Zero noise (+1)(前編)


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バトルロワイアルが執り行われている広大な敷地の一角にある、様々な種類の建物が立ち並ぶ市街地。
その中に、他よりも一際巨大でその威容を夜空に浮かべる一つの建物があった。
所謂現代を舞台としたパロロワでは定番の施設――ホテルだ。
宿泊。つまりは休息を目的とした施設だけあって、病院や学校なんかと同様に人が集まりやすい場所である。
そして、この書き手ロワ2ndにおける場合においてもそれは同じであった。

地下2階から地上8階まで全10フロアあるそのホテルの5階。
そのフロアの半分程を使った披露宴やショーを行うための大広間に4人の書き手が集まっていた。

4人の書き手は全員男性で、全員いい声をしており、そして全員アニロワ2ndの書き手だった。


「……フム。この超展開は意外と参考になるかもしれんなぁ (CV:小杉十郎太)」

オールバックにした長い銀髪を頭の後ろで一本に縛った長身の男が、目の前のモニターを見ながら呟く。
彼の名前は『激動のトウカリョウ』。
オープニングにて花々とデビューし、その後もメキメキと実力を伸ばしているニュージェネレーション筆頭である。

「ふぅん? まぁ、他人が七転八倒しとるんを見るぶんには、コレは愉快なもんやなぁ (CV:速水奨)」

全身を真っ黒な牧師の衣装に包み、顔面にそれよりもなお暗い薄ら笑いを浮かべる男が言う。
彼の名前は『ゲドー・ザ・マジシャン』。
名前が表す通り、心迷わす弱き者を非業の舞台へと誘惑する外道の説法師である。

「……ただの見世物ならばな。
 だがこれは紛れもなく我々の前に突きつけられた現実だ。笑ってばかりもいられまい (CV:関智一)」

その男を言い表すのに使う言葉は多くを必要としない。ただ一言――『金ピカ』と言うだけでいい。
彼の名前は『幻夜・フォン・ボーツスレー』。
幻の夜と呼ばれるように彼の力のほとんどは表には出てきていない。だが、その実力は万人の知るところだ。

「ブルァァァァァァァァァァ~~~~ッ!! ベリ~~…………メロンッ!! (CV:若本規夫)」

他の3人を無視し、また目の前のモニターをも無視して一心不乱にメロンを食い散らかすVの体にVの頭を持つ男。
彼の名前は『ビクトリーム博士』。
心の中に黄金に輝くVを持つ男。彼の手にかかれば誰もがVになる。どんな逆境だろうが黄金のVになる。

 ◆ ◆ ◆


熱心にモニターを見詰める3人とVの字の1人。
彼らは人と出会うことを期待してこのホテルに集まり、期待通りに出会えた後は争うことなく平穏な一時を過ごしていた。
だがそれは、彼らが争いや殺し合いを忌み嫌う人間だということを意味するものではない。
逆に、どちらかと言えば全員が多少の違いはありながらも、少なからずそれを肯定する性質を持っている。
なら何故、彼らは今にも殺しあわないのか? ――それは彼らの目の前のモニターに理由がある。

大広間の一角に置かれた巨大なモニター。
おおよそ100インチ程の大きさで、外殻を合わせれば縦も横もゆうに2メートルを超える。
そこに映されているのは、このバトルロワイアルに参加させられた全員分の映像だった。


「しかし……、とんでもないものだな。書き手という連中は……」

目の前のモニターの中で超常の力を振るい、また巨大な兵器を操る他の書き手達。
画面の中に分割して映し出されるその姿を見て、トウカリョウは感嘆と驚愕の交じった言葉を漏らす。

「――ハ。自分がそれを言うか。」

トウカリョウの発言を受けて、ゲドーは短い笑いと皮肉を含んだ言葉を彼にぶつけた。
彼の視線が追うのは血の色の紅。今見ているのは、一人の少女が無残にも一方的に惨殺される場面だ。
そして、その画面は間もなく暗転した。彼女が死に至ったということである。
モニターの中には所々黒い四角となっている場所があり、それを数えれば命を落とした者の人数が解った。
ゲドーは暗転した少女の画面から視線を彼女を殺した男の方へと移す。そこでなら先程の惨劇の続きが見れるからだ。

「全く持って愚かな事よ。
 あやつらは書き手として殺し合いを描く内に、己もその中に取り込まれていたというのか」

幻夜はその黄金の隙間から暗鬱な溜息を零す。
程度の差はあれど、この部屋の外にいる連中は受け入れているのだ。
殺し合い……ではなく、『バトルロワイアル』そのものを。
対主催などと言うものはその最たるものと言える。殺し合いに乗る方がある意味人間として正しい。

