-0109のようですが、主従関係というより……?



081:戦爵様だぞーえらいんだぞー! 投下順に読む 083:支給品次第で参加者のモチベが変わるのは必然である
081:戦爵様だぞーえらいんだぞー! 時系列順に読む 083:支給品次第で参加者のモチベが変わるのは必然である
000:オープニング 読み手 129:貴方だけに教えます
wiki管理人 120:私のかがみ様、ツンデレのかがみ様
R-0109 127:第一回放送


ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。