ほとんど無害


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 稲妻とみま号(ロンドン行き)。ネギ臭いランドローラー。丸太の鷹。スウェーデン製ペニス延ばし。スパゲッティの缶詰。納豆。以下略。
 デイパックから出て来た品にろくなものはなかった。
 唯一のまともな支給品を膝に乗せ、焦ったドラえもんはため息をついた。
 彼女の膝の上に置かれた電子ブックの表紙には、親しみやすい文字で「Don’t Panic!(あわてるな!)」と書かれている。
「おとーさーん。おかーさーん。私は帰りたい。帰りたいよー!!!!」
 銀河ヒッチハイクガイドと呼ばれるその本で、彼女は目の前のデイバッグを幾度となく叩いた。そうすればまともな支給品が出て来る、とでも言うように。
 何度目に叩いたときだろうか。堅い手応えに続いて、デイバッグから何か巨大なブツが這い出して来た。
「何だお前は!」
「おとうさんです」
 純白のボディに包まれた全天候型重機動兵器は答えた。
「お……と……さん……?」
 それはおもむろに右手の人差し指を立てる。
「クイズ・ここはどこでしょう」
「は……?」
「ヒント・ここは第二次書き手ロワ会場」
 暗闇の中でも彼女の肩ががっくりと落ちるのがわかる。
「泣いている……」
「だーまらっしゃぁい!」
 彼女の腕力を持ってしても、空間破砕砲を備えた超兵器をぶん投げることは出来ない。仕方なく、電子ブックでがんがんとそいつを叩く。
「帰れ!ハウス!火星人ゴーホーム!」
 可変型間惑星戦闘システム・おとうさんは「あうあうあう」とか呟きながら宇宙の果てへと安全運転で帰って行った。

 これ以上支給品に期待してもだめかもしれない。焦ったドラえもんはよろよろと立ち上がった。
「何か普通の何か普通の何か普通の…………」
 うわごとのようにつぶやきながら、市街地をさまよう。
 その耳に、平和そうな売り声が聞こえて来た。
 なんと普通な。そう思った彼女は、売り声に引かれるように進む。
 商店街のど真ん中で、ごく普通のあんちゃんが、ごく普通の屋台を、ごく普通に開いていた。
「おねえさんおねえさん、夜食に鯛焼きどう?うちの鯛焼きは絶品だよ。サバイバルのお供に最適だよ~」
 普通よりちょっと愛想のいいあんちゃんの声に、彼女は思わず声をかけてしまう。
「鯛焼き、ひとつ下さい」
「はーい鯛焼き一つ!」
 男は明るい笑顔で紙袋を手に取った。
「美人のお姉さんには一個おまけしちゃおうかな~っ。むしろ二個おまけ!いや三個つけちゃおう!!」
 ぽんぽん、と四つ鯛焼きを放り込み、その袋を焦ったドラえもんに押し付ける。
「あ、ありがとう……」
「あざ~っす!また来てくださいね~!」
 焦ったドラえもんは、こくこくと頷いてその場を後にした。

 THE FIRSTは笑顔で女を見送った。その姿が交差点の向うに消えた瞬間、口元が陰惨な笑みにゆがむ。
 これであの女は太る。
「太って太って太り続けてしまえ。そうすれば貴様はいずれ糖尿病で死ぬ……って気い長過ぎだろ俺!」
 THE FIRSTはその場にしゃがみ込んで頭を抱えた。
 食べ物を使って他の参加者を殺すなら毒を混入するのが早いのだが、生憎彼の支給品にそのような便利な品は含まれていなかった。
 参加者の誰かに支給されている可能性もあるが、それより丸腰に近い状況で自分から他の参加者に接触しようと言う気にはなれない。
 いっそトリカブトから育てようか、と本気で考えながら、彼はとりあえず鯛焼きを焼き続けた。
 たいやきマーダー・THE FIRSTの次なる犠牲者は誰か。

【黎明】【C-7 市街地】
【THE FIRST@ライダーロワ】
【装備】鯛焼き名人アルティメットフォーム
【所持品】支給品一式(確認済み)
【状態】健康・かなりヤケ
【思考・行動】
基本行動:鯛焼きを焼いて焼いて焼きまくる。
1:食材を調達。
2:毒かなんかも調達。
※外見や声は三上了@仮面ライダー剣29-30話です。
※鯛焼き名人アルティメットフォームは、スペシャルターボのスイッチを入れることで
 鯛焼きをものすごく速く焼くことが出来ます。
※本職はたこ焼き屋です。


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054:たこ焼き屋は闇に踊る THE FIRST 113:走れたい焼きくん



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