「キャッチ! マイ! ハァァァァァァァァァァァァァ――――――――ッ! お・か・わ・り!」

五月蝿いなぁ、この若本。
……などと言う他の3人の視線を何もともせず、若本……ではなくビクトリームはメロンを食べている。

と、Vの字はともかくとして彼らに共通するのは冷静だったと言うことだ。
それはこの大広間に見つけたモニターの影響も大きいが、ともかくとして今はこの事態を静観している。
何事においてもマイペースに事を進める参加者が多いアニロワ2ndらしい光景とも言えた。


べ、別にモニターの中に映る他ロワの連中のカオスさに気圧されて此処から出られなかったとか、
自分にはそんな濃いキャラクターはねーよとか思ったんじゃないからネッ! ――本当だからネッ!

 ◆ ◆ ◆


豪華な食事と休む場所、その他諸々に情報を得るためのモニターまで完備された高級ホテル。
バトルロワイアルが始まってより1時間足らずで4人がそこに辿り着いてより、更に数時間後。

彼らの物語も動き出す――。


「見ろ。客だ」
「――ククッ。これはまた、なんやえらい怖そうな兄ちゃんやないか」
「こやつがどう出るとあれ、歓待してやろうではないか。我々4人でな……」
「ブルァァァァァァァアアアアアアア――――――――――――――――――――ッ!!」


大広間にある無数の扉の内の一つが静かに開く。
そこらか姿を現した大男の方へと、3人とVの字の視線が差し向けられた。

その男の持つ印象は『黒』。だが、その黒は単純なものではない。
様々な何か――因縁か経験か執念か。それらが渾然一体となり煮凝りとなった限りなく黒に近い他の色だ。

実戦で鍛え抜かれた必要過不足のない浅黒の筋肉に、見るからに重そうな無骨な黒金の鎧を着込んだ男。
そしてなによりも目立つのが、その男が背負った彼の背よりも長い鉄塊――竜殺し。
彼の名前は『神行太保のDIE/SOUL』。
アニロワ1stより来た古強者の一人にして、九大天王の末席に身を置く者。またの名を『最速』と呼ばれる者だ。

 ◆ ◆ ◆


「あんたら、こんな所で固まってる所を見ると対主催か?」

3人とVの字の視線を一身に浴びながら、大男は大広間を彼らに向けて大股で渡ってゆく。

「ここは縁起が悪い。悪いことは言わねぇから、篭るんなら他を当たりな」

そして彼らの前、一足飛び込めばその長大な剣の切先が丁度届くという位置で足を止めた。

「それはどういう意味やろうなぁ、神行太保のDIE/SOULさん?」

黒服の男の言葉に、大男の顔にいぶかしげな表情が浮かぶ。そして、彼は男達の後ろにあるモニターの存在に気付いた。

「そうだ。我達は貴様の……、いやここに来た全員の姿と振る舞いを見ていたのだ」

重ねてかけられた黄金の男の言葉に、大男はモニターを仔細に観察する。
巨大な画面に区分けされ、それぞれの小さな四角の中に映されている参加者達。
その四角の端にそれぞれの名前があることを見て、彼は黒服の男の発言にあった疑問を解消した。

「成る程、便利な物があったもんだ。
 で、それで何であんたらは動かない? 助けたい仲間や、討ち取らなけりゃいけない仇なんかはいないのか?
 それとも、もう何人かは外に出て行ったか?」

大男の疑問は最もだった。バトロワの道理に従えば、まずそうしなければ嘘だろう。

「確かにそうしたいのも山々なんだが……、残念なことにこの画面には位置を知らせる情報が映らない」

同程度の上背を持つ銀髪の男の発言に、大男は改めて画面を見直した。
確かに場所を指し示す『C-5』という様な表記はない。というよりも、位置云々の前にそもそも地図すらなかった。
となると、頼りになるのは映像の中の風景となるが、それだけを見てもやはり特定は難しいだろう。
それに加え音声が無いという事も、この場合は意外と足枷になる。目的地を告げられていたとしても聞けないのだから。

「まぁ、そもそも。どの書き手さんともお近づきになりとうない……ってのが本音やけどな」

黒服の男は薄ら笑いの表情を崩すことなくそう言う。
ホテルの外は檻の無い動物園どころではない。奇獣、怪獣、珍獣、魑魅魍魎が跳梁跋扈する人外魔境である。
そんな所に出て行けば、どこぞの眼鏡女の様な悲惨な目に合うのがありありと想像できた。

「それよりも気になるのは貴様の先程の発言だ。
 『縁起が悪い』とはなんのことだ? そして何故、貴様はこの『縁起の悪い』と言う場所に来た?」

豪華絢爛な大広間の中で最も派手で目立つ男が大男へと問い返す。
「……俺のいたロワ。それはアニロワ1stの事だが。
 そこにあったホテルは跡形も無く破壊され、そこで13人の人間が死んだ……」

一つ目の質問への返答に黄金色はふむと頷く。
人が集まりやすい場所と言うことは、逆に言えばそれだけ人が『処理』されやすい場所と言うわけでもある訳だ。
理由をつけて安全な籠の中から誘い出されるか、はたまた籠の中に不穏分子を混ぜ込まれるか……。
それはここにいる4人とて例外ではないはず。ロワ内実況ネタなど繰り出しても、精々2・3話で『処理』されるだろう。

「せやけど、うちの方のロワ……アニロワ2ndのことやけどな。
 こっちのホテルは平和なもんやでぇ。ハハ、人っ子一人もおらん。どないしたろか思うわ」

確かに、『ホテル』だからといって必ずしも惨劇が起こるとは限らない。
『病院』程だとそれはかなりの確立で起こるが、『ホテル』『学校』『駅』なんかはロワによりけりだ。

「……まぁな。
 しかし、俺も他に当てがなかったんで、とりあえずは目に見えた此処に来たわけだ。
 あの男と会い、殺すために――!」

一瞬、男の気配が膨れ上がる。『あの男』と言う単語には今までにない感情が込められていた。

「それはもしかしてグリフィスか? 君……いや、ガッツの仇敵であるという?」

大男の容姿がベルセルクのガッツであることからして、銀髪の男はそう考えたが答えは違った。

「いや、俺が探してるのは――『アーカード』だ。漫画ロワでもアニロワでもいいが奴と戦いたい。
 アニロワでは、待望されていた『ガッツVSアーカード』は結局実現しなかったからな。
 俺がガッツとなったのなら、是非とも俺の手でそれを実現させたい。
 地図氏が書き手ロワの様に、アーカードとして参加しているのなら助かるのだが……」

こやつもつくづく『書き手』よの……と、心の中で呆れながら黄金色はモニターの上に視線を走らせる。
目が止まったのは『地球破壊爆弾No.V-7』と名前のついた所だ。
幾多のパロロワがあろうと、実際にロワの中で地球破壊爆弾を使って舞台を木っ端微塵にしたのは彼ぐらいだろう。
十中八九、『地球破壊爆弾No.V-7』はアニロワ1stの『地図氏』に間違いない。

「よろこべ古強者よ。お前が当たりをつけた通りに事は運んでおる」

黄金色が指し示す先、そこにはアーカードの姿を取ってホテルのロビーに立つ地球破壊爆弾No.V-7の姿があった。

 ◆ ◆ ◆


「こ、これはこのホテルのロビーやないか?」
「おい見ろ! るるるのルイズ……いや、美形元帥が見下ろしているのってこのホテルじゃなか?」
「……べべべのベリーメロンだとぉッ?」
「再現展開……というやつだな。
 まぁ、我らの姿かたちからしてさもありなんといったところだ。
 しかし、むやみやたらな再現展開は他作品に疎外感を与えると言うに……解っておるのか『この書き手』は?」

俄かに高まってきた『ホテル\(^o^)/オワタ』の予感を受けて、部屋の中に緊張が高まり始める。

「グズグズしちゃいられねぇ!
 手を拱いていたら、瓦礫に押し潰されている間に獲物を横取りされちまう!」

大男は竜殺しを背中から抜くと、踵を返して入ってきた時の倍のスピードで入り口へと歩き始め――、

「死にたくなかったら手前ぇらはここから脱出しろ。
 脱出しようとすれば十中八九死なねぇ。
 だが、誰かを追ったり、もう一度ホテルに戻ってくると死ぬからな! その点に気をつけろ」

――4人に先人としての忠告を残して、入ってきた時と同じ扉を潜って大広間より姿を消した。


076:私には早急に手に入れたい物がある。 投下順に読む 077:Zero noize (+1)(後編)
074:dddddddd 時系列順に読む 077:Zero noize (+1)(後編)
神行太保のDIE/SOUL 077:Zero noize (+1)(後編)
028:渡る世間は鬼畜ばかり 地球破壊爆弾No.V-7 077:Zero noize (+1)(後編)
底上中の残月 077:Zero noize (+1)(後編)
激動のトウカリョウ 077:Zero noize (+1)(後編)
045:同郷の人間はよく知る人物が、想定外のことするとは予想できない。 美形元帥 077:Zero noize (+1)(後編)
ゲドー・ザ・マジシャン 077:Zero noize (+1)(後編)
幻夜・フォン・ボーツスレー 077:Zero noize (+1)(後編)
ビクトリーム博士 077:Zero noize (+1)(後編)



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